紙匹の読み方は「しひつ」!断裁される前の状態の紙のこと

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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙匹の読み方は「しひつ」!
断裁される前の状態の紙のことというお話。

印刷業界や製紙業界では、
一般には聞きなれない専門用語が
たくさん存在します。

その中でも「紙匹(しひつ)」という言葉は、
紙に関わる仕事をしていない限りあまり
目にすることのない言葉かもしれません。

しかし、この「紙匹」は印刷物の品質や
コスト、作業効率などに大きく関わってくる
非常に重要な概念です。
ということで。

この記事では、紙匹の読み方は「しひつ」!
断裁される前の状態の紙のことについて

管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。

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紙匹(しひつ)とは?基本的な定義とその成り立ち

「紙匹(しひつ)」とは、印刷や加工のために
工場で断裁される前の紙の状態、
すなわち「原紙」のことを指します。

「匹(ひつ)」という字は、古くから布や
紙などの面積のあるものを数えるときに

使われていた助数詞の一種で、1匹、
2匹といった数え方をする場合もあります。

現代ではこの「匹」という字を見かける
機会は少なくなりましたが、業界内では

「紙匹(しひつ)」という用語として
生き続けており、特に印刷会社や製本会社、
製紙会社などでは日常的に使われています。

例えば、新聞や雑誌などの大量印刷物を
印刷する際、紙は最初から印刷サイズに
カットされているわけではありません。

印刷機にセットされる際は、「原紙」のまま、
つまり「紙匹」の状態で搬入され、

必要なサイズに断裁されてから
印刷・加工されるのです。

紙匹のサイズと種類―印刷物に応じた原紙の扱い

紙匹のサイズは印刷機の規格に合わせて
多様な種類があり、代表的なものに
「四六判」「菊判」「B判」などがあります。

それぞれの判型は紙の規格サイズを表しており
最終的に印刷物となる仕上がりサイズと
密接に関係しています。

  • 四六判(しろくばん):788mm × 1091mm
  • 菊判(きくばん):636mm × 939mm
  • B判(B全):1030mm × 1456mm

例えば四六判の紙匹を使ってA4サイズの
パンフレットを印刷する場合、

効率良く断裁し、用紙を無駄なく
使えるように設計されます。

この断裁工程を「面付け(めんつけ)」と呼び
紙匹の扱いにおいて重要なポイントです。

紙匹にはさらに、塗工紙(コート紙)や
上質紙、マット紙、再生紙など、

紙の表面処理や材質による違いもあり、
用途に応じて使い分けられます。

高級なカタログでは厚手のコート紙、
事務用文書では上質紙が多く使われるなど、
素材選びも紙匹の重要な要素の一つです。

紙匹と断裁の関係―仕上がりを左右する重要な工程

紙匹の状態のままでは印刷物として
使用できないため、必ず断裁という
工程を経る必要があります。

断裁では、仕上がりサイズだけでなく、
印刷機に最も効率よくセットできるように
計算された形でカットされます。

例えば四六判の紙匹からA4サイズを
作る場合単純に1枚の紙からA4が

いくつ取れるかではなく、
印刷機の給紙方向や印刷面の配置、

印刷効率などを踏まえて
面付け設計が行われます。

ここでミスがあると、紙のロスが増えたり、
印刷ズレや断裁ミスが生じたりします。

また、断裁は専用の「断裁機」を
使って行いますが、その精度が

高ければ高いほど、製品の品質にも
大きく関わってきます。

紙匹の状態での保管方法や湿度管理も、
断裁の際のズレや紙の歪みを防ぐために
欠かせません。

紙匹と関連する用語―連量、全紙、包みとの違い

紙匹について理解を深めるためには、
関係する他の用語も知っておくことが
役立ちます。

特に混同されやすいのが
「連量」「全紙」「包み(つつみ)」
といった言葉です。

連量:紙1000枚あたりの重さ(kg)を示す数値で、紙の厚みや重さを知るための指標です。例えば「四六判 90kg」といった表記は、四六判の紙を1000枚重ねたときの重さが90kgであることを意味します。

全紙:印刷物に加工する前の、断裁されていない大きな紙。紙匹と同じ意味で使われることもありますが、全紙はあくまで「サイズ」を指し、紙匹は「状態や数量単位」としての側面が強くなります。

包み(つつみ):紙の出荷単位の一つで、通常500枚を1包みとします。たとえば「1包=500枚の四六判コート紙」などの形で取引されることが多いです。紙匹はこの包みの状態で搬入され、そこから必要枚数ずつ使用されていきます。

このように、紙匹は断裁前の
原紙という意味に加えて、

取り扱いや物流単位としても
重要な役割を担っているのです。

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管理人のまとめ

今回は、紙匹の読み方は「しひつ」!
断裁される前の状態の紙のこと
というお話でした。

「紙匹(しひつ)」という言葉には、
単に紙の大きさや形状を示す以上の
意味が込められています。

それは、印刷や製本の前段階である
「原紙」の状態であり、紙の流通単位であり、

断裁の計画や印刷効率にも直結する
重要な工程を象徴する言葉です。

普段、私たちが手にする本やパンフレット、
チラシといった印刷物は、この「紙匹」から
始まっています。

紙匹の性質やサイズ、材質を理解することで、
印刷物の設計やコスト、品質への理解が
一層深まります。

印刷物の舞台裏にある、紙の原点ともいえる
「紙匹」という存在を、この記事を通じて
知るきっかけになれば幸いです。

この記事が紙匹(しひつ)の読み方の
参考になればと思います。

紙匹(しひつ)、面白いですね!

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紙の製造
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
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