管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、新聞紙のサイズの
規格についてのお話です。
管理人は毎朝なにげなく新聞を読むんですが。
この新聞紙の大きさって
どんな規格なんでしょうか?
管理人は元製紙会社社員ですから
ある程度のことは知っていますが
実は直接担当したことはないので
それほど詳しいわけではありません。
しかし身近な紙の割には、
その大きさがどうなってるかとか
サイズの規格というのを知らないのも
どうしたものかと思ったんですよね。
毎朝届く新聞の大きさが
どうなっているのかという
疑問を持つ人もいると思いますから
少し調べてみようかなと。
ということで。
この記事では、新聞紙の大きさや
サイズの由来について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
新聞紙のサイズはブランケット判
早速新聞紙の大きさについてです。
実は大手新聞社の新聞紙の大きさは
ブランケット判というのが主流です。
ブランケット判は新聞1ページの大きさで
横406.5mm x 縦546mm
になります。
ページ数としては表裏で2ページ分
ということになりますね。
なお、新聞紙1枚(見開き)の基準寸法は
ブランケット判の倍になりますから、
横813mm x 縦546mm
となります。
見開きですから4ページ分ですね。
次にタブロイド判はブランケット判の
半分で新聞1ページの大きさは
横273mm x 縦406.5mm
となります。
見開きはブランケット判と同じ
横406.5mm x 縦546mm
になります。
ちなみに、タブロイド紙と呼ばれる新聞は
このサイズが多いんですね。
大衆受けしそうな記事を載せるやつ。
分かりやすいのは夕刊フジとか
日刊ゲンダイとかでしょうか。
管理人も出張の行き帰りに
新幹線の駅でよく見かけました。
ヒマつぶしにはもってこいなんですよね~
新聞紙のサイズ JIS規格
それから新聞紙の大きさには
JIS規格があります。
どうなっているかというと、
A1小判:新聞紙を開いた大きさ
横820mm x 縦545mm
A2小判:新聞紙を閉じた大きさ
横410mm x 縦545mm
ということです。
ブランケット判よりちょっと大きいですね。
ただしこの大きさ、規格としてはありますが
採用している全国紙の新聞社はなさそうです。
なお、正規のA判は、
A1判:横841mm x 縦594mm
A2判:横420mm x 縦594mm
となります。
当然ですが、A小判より一回り大きいです。
(参考)
A4サイズやB4サイズの由来を知りたいならこちらもどうぞ。
新聞紙のサイズの由来
ここまで新聞紙の大きさについて
お話をさせていただきました。
それで新聞紙は実はJIS規格が
採用されていないこともわかりました。
新聞が今のサイズになったのは
輪転機が導入されてからみたいです。
それまでは枚葉印刷で主に
菊判(636mm x 939mm)、
菊判半裁(470mm x 636mm)
が使われていたようです。
枚葉印刷が輪転印刷になると
生産量が20倍になったそうです。
当時は革命的だったのでしょう。
輪転機は最初は政府が導入したそうで
それが1888年(明治21年)のこと。
フランスのマリノニ社から
2台輸入したそうです。
それを見た朝日新聞が1890年(明治23年)に
民間の新聞社としてはじめて導入したらしい。
ただし、そのフランスのマリノニ社の輪転機は
菊判では用紙サイズが合わなかったとか。
そこでこの輪転機に合う用紙サイズとして
四六判(788mm x 1091mm)が採用された。
四六判は昔から日本で
使われている美濃判の系列。
なので受け入れてもらいやすかった
というのもあったみたいですね。
それで、この寸法のおよそ半分の
寸法である今の新聞の基準寸法
横813mm x 縦546mm
が決まったということのようです。
788mm → 813mm
1091mm ÷ 2 = 546mm
ということですね。
ちなみに、
788mmは約31インチ
813mmは約32インチ
546mmは約21.5インチ
だそうです。
結局、新聞紙の大きさを決めたのは
最初に導入した輪転機だったんですね。
その後、そのままの寸法が
現在まで引き継がれているということ。
1890年以来ですから、
約130年変わっていないことになる。
そういえば、昔ハードはソフトだが
ソフトはハードと聞いたことがありますが
輪転機は次々と進化しても
紙の大きさは変わらないというところは
まさにソフト的なところは
変わらないということなんでしょう。
スポンサーリンク
新聞巻取りのサイズについて
新聞紙は最終的にはブランケット判の
枚葉として手元に届きますが、
製紙会社が出荷するときは
輪転機用の巻取りとして出荷します。
その巻取りも印刷機に合わせて
A~Eまで種類があります。
品番 寸法(mm)
A巻取 1,626×(546)
B〃 1,092×(813)
C〃 1,219×(728.3)
D〃 813×(1,092)
E〃 546×(1,626)
こんな感じです。
使用量はA、C、Dが多く
B、Eは少ないんだとか。
A巻は406.5mm x 4丁
C巻は406.5mm x 3丁
D巻は406.5mm x 2丁
という取巾ですから使いやすいんですね。
管理人が勤務していた製紙会社では
A巻が1本取れるマシン巾
(1680mm程度)を1本取り、
A巻が2本取れるマシン巾
(3300mm程度)を2本取り、
A巻が3本取れるマシン巾
(5120mm程度)を3本取り、
という感じで呼んでました。
一番大きいのは5本取りで
8130mm程度だったと思います。
5本取りマシンは巾が8m以上
あるわけで、かなりでかいです。
人間一人くらい簡単に飲み込みます。
紙が切れるとこの世の終わりかと
思うくらいの音がするんだとか。
管理人はその音を聞くことは
なかったですが。
新聞紙のサイズ一覧表
新聞枚葉 (単位:mm)
見開き | 1ページ | |||
横 | 縦 | 横 | 縦 | |
ブランケット判 | 813 | 546 | 406.5 | 546 |
タブレット判 | 546 | 406.5 | 273 | 406.5 |
A1判 | 841 | 594 | 420 | 594 |
A1小判 | 820 | 545 | 410 | 545 |
新聞巻取 (単位:mm)
品番 | 巾 | 流れ |
A巻取 | 1626 | (546) |
B | 1092 | (813) |
C | 1219 | (728.3) |
D | 813 | (1092) |
E | 546 | (1626) |
新聞縮刷版
新聞縮刷版はA4サイズ。
新聞1ページ分がA4の1ページです。
ブランケット判:406.5x546mm
⇒新聞縮刷版(A4):210x297mm
面積比としては28%に縮小されています。
スポンサーリンク
管理人のまとめ
今回は新聞紙のサイズのお話でした。
新聞紙は見開きの基準寸法が
横813mm x 縦546mm。
1ページはブランケット判と呼ばれる
横406.5mm x 縦546mm。
これが主流です。
その他の寸法としては
ブランケット判の半分のタブロイド判
横273mm x 縦406.5mm
があるということです。
JIS規格もありますが
あまり採用されていないようです。
新聞の寸法なんて普段は気にしませんが
調べてみると奥が深いもの。
そもそもが最初に輸入した輪転機の大きさで
決まっていたというのは知りませんでした。
たかが新聞紙の大きさですが
歴史があるんですね。
この記事が新聞紙の大きさの
参考になればと思います。
たまには新聞紙の大きさのこと、
思い出して下さいね!