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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、リソグラフ・活版印刷の復権?
印刷の不完全さを愛でる文化!というお話。
近年、デジタル印刷や
オンデマンド印刷の技術が飛躍的に進歩し、
誰でも高品質な印刷物を
手軽に作れる時代になりました。
文字はくっきり、色は均一で、
印刷ミスもほとんどありません。
一見すると理想的な進化のようですが、
その一方で「あえて不完全な印刷」に
価値を見出す人が増えています。
その代表例がリソグラフや活版印刷です。
インクのズレやかすれ、
紙の凹凸、色ムラなど
一般的には「失敗」と考えられてきた要素が、
今では作品の個性として高く評価されて
います。
SNSではリソグラフで印刷された
ポスターや冊子、活版印刷の
名刺やショップカードが数多く紹介され、
デザインイベントやアートブックフェアでも
人気を集めています。
「完璧だから美しい」のではなく、
「不完全だからこそ味わい深い」という
価値観が広まりつつあるのです。
ここでは、リソグラフと活版印刷が
再び注目される理由、それぞれの
特徴や魅力、不完全さがデザインとして
評価される背景について詳しく解説します。
ということで。
この記事では、リソグラフ・活版印刷の復権?
印刷の不完全さを愛でる文化!について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
リソグラフとはどのような印刷方式なのか
リソグラフは、デジタルデータをもとに
孔版(こうはん)を作り、大量印刷を行う
印刷機です。
もともとは学校のプリントや
自治体のお知らせなどを
低コストで大量に印刷するために
普及しました。
一般的な家庭用プリンターとは仕組みが異なり
1色ごとに版を作成して印刷します。
そのため、多色印刷では紙を
何度も通す必要があり、
その過程で少しずつ色が
ズレることがあります。
通常の商業印刷では、
この色ズレは品質不良とされます。
しかし、リソグラフではこのズレが
独特の風合いを生み出します。
- 色の重なり方が毎回少し異なる
- インクの濃淡に個体差が出る
- 紙への染み込み方が自然になる
- 同じデータでも完全には同じ仕上がりにならない
つまり、一枚一枚が少しずつ異なる
「一点もの」に近い存在となります。
この偶然性がクリエイターから
高く評価されている理由の一つです。
リソグラフならではの色彩表現
リソグラフ最大の魅力は、
独特なインク表現です。
一般的なオフセット印刷ではCMYKの
4色を組み合わせて色を再現します。
一方、リソグラフでは特色インクを
使用するため、蛍光ピンクや蛍光オレンジ、
メタリック風の色味など、
独特な発色を楽しめます。
さらに、インクが紙へ浸透することで
柔らかな質感が生まれます。
写真のような精密さはありませんが、
イラストやグラフィックデザインとの
相性は抜群です。
紙の種類によっても印象は変化します。
- ザラザラした紙では温かみが増す
- クラフト紙ではレトロ感が強まる
- 厚紙ではポスターのような存在感が出る
- 色紙では印刷結果が予測できない面白さがある
この予測できない偶然性も、
リソグラフならではの魅力として
受け入れられています。
活版印刷とはどんな印刷技術なのか
活版印刷は、文字や図柄が盛り上がった版に
インクを付け、紙へ強い圧力をかけて
印刷する伝統的な印刷技術です。
かつて新聞や書籍の印刷で
広く利用されていましたが、
オフセット印刷の普及によって
次第に姿を消していきました。
しかし現在では、その独特な質感が見直され、
名刺や招待状、ショップカード、
高級ブランドのパッケージなどで
再評価されています。
活版印刷最大の特徴は、紙にできる凹みです。
紙へ強い圧力を加えるため、
印刷された部分がわずかに沈み込みます。
この凹凸は光の当たり方によって表情を変え、
見るだけでなく触れても楽しめる印刷物に
なります。
デジタル印刷では完全に
平らな仕上がりになりますが、
活版印刷では紙そのものが
作品の一部になります。
「不完全さ」が魅力になる理由
一般的な印刷では、ズレ・ムラ・かすれ・
濃淡の違いは品質不良として扱われます。
しかし、リソグラフや活版印刷では、
それらが作品の個性になります。
例えば、同じデータを100枚印刷しても、
100枚すべてが完全に同じにはなりません。
紙の吸収率、湿度、インク量、印刷圧力など、
多くの条件が微妙に変化するためです。
この「偶然生まれる違い」が、
一点ものとしての価値を生み出します。
デジタル社会では、写真も動画もコピーも
全く同じ品質で複製できます。
そのような時代だからこそ、
人の手や機械のわずかな揺らぎが感じられる
作品に魅力を感じる人が増えています。
