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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、コピー用紙の厚さが0.09mmが
多いのは何故か?、というお話。
コピー用紙の厚さなんですが。
これって一般的な上質紙より
ちょっと暑いんですよね。
標準的な米坪64g/㎡で比較すると
コピー用紙:厚さ0.09mm(90μm)
上質紙:厚さ0.08mm(80μm)
という感じ。
なお、厚さはμm(マイクロメートル)
で表記することも多いです。
それで。
0.09mmと0.08mmと表記すると
たった0.01mmの違いじゃないか
となるんですが、実は紙厚で
この差はかなり大きいです。
表記自体はμm単位で見たほうが
感覚的には分かりやすいですね。
紙の場合は、厚くなるほどバラツキの
範囲は大きくなっていくんですけど
このレベルならせいぜい±3μm程度で
10μmも違えば別の紙と言う感じです。
それはそうとして。
ではなぜ同じ米坪、同じ原料の上質紙と
コピー用紙で紙厚が違うのか?
そのあたりの思うところをお話しようかなと。
ということで。
この記事では、コピー用紙の厚さについて
管理人の調べたことをお伝えします。
コピー用紙が厚めなのは剛度の問題
管理人の考えでは。
コピー用紙の厚さが上質紙より
厚めなのは剛度の問題でしょう。
他にも色々あるでしょうけど
一番初めに思いつくのはこれです。
剛度、というのは紙の硬さになります。
コピー用紙はコピー機やプリンタの
内部で搬送されるわけですよね?
そのときに紙がフニャフニャだと
機械の中で詰まってしまうんです。
これはイメージで分かると思います。
給紙するときも、そのあと搬送するときも
ある程度の剛度がないと詰まってしまう。
これはあくまでもプリンタの問題ですが
紙が薄すぎても厚すぎても不具合になる。
製紙会社としてはそれに合うように
紙を生産することになります。
それで。
上質紙とコピー用紙では紙厚が
10μm程度違うその理由なんですが。
一番大きいのは平滑度でしょうね。
紙の表面のツルツル度合いです。
コピー用紙の場合はこの平滑度、
摩擦係数にも関係するんですが
これ、プリンタの搬送性に関わるので
かなり重要なファクターになります。
たとえば。
紙の搬送にゴムローラーが使われるなら
紙が滑り過ぎたら困るわけです。
引っかかりすぎるのも困る。
なので、ちょうどいい感じに
調整しないといけない。
なので。
紙の厚さ、剛度、摩擦係数などの
折り合いがついたところが
米坪64g/㎡で紙厚0.09mm
と言う感じになると思います。
コピー用紙ってただの紙ですが
結構色々と調整されてるんです。
コピー用紙の厚さで箱の大きさが決まる
ここからは余談です。
コピー用紙の厚みは0.09mmが標準的。
これ、箱を作るときにも重要です。
紙一枚の厚さが0.09mmならば
紙1000枚なら90mmになります。
たとえば、500枚が1冊で
5冊が入っていれば2500枚。
このときの紙の高さは
0.09mmx2500枚=225mm。
細かくいうと包装紙もあるので
もうちょっと高くなりますが。
これがもしも厚さ0.08mmだったら
0.08mmx2500枚=200mm。
たった0.01mmの違いと思いますが
箱を作るとなると大きな違い。
25mmということは2.5cmですから
そんなに高さが変わったら
箱の中身がスカスカになる、
ということになるんですよね~
これ、大問題じゃないですか。
なので、こういう紙の規格は
そう簡単には変更できません。
紙の厚みがバラついたら
作った箱が無駄になる。
それだけ紙の厚さは精密に
制御されているとも言えます。
コピー用紙は米坪64g/㎡、厚さ0.09mmが標準的な理由
ここからは管理人の推測です。
コピー用紙の米坪や紙厚の規格が
なぜ64g/㎡になっているのか?
正直その理由は知りません。
なのでちょっと推測してみます。
まず、64g/㎡より薄い場合の問題点。
搬送性はもちろんですが
それ以外だとカールでしょうか?
カールとか反りとか言われるやつ。
雨が降ったら紙にシワが入ったり
曲がったりしますよね?
アレです。
紙が薄すぎるとシワが入りやすい。
カールもしやすい。
外気の影響をとても受けやすくなります。
コピー機やプリンタ、昔は空調のいい
部屋で使われていたと思うんです。
しかし、今はそんなわけにはいかない。
普通にオフィスの部屋にあるならいいですが
ひどいところは給湯室にあったりします。
湿気のある給湯室。
紙にとっては最悪です。
まあそこまでではないにしても
吹きさらしの工場に設置とか。
コンパクトでどこでも置けるように
なっただけいろんな環境がある。
それに対応する必要もある。
薄すぎるコピー用紙はそういう
対応力はないのかなと思います。
逆に紙が厚すぎる場合。
これはそもそも給紙できないことがあります。
特にトレーから給紙するときは紙が
硬すぎてローラーに巻き付かないとか。
トナー式の場合はトナーを
定着させるために加熱しますが
そのときに加熱不十分になる
というような可能性もあります。
あとカールですね。
これは薄すぎる場合と違って
紙クセが付きやすいんです。
平らな状態ならいいんですが
ちょっとでも曲がっていると癖がつく。
一旦ついた癖はなかなか治らない。
工場から出荷するときでも
巻グセは結構悩ましいんです。
まあ、薄い紙も厚い紙も必要に応じて
使い分ければいいわけですが
標準的に使うにはちょっと
問題があるという感じ。
何でもなさそうな紙の厚さですが
試行錯誤の上決まっているんです。
管理人のまとめ
今回は、コピー用紙の厚さに
ついてというお話でした。
コピー用紙は米坪64g/㎡で
厚さ0.09mmが標準的です。
実際にはプリンタとの相性で決めるので
必ずこの規格というわけではありません。
この米坪、厚みのものが多いということ。
理由はこれくらいが使いやすいから。
あまり薄いと剛度がなくて詰まる。
厚すぎるとトレイ給紙が出来ない。
色々問題があるわけです。
それから、同じ米坪の上質紙と比べて
コピー用紙のほうが厚いのはこの剛度と
表面の摩擦係数の調整
ということになるようです。
あまり平滑にするとローラーが滑るので。
色々妥協してこのくらいでいいか
と言う調整をして決まってるんですね。
当たり前のように見えても実際には
結構試行錯誤して決められている。
ということでした。
まあ、規格自体は一旦決まれば
それを守ればいいだけなので
製造する側としては下手な工夫も
出来ないので楽といえばラクです。
なので、海外の工場で大量生産して
国内に格安で持ってくることも出来る。
規格が決まっているメリットでもあります。
たかがコピー用紙ですが当たり前に
使えるまで結構苦労があったんですね~
この記事が、コピー用紙の
厚さの参考になればと思います。
コピー用紙うまく使って下さいね!