両面印刷が透ける!コピー用紙の裏抜け対処方法はあるのか?

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インクジェット 裏抜け

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は両面印刷が透けるというお話。

コピー本なんかを作ろときに、
レーザープリンタならいいんですが、

インクジェットプリンタで両面印刷すると
インクが通り抜けて透けることがあります。

プリンタのモード設定なんかは
正しくても裏抜けしてしまう。

これは困りますよね。

こういう状態になってしまったときの
対処方法があるのかということですが、

管理人の回答は紙を変更するかプリンタを
レーザーに変更して下さい、となります。

元製紙会社社員なので紙を
変更して下さいとなりますかね。

本音を言うと裏抜けは品質設計の問題なので
小手先での対応は難しいんですよね。

だから、今の紙とプリンタの組み合わせで
ダメなら紙を変更して下さいということ。

ではなぜ裏抜けしないための対応として
どんな紙の品質設計をしているのか?

ということで。

この記事では、両面印刷が
透けるということについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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両面印刷が透ける。紙の品質設計のポイントとは?

結論から言うと、両面印刷して透けるなら
両面印刷用の紙を使って下さいということ。

インクジェット用普通紙であれば
両面印刷用があるんですよね。

だから、それを使って下さいと。

これって片面用と何が違うのかというと
単純に米坪、紙厚が厚いです。

米坪というのは1㎡あたりの紙の重さ。

米坪が重ければ紙厚も厚くなるので
言っている意味は同じですけど。

結局のところ、裏抜けというのは
表の印字が裏から見えるのですから

紙が厚ければ透けないでしょう、
というだけのことです。

これはあまりにも当たり前のことなんですが、
紙としてはどうしようもないことですよね。

薄い紙を厚くしろと言われても、
そういう品質設計ですから。

米坪69g/㎡の紙を81g/㎡にしろと
言われても出来るわけではない。

それなら81g/㎡の紙を使って下さい
ということになるわけです。

この話、結局最初から使う紙を
間違ってませんかということなんですね。

元製紙会社社員としては
紙は正しく使って下さいということです。

ちなみに。

インクジェットの場合はインクが液体です。

だから表に印刷されたインクが紙の
裏まで抜けて出てくることがあります。

だから余計に紙の厚さとかが問題。

両面印刷するときには
薄いコピー用紙はダメなんですね。

一方、レーザープリンタの場合は
インクが固体のトナーですから

インクジェットのようにインクが
裏まで抜けるということはありません。

だからその分、両面印刷しても
裏抜けしにくいというのはあります。

裏抜けに関してはインクジェットより
レーザープリンタが有利と言えますね。

それから裏抜けには絵柄も重要です。

特にインクジェットの場合は
ベタが多いような重い絵柄だと

インクの吐出量も増えますから
裏抜けしやすくなります。

逆に、文字だけとかイラストがあっても
絵柄が軽いと大丈夫のときもあります。

同じ紙を使っていても裏抜けしたり
しなかったりすることがあるんですね。

こういうのも注意点でしょう。

紙の裏抜け対策の品質設計について

ここからは元製紙会社社員として
管理人の本音をお話させて下さい。

かなり技術的なことになるんですが。

裏抜けは米坪に依存するので
両面印刷で裏抜けしたなら

米坪の重い紙を使って下さいと
ここまでお話してきました。

実際のところユーザーとしては
それしか対応策はないんですが

製造者としては米坪を変更せずに
裏抜けを改善したいというのがあります。

これはプリンタ用紙よりも新聞社や
出版社の要望が多かったですね

新聞は紙が薄いですし、米坪は
変更できませんからなおさらです。

製造メーカーとしての対応は
内添灰分の種類変更と増量、

あとはパルプ配合の変更
といったところですかね。

管理人は新聞は直接担当してませんが
出版用紙は色々やりましたね。

まず裏抜けを2種類に分けてました。

ひとつはプリントスルー、
もうひとつはストライクスルー。

プリントスルーは単純に
表の文字が見えるということ。

ストライクスルーはインクが
紙の中を抜けてくるということ。

どちらも紙を厚くして
内添灰分を増量してました。

ストライクスルー対策は
内添灰分増量で良かったんでしょう。

インクが通り抜けるのを防げますから。

ただプリントスルーを改善するには
内添灰分の種類の変更をしてましたね。

それで、裏抜けの度合いを表わすのに
不透明度という数字を測定してましが、

どうしても不透明度が上がらないときは
酸化チタンを使うことが多かったと思います。

製紙用薬品としての酸化チタンは
不透明度向上剤として使ってました。

ただし酸化チタンは製紙用
薬品としては値段が高かった。

それと粒子径の関係もあって
マシンが汚れやすかった。

品質的に効果があってもコストが上がるし
操業性が悪くなるので現場は嫌がりました。

そんな薬品使うくらいなら
米坪を上げたらいいとか言われて。

それからパルプ配合の変更は紙の白色度で
出来たり出来なかったりしてましたね。

上質紙のように100%晒クラフトパルプで
白い紙の場合は変更するパルプがない。

中質紙のように白色度がまちまちで
パルプの種類も白いパルプも黒いパルプも

色々配合している紙は配合変更で
改善できる場合もあったということです。

それから忘れてましたが、
紙の色を黒くすると不透明度は上がります。

当たり前ですが。

だから配合変更できる場合は白色度の
基準値の範囲内で低い方を狙ってました。

品質管理の観点からするとNGですが
無理やり数字だけ作ってた感じですね。

紙の製造は数値で管理してますが
最終的には人間の感覚が大きい。

そんな管理でもユーザーがOKなら
いいじゃないか、という感じでした。

いい加減なものですが
背に腹は代えられないし、

実際のところそれで問題に
なることもなかったと思います。

管理人のまとめ

今回は、両面印刷が透けるときの
対応についてのお話でした。

結論は、使っている紙が間違っているので
厚い紙に変更して下さいということでした。

両面印刷するなら両面印刷用の紙を
使わないと裏抜けするんですよね。

これは品質設計の問題なんです。

プリンタメーカーだってわざわざ
両面印刷用として販売してるんですから。

管理人としてはこのあたりを理解して
紙を使ってほしいなと思います。

この記事が両面印刷が透けるときの
参考になればと思います。

紙は正しく選んで使って下さいね!

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