完璧さではなく、人間らしさや温もりを
感じられる点が、多くのデザイナーや
クリエイターに支持される理由なのです。
デジタル時代だからこそ「アナログ」が新鮮に映る理由
リソグラフや活版印刷が
再び注目を集めている背景には、
私たちを取り巻く環境の変化があります。
現在はスマートフォンやパソコンで
情報を読むことが当たり前となり、
本や雑誌だけでなく、チラシや
パンフレットまでデジタル化が進みました。
印刷物そのものに触れる機会が減ったことで、
「紙」という素材の存在感が以前よりも
強く意識されるようになっています。
さらに、印刷技術の進歩によって、
誰でも均一で高品質な印刷物を
作れるようになりました。
家庭用プリンターでも鮮明な写真が印刷でき、
商業印刷では色のズレやかすれがほとんど
見られません。
しかし、その均一さが
当たり前になったことで、
逆に「人の手を感じるもの」や
「機械の個性が現れるもの」が
新鮮に映るようになりました。
リソグラフでは版のズレや色ムラが生まれ、
活版印刷では紙に残る圧痕やインクの濃淡が
一枚ごとに異なります。
こうした偶然の違いは、デジタルでは
再現しにくい魅力です。
大量生産・大量消費の時代から、
自分だけのお気に入りを長く大切にする
価値観へと変化していることも、
リソグラフや活版印刷が支持される
理由の一つといえるでしょう。
ZINEやアートブック文化との相性が良い理由
リソグラフ人気を語るうえで欠かせないのが、
「ZINE(ジン)」の存在です。
ZINEとは、個人や少人数で制作する
自主制作の冊子を指します。
内容に決まりはなく、イラスト、写真、
旅行記、エッセイ、漫画、
デザイン作品集など、
自由な表現が特徴です。
こうしたZINEでは、大量生産ではなく
少部数で制作されることが多いため、
リソグラフとの相性が
非常に良いとされています。
リソグラフは数十部から数百部程度の
印刷にも適しており、小ロットでも
独特の風合いを楽しめます。
また、印刷のたびに微妙な
違いが生まれるため、
「同じ作品でも少しずつ表情が異なる」
という楽しみ方ができます。
近年ではアートイベントや
デザインマーケット、
ブックフェアなどでリソグラフ印刷の
ZINEが数多く販売され、
クリエイター同士の交流を深める
きっかけにもなっています。
また、完成した冊子そのものが
作品として扱われるため、
内容だけでなく紙質やインク、
製本方法まで含めてデザインされる
ケースが増えています。
活版印刷がブランド価値を高める理由
活版印刷はアート作品だけでなく、
企業や店舗のブランディングにも
活用されています。
例えば、高級感を演出したい
名刺やショップカード、
結婚式の招待状、ホテルの案内カード、
化粧品や食品のパッケージなどでは、
紙に残る立体感が特別な印象を与えます。
人は視覚だけでなく触覚からも
情報を受け取っています。
活版印刷では、紙に触れた瞬間に
わずかな凹凸を感じられるため、
「丁寧に作られている」「品質が高そう」
といった印象につながりやすくなります。
これは高級紙や厚紙との組み合わせで
さらに効果が高まり、ブランドイメージの
向上にも貢献します。
また、印刷工程そのものに
時間と手間がかかることも、
価値を高める要素です。
デジタル印刷では短時間で
何千枚も印刷できますが、
活版印刷では版の準備や紙の調整、
圧力の設定など、多くの工程が
必要になります。
そのため、「大量生産品ではない」という
希少性が付加価値となり、商品全体の魅力を
高めています。
リソグラフと活版印刷の違い
どちらもアナログな魅力を持つ印刷方式ですが、
それぞれ特徴は異なります。
リソグラフの特徴
- 鮮やかな特色インクが使える
- 版ズレや色ムラをデザインとして楽しめる
- イラストやポスターとの相性が良い
- 比較的少部数でも制作しやすい
- ポップで遊び心のある表現が得意
活版印刷の特徴
- 紙に残る凹凸が最大の魅力
- 高級感や重厚感を演出できる
- 名刺や招待状との相性が良い
- 細かな文字でも存在感が出る
- 触れて楽しめる印刷物になる
どちらが優れているというわけではなく、
制作したい作品や伝えたい雰囲気によって
選ばれています。
「失敗」がデザインになるという考え方
デザインの世界では、これまで「失敗」と
されてきた要素をあえて取り入れる表現が
数多く存在します。
例えば、写真ではフィルム特有の粒子感や
光漏れを再現する加工が人気です。
音楽でもレコードのノイズやテープの
揺らぎが温かみとして評価されています。
印刷でも同じことが起きています。
版ズレやインクのかすれ、
紙の繊維による濃淡の違いなどは、
本来なら修正すべきものです。
しかし、それらが機械では
完全にコントロールできない
偶然の表現であるからこそ、
作品に独自性を与えています。
このような考え方は
「完璧であること」
だけを価値とするのではなく、
