剥離紙はゴミになる。再生出来るのか、燃やすしかないのか?

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剥離紙 ゴミ

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は剥離紙はゴミになるが
再生出来るのか燃やすのかというお話。

管理人は元製紙会社社員でしたので
剥離紙の製造に関わったことがあります。

剥離紙というのは捨てる紙。

それなのにとても手間と
コストがかかるんですね。

シールやラベルのことを
タック紙とも言いますが

これに使われる剥離紙は
厄介者でもあるわけです。

最終ユーザーがタック紙を
使用すれば必ずゴミになるし。

リサイクルとかエコの観点からしても
出来れば使いたくないものです。

しかし、剥離紙を使わない
粘着ラベルは成立しない。

粘着剤をカバーしてくれないと
あちこちくっついてしまうし。

剥離紙がないと抜き加工も
出来ませんから不便で仕方がない。

剥離紙不要と言うならテープになりますが
それではうまくいかないことも多いんです。

それで結局、剥離紙は必要
ということになるんですね。

ではこの剥離紙、捨てるときには
資源ゴミなのか燃えるゴミなのか?

ちょっと迷うんじゃないでしょうか。

ということで。

この記事では、剥離紙はゴミになるが
再生できる資源ゴミか燃やすゴミかについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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剥離紙はゴミになる紙だが再生できるのか?

まず、ゴミの分別については
各自治体の規定があります。

だからそれに従って捨てて下さい。

まずここは分かってもらった上での
管理人の考えは以下のとおりです。

結論から言うと再生できる剥離紙と
再生できない剥離紙があります。

まず、再生できない剥離紙。

これはポリエチレンラミネート
している紙になります。

ポリエチレンラミネート、
ポリラミといいますが

紙にラミネートしている場合は
再生できません。

そもそもポリエチレンは
紙の原料になりませんから。

設備が良ければ紙とポリラミを
分離して紙だけを原料にする

というのはあると思いますが、
普通はあまりやりたくはない。

古紙原料としては歩留まりも悪いし。

製紙会社としては可燃ゴミとして
処理して欲しい紙です。

実際、タック紙を製造している会社では
使用できなくなった剥離紙は焼却します。

古紙として売ることも出来ませんからね。

それで、ポリラミしている剥離紙は、
だいたい黄色い色をしています。

黄セパレーターなので黄セパ。

青や白の場合もありますが
黄色が一番多いですね。

手で剥がすときに使うことが多いです。

見分け方として分かりやすいのは
軽く破ってみることでしょうか。

ラミネートされていると
ポリエチレンが破れにくい。

場合によっては紙と
分離することもあります。

普通のコピー用紙などを破るのと
かなり感覚が違うはず。

それからラミネート面は
テカテカでツルツルですから

見ただけであきらかに普通の
紙ではないと分かることもあります。

元製紙会社社員としては疑わしければ
可燃ゴミにしてほしいですね。

 

次に再生できる紙。

これはラミネートされていない紙。

多いのは青グラシン紙。

紙のラベルでラベルプリンターに
使われていることが多いと思います。

この紙は剥離剤のシリコーンが
塗工されているだけなので

古紙をパルパーで離解できますから
紙として使えるということです。

ただこの紙、上紙のシールが
フィルムのときには要注意。

青グラシンでもフィルムラベルは
ラミネートしていることが多いんですね。

これは紙のシールとフィルムのシールに
使用する粘着剤の種類の違いよります。

紙シールの場合、粘着剤は水系エマルジョンで
密度の高いグラシンにはあまり浸透しない。

ところがフィルムシールの場合、粘着剤は
溶剤タイプなのでグラシン紙でも浸透する。

この粘着剤の浸透を防ぐために
ポリラミをすることになります。

逆に言うと、上紙がフィルムの場合
剥離紙はほぼラミネートしています。

だから可燃ゴミに出して下さい。

こんな感じですね。

剥離紙のゴミとしての取り扱いについて

ここからは元製紙会社社員としての
管理人の本音をお話させて下さい。

ここまで剥離紙のゴミとして出すとき
どうすればいいかをお話しました。

それで、セパレーターにラミネートが
あるかどうかで古紙回収に出すか

可燃ごみに出すかを決めて欲しいと
確認して欲しいということでした。

しかしながら本音を言うと
剥離紙は全部燃やして欲しい。

ポリラミ品はラミネート部分が
紙になりませんから当然ですが

シリコーン塗工されている紙も
原料としては使いたくないんですね。

原料として混入する量は少ないし
それでトラブルが起こるわけではないですが

異物になる可能性はあるわけで
なるべくなら排除したいのが本音です。

管理人のまとめ

今回のお話は、剥離紙はゴミになるが
再生できるのか燃やすべきかでした。

結論としては、ポリラミしている剥離紙は
可燃ゴミ、そうでなければ再生紙でした。

ただし、元製紙会社社員の
本音は全部可燃ゴミにして欲しい。

そもそも分別が面倒ですし
間違われたら異物になるし。

たとえ再生紙に使用できるタイプでも
異物にならない保証はないですし。

それに剥離紙の数量は
古紙全体からするとても少ない。

しかしそのごく僅かなものが
生産を妨げるなら原料にはしたくない。

それが本音ということです。

この記事が剥離紙のゴミについて
考える参考になればと思います。

でもゴミの分別は自治体の
規則に従って下さいね!

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プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
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