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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、ポスターにアイロンをかけると
うまくやればシワは伸びるのかというお話。
管理人、以前部屋が殺風景だなと
思ったときにポスター貼ったりしました。
やっぱり目の前に好きなものがあれば
気分が違うと思うんですよね~
アイドルでも、キャラクターでも風景でも
車でも何でも良いと思いますけど。
いわゆる、気分が上がるやつ、ですね。
部屋によっては傷をつけてはいけないとか
制約があって貼りにくかったりしますけどね。
転勤が多い人だと長く住まないから
インテリアは気にしない人もいるでしょう。
そのあたりは人それぞれでしょうね~
それはそうとして。
このポスターなんですが。
ポスターとして販売されている市販品なら
キレイに丸まっているのでシワは少ない。
折り目もついていないでしょう。
しかし。
雑誌の付録なんかだとそうはいかない。
だいたいが折りたたんでますから
折り目はついてますよね~
状態が悪ければシワもあるでしょうし。
それで。
こういうのは修復できるものなのか?
少しでもマシになる方法はあるのか?
ということで。
この記事ではポスターにアイロンをかけると
うまくやればシワは伸びるのかについて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
ポスターにアイロンをかけるとある程度のシワは伸びる
結論から言うと、ポスターにアイロンを
かけるとある程度のシワは伸びます。
あまりきついのは無理っぽいですけどね。
それでそのやり方なんですが。
やり方自体は簡単で、ポスターに裏側から
あて布を当ててアイロンをかけるだけ。
温度は低温とか弱。
アイロンをかける速度はゆっくり過ぎず
はやすぎず様子を見ながらですかね~
このときの注意点としては、
水で濡らさないこと。
その理由なんですが。
普通紙の場合、紙は一旦湿らせてから
アイロンを掛けたほうがキレイになります。
シワの部分を少し緩めて
再度きれいに伸ばす感じです。
洋服でスチームアイロンを使って
シワを伸ばすのと同じですね。
ただですね、ポスターはコート紙が多いんです。
コート紙と言っても高級なコート紙。
新聞の折込チラシとは違いますよね?
品質面から言うと塗工量が多い。
印刷をきれいに見せたいと思えば
塗工層が厚い方が有利になるので。
逆に言うと塗料を塗工していない
ポスターはほとんどないでしょう。
どうしても光沢がないし印面が
キレイに仕上がりませんから。
それで。
水に濡らさない方が良いというのは
この塗工層に関係しています。
なんとなく分かるでしょうけど
コート紙の塗工層は水に弱い。
溶けるとはいいませんが、下手をすると
バインダーが溶けて表面がヌルヌルします。
こうなると最悪ですよね。
印刷がメチャクチャになりますので。
もちろん耐水性の良いコート紙も
あるんですけど失敗したら困るし。
なので、ポスターは水に濡らさない方が
良いというお話になるわけです。
コート紙でなければ少し霧吹きなどで
湿らせてからアイロンをかけたほうが
シワは伸びやすいんですが
ポスターではやめておきましょう。
特に高級な感じのは危険ですので。
ポスターにアイロンをかけるときのあて布はクッキングシートが便利
ポスターにアイロンをかけるときの
もう一つの注意点なんですが。
それはあて布ですね。
なんでもいいと思うんですが
オススメはクッキングシートです。
こんなやつ。
これはアマゾンで売ってたやつですが。
スーパーやドラッグストアにも
だいたいありますよね。
これの何がいいのか?