「個性や偶然性にも価値がある」
という現代のデザイン思想にも通じています。
だからこそ、リソグラフや活版印刷は
単なる昔の印刷技術ではなく、
新しいクリエイティブ表現として
多くの支持を集め続けているのです。
リソグラフ・活版印刷はこれからも進化し続ける
リソグラフや活版印刷は
「昔ながらの印刷技術」という
イメージがありますが、
実際には現代のデザインや
ものづくりと融合しながら、
新たな価値を生み出しています。
例えば、デジタルでデザインデータを作成し、
それをリソグラフや活版印刷で仕上げる
という制作方法は今では
一般的になっています。
パソコンによる精密なデザインと、
アナログ印刷ならではの偶然性を
組み合わせることで、
どちらか一方では表現できない
独特な作品が生まれています。
また、デザインソフトの進化により、
印刷時の版の重なりや特色インクの
組み合わせをあらかじめシミュレーション
できるようになりました。
完全に仕上がりを予測することはできませんが、
「どのような偶然が生まれるのか」を
楽しみながら制作するという、
新しいクリエイティブスタイルが
広がっています。
近年では、印刷会社だけでなく、
小規模なデザインスタジオや工房が
リソグラフや活版印刷を
導入するケースも増えています。
ワークショップを開催し、
実際に版を作ったり印刷を体験したりする
取り組みも人気を集めており、
印刷そのものを「体験」として
楽しむ文化も育ちつつあります。
環境への配慮という視点からも注目されている
環境問題への関心が高まるなか、
印刷物にもサステナブルな考え方が
求められるようになっています。
もちろん、どの印刷方式にも
資材やエネルギーは必要ですが、
リソグラフは少ない電力で
大量印刷ができる点や、
油性インクとは異なる特性を持つ
インクを使用する点などから、
用途によっては環境負荷を
抑えられる場合があります。
また、活版印刷では耐久性の高い
厚手の紙が使われることが多く、
一度作った名刺やカード、パッケージなどを
長く大切に使ってもらえる傾向があります。
「大量に作って短期間で捨てる」
のではなく、
「少量でも価値の高いものを長く残す」
という考え方は、現代のものづくりにも
通じています。
さらに、近年では再生紙や
森林認証紙を組み合わせたり、
環境に配慮したインクを採用したりする
印刷会社も増えています。
こうした取り組みによって、
伝統的な印刷技術が現代の価値観と
調和しながら受け継がれています。
「印刷すること」そのものに価値が生まれている
かつて印刷は、大量に情報を
複製するための手段でした。
しかし現在では、スマートフォンや
タブレットの普及によって情報の多くが
デジタルで共有されるようになり、
「印刷する理由」そのものが変化しています。
その結果、紙に印刷すること自体が
特別な体験となり、印刷物には情報以上の
価値が求められるようになりました。
リソグラフでは一枚ごとに
微妙な違いが生まれ、
活版印刷では紙に刻まれた凹凸が
手仕事のような温もりを伝えます。
完成した印刷物は、単なる情報媒体ではなく、
作品や記念品、ブランドを象徴する
アイテムとして受け取られることも
少なくありません。
また、印刷工程そのものに
魅力を感じる人も増えています。
版を作る工程やインクを重ねる様子、
紙が一枚ずつ送り出される音や匂いなど、
デジタルでは味わえない体験が、
多くの人を惹きつけています。
効率だけでは測れない価値が
見直されている今だからこそ、
リソグラフや活版印刷は新たな世代にも
支持されているのです。
管理人のまとめ
今回は、リソグラフ・活版印刷の復権?
印刷の不完全さを愛でる文化!
というお話でした。
リソグラフや活版印刷は、一度は
主流の座を譲った印刷技術でありながら、
その「不完全さ」が新たな魅力として
再評価されています。
インクのかすれや色のズレ、
紙に残る凹凸など、
従来であれば品質のばらつきと
考えられていた要素が、
現在では作品の個性や温もりを
生み出す重要な表現となっています。
デジタル印刷が高度に発達し、
誰でも均一で美しい印刷物を
作れる時代だからこそ、
偶然性や手仕事のような味わいを持つ
印刷技術が新鮮な価値を持つように
なりました。
また、ZINEやアートブック、
ブランドツール、パッケージデザインなど
幅広い分野で活用され、
印刷は単なる情報伝達ではなく
「作品づくり」の一部として
位置付けられています。
リソグラフや活版印刷の復権は、
昔の技術が再び流行している
というだけではありません。
不完全さや偶然性、人の手を
感じられるものを大切にする
現代の価値観が生み出した、
新しい文化の広がりといえるでしょう。
リソグラフや活版印刷、面白いですね!
(参考)
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