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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は抄紙機の事故は怖い!
回転体に巻き込まれると助からない?
というお話。
管理人は元製紙会社社員、
製紙工場で勤務したこともあります。
現場のテンダーではありませんでしたが
現場実習で3交代をやったこともあります。
その経験から言わせてもらうと。
製紙工場はとても危険なところです。
特に大型の工場は。
工場というのはどこでもそうですが
大きくなると怖いものが増える。
たとえば。
紙の巻取りロール。
イメージはトイレットペーパー。
ですが。
スケールが違う。
大きいものになると人間の背丈より大きい。
重さだと数十トンになる。
もしもこれが自分に向かって
転がってきたらどうなるか?
巻取りだって一種の回転体。
勢いつけて転がればひとたまりもない。
もちろんそんなことは起こりませんが
いたるところでそういう可能性がある。
そんなものを作っている抄紙機は
当然ながらもっと危険な機械です。
本当によく分かって触らないと
簡単に事故が起きてしまいます。
しかも。
事故で止まったら損害金額がまたでかい。
管理人の記憶では大型の新聞マシン
1日止めたら3千万円だった気が。
下手すると死亡時の生命保険と
同じくらいの金額なんですよね。
当然ながら安全装置とか安全教育とか
うるさくやってますけど事故は起こる。
管理人が在籍していた期間では
抄紙機での死亡事故はないですが
それ以外の機械での死亡事故とか
指とかやけどとかの事故はあった。
今思えば。
管理人良く無事だったと思います。
では抄紙機の事故はどれくらい
怖いのかを少しお話してみたい。
ということで。
この記事では、抄紙機の事故は怖い!
回転体に巻き込まれると助からない?
について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
抄紙機の事故は怖い。回転体も重量物も
では管理人の考えを。
まず抄紙機なんですが。
あれは紙を作る機械なんですよね。
当然ですが。
それで。
その紙は基本的に巻取りを作ります。
手漉き和紙なんかだと一枚ずつ
平らな紙を作っていきますが
普通の洋紙はロールに巻き取って
紙を生産するということです。
なので抄紙機にもロールが多数ある。
つまりは抄紙機は回転体のお化け。
大小様々なロールの組み合わせが
抄紙機という機械になってるんです。
そのロールの間を紙が通っていく感じ。
プレスされ、乾燥され、巻き取られる。
そんなロールが多数回転しています。
高速で回転しているものもあれば
低速で力強く回転するものもある。
で、基本的にそういう危険なものの
そばには人間は近づきません。
というか近づけないようになってます。
いわゆる安全装置ですね。
それでもやっぱり怖いんですよね~
管理人がよく言われたのは
「食い込み部には手を出すな」
ですか。
2本のロールが向かい合って
回転している部分が食い込み部。
そんな所に挟まれたなら
人間なんてひとたまりもない。
隙間は紙の厚さですから
完全にぺしゃんこになる。
実際にどうなるかは見たことないし
想像もしたくないですがとても怖い。
しかもそうなるのは一瞬なんですよね。
まあそれでもそんなに明らかに
危険なところには近づきません。
しかしですね。
そこまで危険に見えない場所もある。
小さめのロールがゆっくりと
動いている場所がそうですね。
高速回転のロールだとどうみても
太刀打ちできる気はしませんけど
低速回転のあまり大きくないロールは
もしかすると人間の力でも止まるかも?
