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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回はカニ缶の紙は硫酸紙!
包む理由は変色防止や高級感の演出か?
というお話。
管理人、カニは好きなんですが。
高いんですよね~
そうそう食べるわけには行かない。
冬にスキー場近くの旅館で食べる。
大阪で食べるより安くてウマい、
交通費はかかりますけど。
それが数年に一度の贅沢とか、そんな感じ。
なので。
家で食べるのはかにかまぼこ。
カニカマですね。
かにかま・カニカマ 香り箱 高級カニカマ (業務用) 30本入り
カニっぽいけどカニじゃない。
そういうものだと自分を騙して食べる。
ウマいですけどカニじゃないので。
でですね。
せめてもうちょっとカニと思ったらカニ缶。
マルヤ水産 カニ缶詰 バラエティAセット NEW 高級ギフト箱入
高いですけどね~
こんなのくれる人、いないか・・・
まあ、もらえないから買うとして。
カニ缶って中身は紙に包まれてます。
ここで疑問。
あの紙はなんなのか?
種類と機能が気になるわけですよ。
ということで。
この記事では、カニ缶の紙は硫酸紙!
包む理由は変色防止や高級感の演出か?
について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
カニ缶の紙は硫酸紙!今は不要でも使う理由はある
すでにタイトルになってますけど。
カニ缶の紙は硫酸紙。
硫酸紙というのは紙を硫酸で
処理して目止めをしたもの。
セルロースを変性したり分解したり
膨潤させたりすることで隙間をなくす。
普通の紙はスカスカですけど
その隙間を埋めるということ。
そうすれば水分や油が外に染み出さない。
似た紙ではワックスペーパーや
クッキングシートがありますね。
管理人、以前調べたことがあります。
(過去記事)
ワックスペーパーは耐水!硫酸紙と同じ品種なのか?
⇒https://kamiconsal.jp/waxpapertaisui/
硫酸紙自体はこんな感じ。
最近は見かけなくなりましたが
昔の文庫本のカバーが硫酸紙。
薄くて半透明なやつです。
薬包紙も昔は硫酸紙だったとか。
古い人ならイメージ出来るでしょうが
若い人にはちょっと難しいかも。
本にしてもお薬にしても湿気は大敵。
なので水や油を通しにくい硫酸紙。
そういうことみたいです。
カニ缶も入っている理由は近いです。
元々はカニの中身に含まれる硫黄分が
缶詰の鉄分と反応して黒くなるので
これをセパレートするために
硫酸紙を使ったんだそうです。
カニの中身と缶詰の缶の鉄の部分が
直接触れなければいいということで。
それで。
このやり方、始まりは1900年頃だとか。
日本は明治33年。
日清戦争が明治27年、
日露戦争が明治37年。
ちょうどその間というところです。
今だとクッキングシートなんかの方が
性能はいいように思うのですが
当時シリコーン塗工技術
なかったんですよね~
パラフィン紙が1897年だそうですから
カニ缶に紙を入れる3年前になります。
そうなると、セパレート性能の良い
実績のある紙は硫酸紙しかない。
それにしても。
黒くなるなら紙で包めばいいと
考えた人はすごいですね~
そんな単純な発送でカニの中身の
変色が防止できたのですから。
ちなみに、硫酸紙といっても
酸性と言うわけではありません。
紙に硫酸が残っていたらすぐ劣化しますので。
実際には濃硫酸をくぐらせて
徐々に硫酸の濃度を薄くして
最後は苛性ソーダで中和して
水洗いをしているそうです。
最終製品に硫酸は残らないんですね。
そもそも紙に硫酸が残ってたら
缶詰の缶が錆びてしまいます。
それじゃあ缶詰の意味が無いですからね~
なので。
硫黄成分が鉄より先に紙の酸と反応して
カニが黒くならないとうのはちょっと違う。
なんとなくそうかなって
思ってしまいそうですけどね~
カニ缶の紙は高級感の演出
ここからは余談です。
ところで。
実は今は缶詰の缶の内側は鉄ではありません。
何かというと素材はPETだそうです。
ポリエチレンテレフタレート。
ペットボトルのペットですね。
PETフィルムが缶詰の内側に
ラミネートされているんだとか。
缶詰の元になるる鉄板にPET
フィルムが貼ってあるみたい。
鉄板をPETフィルムで挟んでいる感じ。
そういう加工をしているということは
やっぱり鉄が食品に直接当たるのが
何かと問題があって良くない
ということなんでしょうね。
まあ、カニ食べて鉄の味したら
文句の一つも言いたくなる。
その点PET樹脂なら金属の溶出は
ないので使いやすいんでしょう。
PETの延伸フィルムなら耐熱性も
200℃程度で缶詰の加熱にも耐える。
こうしてみると、今はカニ缶の中身は
缶詰の鉄と接触することはありません。
だから本来は紙もいらないはず。
それでも使っている理由は
高級感を演出するためらしい。
確かに缶詰の缶の中身がきれいな紙に
包まれていたら高そうな気がします。
高くても仕方ないか、という気分。
包装紙による演出ってことでしょうか。
高級品ほどそういうのが重要ですからね~
管理人のまとめ
今回はカニ缶の紙は硫酸紙!
包む理由は変色防止や高級感の演出か?
というお話でした。
カニ缶の紙は硫酸紙。
本来はカニと缶詰の鉄部分が
接触しないように使っていました。
今は缶詰の内側はPETフィルムが
ラミネートされているので
カニと缶詰の鉄を接触させない
という理由なら紙は不要なはず。
しかしそれでも紙を使うのは
高級感を演出するためだとか。
過剰包装なのかも知れませんが
高級品ほどそういうのが重要。
カニ、という見た目は大事ですからね~
この記事が、カニ缶の紙の
参考になればと思います。
カニ缶、おいしく食べて下さいね!
(参考)
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