A3ノビのサイズは余白のある寸法。ではその存在理由とは?

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A3ノビ サイズ

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はA3ノビのサイズとは?というお話。

たとえばお店なんかで。

2つ折りでA4サイズになるパンフレットとか
A3サイズの貼り紙を印刷屋に発注するとき

フルカラーの4色印刷物だと
A3サイズの紙ではダメなんですよね。

A3ノビというA3よりも一回り
大きなサイズが必要なんです。

実はA3ノビの寸法は
正式には決まっていないのですが

329x483mmという寸法が
多いみたいですね。

寸法としてはA3とB3の間になります。

※A3:297×420mm、B3:364×515mm

ではなぜA3よりすこし大きな
A3ノビというサイズが必要なのか?

それは4色印刷では4色がキレイに
重なっているかどうかを確認するため

「トンボ」というものを余白に印刷して
見当合わせをするから。

これが大きな理由です。

この記事ではA3ノビのサイズについて
管理人が調べたことをお伝えします。

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A3ノビのサイズが必要な理由

先程もお話しましたが4色印刷では
4つの色がキレイに重ならないといけない。

一般的には墨・藍・紅・黄(黒、青、赤、黄)
の4色で印刷されます。

そのときこの色がズレると
印刷物としてはNGなわけです。

画像がおかしくなるし
色は再現しないですから。

それでその色ズレを調整するために
必要なのがトンボと呼ばれる目印。

トリムマークとも呼ばれます。

印刷物を作成する際に、
仕上りサイズに断裁するための
位置を記すマークです。

トンボの説明は以下の通り。

トンボには2種類の形があり、
四隅に配置されているマークを
「コーナートンボ」又は「角トンボ」、

センターに配置されているマークを
「センタートンボ」又は「十字トンボ」
といいます。

ということです、

ちなみに十字のセンタートンボが
虫のトンボに似ている。

それでトンボという名前になったんですね。

これがキレイに合っていないと
印刷物がNGになるということです。

それでこのトンボですが
印刷工程中では重要ですが

仕上がった印刷物の中に
入ってはいけない。

ということで余白に印刷される。

だからA3サイズの印刷物なら
A3ノビというサイズでないと

印刷の調整をするトンボが
確認できないわけですね。

ちなみに縁無しプリントが出来ない
プリンタ用紙の場合。

完成品がA4:210×297mmならば、
用紙はB4:257×364mmが使えます。

完成品がB4:257x364mmなら
用紙はA3:297×420mmという感じ。

しかし完成品がA3:297×420mmで
用紙をB3:364×515mmにすると

このサイズが印刷できるプリンタがないとか
余白が大きすぎてもったいないとか

そういう問題が出るので
A3ノビというサイズがあるわけです。

実はこのサイズの問題はフチなし印刷が
出来るなら発生しない問題です。

しかし一般の商業印刷や
フチなし印刷が出来ないプリンタで

目一杯の大きさで印刷するときは
どうしても少し大きめの用紙に印刷して

その後断裁加工して寸法を
揃えるということになります。

結局「ノビ」というのは正規の
用紙サイズに余白をつけて作ったもの。

だから正式な寸法がないのも
当然ということですね。

(参考)
コピー用紙のA4サイズやB4サイズの
由来が気になるならこちらをどうぞ。

⇒新聞紙の大きさの規格とは?サイズの由来は複雑で奥が深い!

印刷の見当合わせとトンボについて

ここからは余談ですが。

通常、商業印刷では墨、藍、紅、黄の
4色で印刷されるとお話しました。

家庭用のインクジェット印刷なら
4色は同時に印刷されますが

オフセット印刷の場合、4色はそれぞれ
1色ずつ連続で印刷されます。

順番は印刷物にもよるでしょうから
各社それぞれだと思います。

管理人が知っている印刷所では
墨藍紅黄の順で印刷してましたね。

それで、1色ずつ印刷ですから
印刷用の刷版も4枚あるわけです。

この4枚で印刷する位置がズレたら
絵柄がおかしくなるんですね。

このズレを無くして絵柄をきれいに
合わせることを見当合わせと言ってました。

見当が合っていない絵柄って
なんだか気分が悪くかったですね。

それで刷版を印刷機にセットして
最初から見当が合っているかというと

そう簡単には行きませんので
機械を微妙に調整するわけです。

意外に思うかもしれませんが
印刷機のは高速で動く精密機械。

取り扱っている紙の厚みも網点サイズも
mm以下というかμオーダー。

そこを調整しないといけないのですから
相当な精度が要求されるわけです。

これが本当に人間が見て
違和感ないようになっているのかを

確かめるためにトンボが
必要になるというわけですね。

今となってはこの作業を印刷機が
自動でやるところもあると思いますが

管理人が製紙会社にいた頃は
印刷屋さんが目視でやってました。

紙が吸放湿で伸び縮みする素材なので
合わないときはなかなか合わない。

なかなか大変な作業だったという
記憶がありますね。

管理人のまとめ

今回はA3ノビのサイズとは
というお話でした。

「ノビ」というのは余白のある寸法のこと。

たとえばA3ノビといえば
A3サイズより一回り大きいサイズです。

それでこの「ノビ」という
サイズが必要な理由は

余白部分に見当合わせ用の
トンボを印刷するためでした。

そしてA3サイズ以下の場合は
Bサイズを使えばいいのですが、

A3を印刷するためにB3を使うのは
用紙寸法が大きくなって対応する

プリンタが高価になるとか
台数が限られるとかで現実的でない。

だからA3ノビというサイズがある
ということでした。

この記事を読んで「ノビ」がどういうことか
理解していただければうれしいです。

印刷用紙のサイズは正しく選んで下さいね!

(参考)
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