と思ってしまうんだそうです。
大きな間違いですけどね。
管理人が受けた教育では
低速回転の方が怖いと。
だいたい、高速回転のロールは
近づくことが出来ないんですよね。
それに高速回転のロールは
手で触れても弾かれてしまう。
そもそも怖いと分かっているから
それだけ注意もするということです。
しかし。
低速回転のロールは一見怖くない。
しかも、手で触っても弾かれない。
それでナメているとひどい目に会う。
たとえば袖口ですね。
作業服の袖口が低速回転の
ロールに食い込まれたら。
腕が持っていかれます。
機械が止まるまでどうにもならない。
たとえばズボンの裾。
これも足元に回転体があるのに
裾がひらひらしてたら怖いことに。
食い込まれたら脚を持っていかれる。
片足になります。
機械が止まらなければ命がない。
それが本当にちょっとしたことで起こる。
機械設備の担当者は細心の注意を
払って安全装置をつけています。
回転体がむき出しにならないように
これでもかとカバーを付けてます。
しかしそれでも事故は起こる。
悩ましいところですね~
抄紙機以外でも事故は起こる。タンクの酸欠、クレーンの落下
ここからは余談です。
抄紙機以外でも事故は起こる。
当然ですけど。
これはこれで怖いんですよね~
たとえば。
化学工場ならどこでも可能性があること。
タンクにまつわる事故。
管理人も現場にいたときにはタンクの
中に入って作業したことがあります。
洗浄作業なんですけどね。
当然タンクは開けっ放しで
外気が十分あるところで作業。
しかし。
場合によってはタンクの中が
酸欠になることもあるんですね。
中にパルプが入っているときとか。
もちろんそんな危険な状況で
中に人が入ることはありません。
しかし、そういうとき不注意で
入ってしまったらとても危険。
酸欠で倒れてしまう。
怖いですよね~
タンクの中で倒れて誰も知らずに
そこに水とか原料が入ってきたら?
もう助かりません。
定期修理のときなど外部の業者が
入って作業する時は特に怖い。
誰かがいなくなっていても普段から
顔見知りの人ならすぐ気が付きますが
もしも外部の業者でよく知らない人だと
こういうことには気が付かないわけです。
あとで点呼を取ってみたら
どこ行ったんだとなる。
大惨事ですよね。
安全基準を守っていればいいんですが
適当にやるとタンク作業は怖いんです。
回転体のように動くものなら
分かりやすいんですけど。
地味なだけにかえって怖いですね。
それ以外で思いつくのはクレーンですか。
重量物はどこでも怖い。
まさか重量物の下に入る人は
いないと思いますけど。
それでもクレーンで吊り上げて
荷物が落ちたら大変なことになる。
管理人の記憶では紙の巻取りを
釣り上げそこねて落とした結果
工場の床に穴が空いた
というのがありました。
それは人身事故ではないにしても
工場の床に穴をあけるって・・・
重い抄紙機が乗っている床ですから
そんな簡単に穴なんて空きません。
それくらいの衝撃があるということです。
でもそれは日常の作業なんですよね。
だから本当に訓練した人間でないと
重量物の運搬なんてやってはいけない。
はっきり言って、数十kgの巻取りでも
下手な人がクレーンやると危険です。
真っ直ぐ釣り上げることが出来なくて
振り子のように揺れたりするんですよ。
そうなるともう簡単には近づけない。
下手に近寄ったら自分の身が危険ですから。
そういうのって大きな工場でなくても
研究所レベルでもあることなんですよね。
重量物については製紙工場でなくても
どこの工場でも倉庫でも起こること。
簡単な作業なので誰でもできそうですが
なんの訓練もしていない人がやると怖い。
本当に命に関わりますから。
管理人のまとめ
今回は抄紙機の事故は怖い!
回転体に巻き込まれると助からない?
というお話でした。
結論から言うと抄紙機の事故は怖いです。
回転体に巻き込まれると助かりません。
回転体以外でもちょっとしたことで
怪我をすることはあります。
それは製紙工場だけではありませんが。
どんなに整然としている工場でも
事故の芽は潜んでいるんですよね。
ましてや雑然としている工場はNG。
回転体だけが怖いわけではありません。
管理人が怖いと思ったのはタンクとか
クレーンで重量物を運ぶときとか。
他にも色々ありますがこんな日常の
作業でもいい加減にやると危険。
下手をすると命に関わります。
それは新入社員でもベテランでも
ナメたら大怪我するのは同じこと。
工場の現場作業は本当に注意が必要。
危険だと言われたらそばに行かない。
やるなと言われたらやらない。
勝手な行動は本当に大惨事を起こす。
もしかすると、戦場みたいな
ものかも知れませんね~
管理人はちょっと体験実習して
自分が使えないと悟りましたけど。
この記事が、抄紙機の事故の
参考になればと思います。
紙を作るのも命がけなんですね!
(参考)
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