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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回はコンビニの宅配便の包装を
段ボールにするか紙袋にするかというお話。
コンビニはとても便利。
宅配便も送れますよね。
それで、コンビニで宅配便を使うとき、
梱包をどうするか決まりがあるんでしょうか?
コンビニというよりも宅配便を
出すときの決まりという感じですけど。
管理人は会社の業務として
宅配便はずいぶん使いましたが、
個人的に送ることはほとんどなく、
普通は段ボールで送っている気がします。
実際のところどうなのか?
ということで。
この記事では、コンビニの宅配便の
包装はどうすべきなのかについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
コンビニの宅配便の包装は中身によって形態が変わる
それで宅配便の包装なんですが。
これって絶対にこうでなければ
というのはなさそうなんですよね。
ただ、中身によって梱包形態が
変わってくるのかなと思います。
たとえば割れ物。
まさかこれを包装紙で送る人は
いないと思いますが、
壊れやすいものとか
潰れやすいものは段ボール。
そうでなければ紙袋でもいい。
野菜や果物も段ボールですね。
宅配便で配送するとき、トラックの
一番上に乗るとは限りません。
せっかくの野菜がぐちゃぐちゃに
潰れていたら悲惨ですから。
ジュースだとか飲み物のような
液体も段ボールですよね。
もしもジュースのビンが割れて他の商品に
ジュースが付いたらひどいですから。
逆に、古着のような潰れても
問題ないものは包装紙でいいでしょう。
本なんかは迷いますね。
冊数が少なくてキレイに包装できるなら
包装紙でもいいと思いますが、
冊数がまとまっているなら
段ボールのほうが扱いやすいでしょう。
管理人としては迷ったら段ボールを
選択したほういいかなと思います。
過剰な梱包もどうかと思いますが、
中身を守るなら段ボールのほうがいい。
梱包をケチって中身が潰れたら
何をしているか分かりませんから。
段ボールの歩留まりと強度について
ここからは余談です。
管理人は元製紙会社社員ですから
ライナーの製造に関わったことがあります。
ライナーは段ボールの表に使われる紙。
段ボールは結構複雑な構造をしていますが
あれの表裏に使われている紙ですね。
見える部分なのでそれなりに
汚れていてはいけないし、
印刷されることもあるので
表面強度なども重要です。
しかし何より重要なのは
紙そのものの強度ですよね。
梱包材なんですから。
紙の強度の指標としては引張強度、
引き裂き強度などがあるんですが、
ライナーの場合はそれに加えて
圧縮強度というのがありました。
リングクラッシュとも呼んでましたが、
紙を圧縮したときの強度のことです。
具体的には紙で輪を作って
それを上から押さえつける。
そんな方法で数値が測定されてました。
段ボールの場合は引っ張ったり
引き裂いたりというよりも
上からの圧縮に耐えるかどうかが
重要ですから意味のある試験です。
管理人の経験では、圧縮強度を
上げるのはなかなか難しいと思います。
紙が厚ければ当然強くなりますが、
米坪を変えずに強くするのは難しい。
しかし、たまたま圧縮強度が
上がったことがありました。
それはライナーの中性紙化
テストをしていたときのこと。
それまでは酸性抄紙だったんですね。
それで、中性抄紙化するときには
薬品を使って歩留まりを上げる。
使用する薬品はPAM(ポリアクリルアミド)と
コロイダルシリカと呼ばれるもの。
上質紙系の場合はPAMの代わりに
カチオンデンプンを使うんですが
ライナーの場合は原料が古紙なので
カチオンデンプンでは上手く行かない。
それでPAMを使ったようです。
ともかくそういう薬品を使って
サイズ剤の歩留まりを上げたんです。
そのときに、今まで系外に排出されていた
微細繊維や灰分も紙中に残りました。
それで何が起こったかと言うと、
もちろん中性抄紙化やサイズ効果
という本来の目的は達成しましたが、
それ以外では圧縮強度が向上したんですね。
推定される理由は、微細繊維が歩留って
紙の隙間を埋めてくれたかららしい。
管理人はライナーの圧縮強度対策は
難しいと考えてましたから驚きましたね。
ただしこれは薬品費もかかるので
テストで終わってしまったようですが。
このテストでもうひとつ驚いたのが
排水がとてもきれいになったこと。
考えてみれば当たり前。
それまで排出されていた微細繊維などのSSが
排水中に排出されず紙中に残るのですから。
この効果には操業員が一番喜んだようで
マシンの掃除が激減したと言ってました。
ただ残念なのはこれがテスト期間だけで、
その後は薬品費低減ということで
どんどん薬品を減らしてそれなりの
歩留まりで製造しているみたいですが。
いずれにしても。
段ボールは圧縮強度という指標があり
それは他の紙ではあまり気にしない強度。
箱を作って上に積み上げるという
用途ならではの指標ですね。
箱の中に入れて守るという点では
包装紙ではなくて段ボールがいい。
そういう設計製造されていますので。
管理人のまとめ
今回は、コンビニの宅配便の包装は
どうすればいいかについてお話しました。
梱包形態ははっきり決まっていませんが
中身によって変わってくるということ。
壊れたり潰れたりするものは段ボール。
管理人は迷ったら段ボールをおすすめします。
そういう用途での品質設計してますから。
この記事がコンビニで宅配便を送るときの
包装の参考になればと思います。
物を送るときは中身が
守られるように梱包して下さいね!