段ボールは衛生的か?生産直後は大丈夫ですが保管は要注意!

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段ボール 衛生的

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、段ボールは衛生的か?生産直後は
大丈夫ですが保管は要注意、というお話。

管理人、段ボールの製造はやってませんが
段ボール原紙の製造は担当しました。

段ボールの板になる前の紙のことです。

ライナーって呼んでましたね~

それで。

これが衛生的かどうか?

この問題、紙と段ボールでは
ちょっと違うかなと思っています。

ではどう違うのか?

ということで。

この記事では、段ボールは
衛生的かということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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段ボールは衛生的か?危険なものは含有していないが

まずは紙が衛生的かどうか。

これは視点によって意見が別れます。

まず製造側の言い分だったら
ライナーは衛生的といいますね~

管理人もやってましたけど
紙は食品衛生の試験をやります。

と言っても全部の品種じゃないです、
食品に関わる紙についてですけど。

段ボールは食品を入れますから
ライナーも試験をやります。

重金属が入ってないかとか特定の
有機化学物質が含有されてないかとか。

それで、当然ですがOKになります。

紙の成分は約90%はセルロース。

基本的に木材ですからね。

残りも炭酸カルシウムや
クレー、タルクなどの灰分。

その他、薬品は結構色使われてますが
使っている量が圧倒的に少ない。

危険だとしたら殺菌剤なんかですけど
これも全体量からすると微量です。

なので、実際には検出できない。

それに、製紙会社は各原料メーカーから
危険なものは使っていない証明書をもらう。

もちろん、原料メーカーも仕入原料に
対して同じことをやっています。

なので、危険な物は使ってないんですね。

そう言う意味では紙は原料的には
衛生的ということができます。

ただ、古紙の場合は正直何が
入っているかは分かりません。

そういえば、農薬が入っていた袋が紛れて
いたらどうすると言われたことがあります。

それでも、全体量からすると微量なので
試験して検出されることはないですね~

なので、実質的には問題ない。

紙を製造した直後は大丈夫なわけです。

段ボールは生産直後衛生的でも保管によってはNGの場合も?

管理人が問題だと考えるのは
その後の保管状況なんですよね。

これは誰でも指摘されれば
分かるんじゃないかと思います。

段ボール原紙は包装紙で包装されて
倉庫に保管されているわけです。

それがライナー、中芯、糊で
加工されて段ボールになる。

この段ボールになったところの
保管状態が問題なんですよね。

もしもこれがハダカの状態だったら?

その倉庫に虫がいたら?

きっちり包装されて虫もホコリも
入らない状態ならいいんです。

しかし、工場の倉庫で長期間
在庫になったらどうでしょうか?

虫がつく可能性があるんですよね~

管理人が原料は問題ないと
強調するのはそれがあります。

ホコリくらいならまあいいんですが
虫はどう見ても非衛生的ですよね?

しかし、紙には虫がつく。

段ボールでも作ってから使うまでの
回転が早ければ問題にはならない。

しかし、長期保存になるとそうはいかない。

なので、段ボールは新しいものはいいが
古くなるほど非衛生的だと思うんです。

これはどうしようもないんですよね~

紙には虫がつく

ここからは余談です。

紙には虫がつく。

本には紙魚がつきますが
普通の紙にも虫が付きます。

今回お話している段ボールなんかは
虫にとっては丁度いいんですよね。

段ボールの成分は木材と同じセルロース。

中芯とライナーを接着している糊は澱粉。

適度な隙間があって暖かい。

シロアリのような虫からすれば
天国かもしれませんね。

実は段ボールに限らず
紙には虫が入りやすいです。

工場の立地にもよるんですが古い
工場ほど虫には悩まされています。

どういうことかというと古い工場は
森林のそばにあることが多いんです。

日本は山国で木材は豊富でしたから
その原料の近くに工場を建てました。

なので、森から虫がやってくる。

特に24時間稼働している工場は
夜でも明るいわけです。

なので、光を求めて蛾のような虫が来る。

そして、生産ラインや仕上げラインに
飛び込んで紙に挟まれてしまう。

これは虫にとっても工場にとっても
最悪の結果なんですよね~

どこの工場でも防虫対策はやります。

しかしこれがなかなか難しい。

虫飛び込みで損紙にすることも多いし
たまには異物混入クレームになるし。

じゃあ半導体工場みたいに厳密に
管理しますかと言われると難しい。

紙の販売単価を考えるとそこまで
コストを掛ける意味がないので。

正直言って、人間は虫には
勝てないかなと思いますね~

管理人のまとめ

今回は、段ボールは衛生的か?
というお話でした。

管理人の考えでは製造直後は
衛生的だと思います。

原料には危険なものは使われないし
実際にそういう試験もOKになりますから。

ただし。

長期保管したときに虫はどうか?
というような場合はNGですね。

紙には虫が付きますから。

なので、回転が早ければいいんですが
長期に渡って使うのはどうかなと。

そうそう、家庭でも段ボールの
使い回しをしますけどこれも危険。

物置に入っている段ボール箱
たまには見たほうがいいでしょう。

紙が大丈夫でも虫がわいている
と言う可能性はありますからね。

それから、虫の害は製紙会社では
かなり悩ましい、というお話もしました。

特に古い工場は森林の近くにあるので
防虫対策は大変だと思います。

生命に危険が及ぶことはなくても
衛生は良くないですからね~

この記事が、段ボールが衛生的か
どうかの参考になればと思います。

段ボール、うまく使って下さいね!

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紙の製造
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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