まず1つは継ぎ目がない。
ポスターってたいていA2サイズとかで
身近で使うA4サイズとかより大きいです。
だからあて布というかなにか紙を敷いて
その上からアイロンをかけたいんですけど
コピー用紙なんかだと折り目やシワを
伸ばすときに長さ不足なんですよね。
部分的にシワが入っているとかなら
対応できるかも知れませんけど
全体的な折り目を軽減しようと
いうことなら長さが全然足りない。
その点、クッキングシートはロールなので
継ぎ目なく折り目の部分がフォローできる。
これが一つのメリットです。
それから、クッキングシートは高温に強い。
アイロンをかけるわけですから低温でも
ある程度の温度はかかるわけですよね。
ポスターの修復でアイロンをかけるなら
低温でかけないといけませんが
それでも120度程度にはなるわけで
様子を見て温度を上げることもある。
どっちにしてもそれなりの熱が
かかりますから熱に強いほうがいい。
その点、クッキングシートは220度
程度には耐えるわけです。
十分な耐熱性ですよね。
また、クッキングシートは表面がツルツル
なので塗工層や印刷面がくっつかない。
温度がかかって塗工層が弱くなっても
剥がれたりしないというわけです。
色々考えてこういうあて布には
クッキングシート結構優秀です。
入手も簡単ですしね。
ポスターのシワを伸ばすときアイロンは低温でかけること!
これもちょっと重要です。
ポスターのシワを伸ばすとき
アイロンは低温でかけること。
実はこれにも紙の品質面から
必然性があります。
ここまでポスターは塗工紙が
多いとお話してきました。
この塗工紙なんですがポスターの場合
大抵は枚葉印刷なんですよね。
枚葉印刷というのは例えば四六半裁など
平判にカットした紙を印刷するものです。
そしてこれは印刷後、自然乾燥です。
どういうことかというと読んで字のごとく
自然に乾くまで待つということ。
新聞の折込チラシなんかだと
オフ輪で乾燥は強制乾燥が多い。
高速で印刷して無理やり熱風乾燥です。
何が違うのかと言うと、乾燥のやり方が
違うと紙の品質も違うということです。
つまり、チラシのように強制乾燥する紙は
塗工層が薄くて紙の内部強度も強くて
紙の中の水分が水蒸気になっても
紙が膨れたりしないようになってます。
専門用語ではブリスターといいます。
イメージとしては紙の中の水分が
蒸気になって爆発するわけです。
紙表面が水ぶくれのようになるんですよね。
しかし、平判の場合は対策しません。
何しろ自然乾燥ですから。
それに、高級なコート紙ほど塗工層が
厚いのでブリスターは起こりやすい。
現実的に対策は難しいんです。
ここまでお話すると分かるでしょうけど
ポスターにアイロンをかけるということは
強制的に紙を乾燥させているのと
同じことをやってるんですよね。
温度が高いほどブリスターが
起こる可能性が高い。
それからあまり時間を掛けると
やっぱり加熱されるのでイマイチ。
すばやくやりすぎるとシワが伸びませんが
ゆっくりやりすぎると水ぶくれするかも。
このあたりは様子を見ながら
そこそこでやるしかないでしょう。
いずれにしてもアイロンは低温で。
高温で無理やりやるとシワが取れても
水ぶくれで最悪、となりますので。
管理人のまとめ
今回のお話は、ポスターにアイロンをかけると
うまくやればシワは伸びるのか、でした。
結論から言うと、それなりにシワが伸びたり
折り目がマシになるということでした。
ポスターの裏側にあて布を当てて
低温でアイロンがけをする。
かけ方は様子を見ながら慎重に。
注意点としては水で濡らさないこと。
ポスターはコート紙が多いので水で
濡らすと塗工層がダメになるかも。
それからあて布にはクッキングシートが便利。
継ぎ目がないし、塗工層がくっつかないし
高温がかかっても強いですからね。
入手も容易ですし。
あと、低温にするのはポスターのような
高級なコート紙は高温で水ぶくれします。
だからそれを避けるために低温設定。
という感じですかね。
部屋にお気に入りのポスターが
一枚あれば気分も違うでしょう。
ちょっとでもキレイなポスターを
貼りたいものだと思います。
この記事が、ポスターにアイロンをかけて
シワを伸ばす参考になればと思います。
ポスター、楽しんで下さいね!
(参考)
紙の折り目を消す方法はある?低温でアイロンをかけるとマシ⇒https://kamiconsal.jp/kamiorimekesu/
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