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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、コート紙の塗工量は品種や米坪で
違う、基準はどうなってる、というお話。
管理人は元製紙会社社員。
その中で一番最初に担当したのがコート紙。
当時は特殊紙ならともかく、
一般の印刷用紙で技術とか
開発とかやることあるのか?
と思ってましたね~
でも実際に担当してみると
これが結構奥が深い。
といっても管理人はコストエンジニア的な
立場でいかに品質を下げずにコストを
下げるかという技術の研究というか
追求をしていることが多かったです。
今回取り上げる塗工量というのは
その部分にとても関わるんですね。
当時は塗料のほうがパルプより高かったので
塗工量を減らすというのが課題でしたから。
それはそうとして。
ではその塗工量の基準は
どうなっているのでしょうか?
ということで。
この記事では、コート紙の塗工量の基準が
品種や米坪でどうなるのかについて
管理人の調べたことを
お伝えしようと思います。
コート紙の塗工量はグレードで違う
結論から言うとコート紙の塗工量は
グレードで違ってきます。
一般的なグレードとしては以下の通り。
品種(グレード) | 両面塗工量 |
アート:A0、A1 | 40g/㎡ |
コート:A2 | 20g/㎡ |
軽量コート:A3 | 15g/㎡ |
微塗工 | 12g/㎡ |
一般的な基準はこんな感じ。
グレードが高いほど塗工量が多く
グレードが低いほど少なくなる。
塗工量がコート紙のグレードを
決めているとも言えるわけです。
ただしこれは一般的なもの。
もうちょっと細かく言うと米坪が
高いほど塗工量は増えてきます。
それはメインとなる米坪が品種によって
違っているというのもありますね。
たとえば微塗工紙なら米坪は
60.2g/㎡、64g/㎡あたりがメイン。
A3コート紙なら69.9g/㎡、72.3g/㎡
81.4g/㎡あたりになると思います。
A2コート紙なら104.7g/㎡、127.9g/㎡
アート紙なら127.9g/㎡、157g/㎡。
グレードが上がれば米坪も上がる。
塗工量も上がると言う感じですかね。
印刷品質という意味では塗工量は
多いほうがやっぱり仕上がりがいい。
そして、高級感となると紙の
重さや厚さが重要になる。
一般的な印象としては紙は白くて
厚いほど高級感が出ますからね~
コート紙の塗工量は枚葉かオフ輪かでも違う
それから、コート紙の塗工量は
枚葉かオフ輪かでも違います。
もう少し正確に言うと印刷後の乾燥が
自然乾燥か熱風乾燥かで違うんです。
このブログでも何度か記載したのですが
熱風乾燥すると紙の水分が蒸発する時、
コート層が厚すぎると紙の内部から出てくる
蒸気の行き場所がなくなって爆発する。
爆発というのは大げさですが
火膨れを起こすんですね。
ブリスターと呼んでますけど。
なので、オフ輪用の塗工紙は
米坪127.9g/㎡くらいまで。
157g/㎡になるとかなり厳しい。
品質を落として塗工量を下げれば
いいんですがそれでは意味がない。
高級品の印刷上がりになりませんから。
色々対応方法はあるのですが今度は
コスト的な問題が出てくるようです。
今はそう言う問題もクリアしているかも
知れませんがかつてはそうでしたね。
それと、そういうのが出来たとしても
今度は需要の問題があります。
高級印刷というのはチラシなんかに
比べると圧倒的に数量が少ない。
そしてオフ輪というのはロットが
大きいほどコストダウンになる。
というか、大ロット向けの印刷方式。
なので、なにもそんな無理なことをしなくても
普通に枚葉で印刷すればいい、となる。
製造側としてもそんなグレードは
あまり作りたくはないんですよね。
ちょっと話がそれましたがいずれにしても
熱風乾燥する場合は塗工量は少なめに。
そういう設定になってますね。
こういうのって印刷側での
印刷速度なんかも関係します。
そう言う意味では紙の特性を知っている
印刷会社が使えばOKというのもある。
わけも分からず速度を上げてあげく
クレームをつけてくる印刷会社。
あまり相手にしたくなかったですね~
管理人のまとめ
今回は、コート紙の塗工量の基準は
どうなっているのかというお話でした。
結論から言うとコート紙の品種というか
グレードで決まっているということでした。
高級なグレードほど塗工量が多い。
また、米坪が高いほど塗工量が多い。
これも紙のグレードによる
ところが大きいということでした。
それから、印刷が枚葉可かオフ輪かで
塗工量を変えていることもお話しました。
特に塗工量が多い厚物はオフ輪には
向いていないので枚葉が多い。
と言う感じですね。
もちろん、特抄品もあるので米坪が
低くても塗工量が多いものもあります。
逆に米坪が高い微塗工紙もあります。
このあたりはユーザーとの取り決めで
変わってくるということですね。
特定ユーザー向けの場合は一般的な
基準はあまり関係ないですから。
そうそう、管理人はコストダウンを
担当することも多かったのですが
塗工量は減らすと安くなるものの
品質が悪くなるので考えものでした。
仕方なくごまかしごまかしやることも
ありましたが気が進まなかったですね~
それで結局、減らせない事が多かったですが。
この記事が、コート紙の塗工量の
参考になればと思います。
コート紙の品質、たまには気にして下さいね!
(参考)
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