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半透明の紙について。上に重ねても下の文字が見えるものは?

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、半透明の紙についてのお話。

上に重ねても下の文字が見える紙は?
トレーシングペーパーですね。

デザインや設計図を写すときに使いますよね?

今ではパソコンでCADを使って書くので
あまり使うことがないかも知れませんが。

漫画を模写するときにも使いますかね?

とにかく、下の絵を写すには便利な紙です。

管理人も学生の頃よく使いました。

今でもそうですが、文具店、画材屋、
通販でも簡単に入手できますね。

ところでこのトレーシングペーパー
どうやって作るのでしょうか?

管理人はトレーシングペーパーの
製造に関わったことがありません。

ちょっと気になるところです。

ということで。

この記事では、半透明の紙について
管理人なりに調べたことをお伝えします。

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半透明の紙について。トレーシングペーパーはグラシン紙の仲間

半透明の紙の製造方法はいくつかありますが、
トレーシングペーパーはグラシン紙に近い。

グラシン紙というのはパルプを出来るだけ
叩解して細くした上で紙を圧縮する。

トレーシングペーパーは
そんな方法で製造します。

ではここで、半透明な紙の製法。

少し専門的なお話をさせて下さい。

紙はなぜ白いのか?

そもそも紙はなぜ白いのか?

ここから始めないといけないですよね。

だいたい紙は、パルプ繊維と
空気から出来ています。

内添填料や塗料もありますが、
とりあえずここでは無視します。

それで、透明なものというのは
光を真っ直ぐに通すものになります。

向う側にある物体が見えるのは
向こう側からこちら側に真っ直ぐに

光がやってくるからで、途中で光が
曲がったら向こうの物体が分からない。

紙の後ろが透けて見えるというのは
裏側から光が真っ直ぐ来ているということ。

光が真っ直ぐ来ているのがポイントです。

では次に向こう側が見えないのは?

ひとつは光が吸収される場合、
もうひとつは光が乱反射された場合。

当然ですが光が吸収されれば
向こう側は見えません。

また、乱反射されても向こう側は見えません。

これはちょうど曇りガラスのようなもの。

光っていることが分かっても
向こうに何があるかは分からない。

そういう状態です。

それで、その乱反射を起こす原因は
パルプ繊維と空気の屈折率が違うから。

屈折率が違う物質が隣り合わせになると
光の速度が変わるので見え方が変わる。

よくある実験では、水中に棒を入れたら
棒が折れ曲がって見えるというやつです。

まさに、屈折してますよね。

それで、その屈折率は物質によって
かなり違っています。

パルプ繊維はセルロースなんですが、
パルプ繊維の場合は1.49だそうです。

ただし、純粋なセルロースは
屈折率1.57なんだそうです。

パルプ繊維と純粋なセルロースでは
屈折率が違ってくるようですね。

空気はだいたい1.00です。

その差は0.49になりますよね。

それから、大きさが小さいたとえば
μmとかのスケールになると

光は屈折と言うよりは
あちこちに反射します。

ここが問題で、結局、屈折率が違う
物質が同居すると乱反射して

白く濁った状態になる
というわけです。

紙が白くて不透明なのはセルロースと
空気の屈折率が違うからということ。

それを透明にするにはどうするか?

ここでようやく透明にするための
方法が出てくるんですね。

考え方はひとつ。

空気をなくす。

つまり、紙の中のすきまを
埋めてしまうということです。

その方法として実用化されている方法が3つ。

ひとつはグラシン紙。

ひとつはワックスペーパー、
パラフィン紙とも呼ばれます。

ひとつは硫酸紙。

ということです。

それぞれの説明は以下の通り。

グラシン紙

長時間、細かく叩解した
亜硫酸パルプを原料とし、

スーパーカレンダー(Supercalender)という
平滑なローラーを使って高圧加工する。

この過程で、パルプの繊維は
圧縮・平滑化され、隙間を失う。

こういうことですきまが減れば
セルロースだけになるので透明になる。

ただし、完全には空気が無くならないので
半透明な紙になるということです。

ワックスペーパー

狭義では、パラフィン紙はパラフィン蝋を
塗布・浸透させた紙である。

元になる紙としてグラシンを
使ったものが多いため、

グラシンと混同されるが、
本来は別物である。

グラシンから作ったパラフィン紙は、
単なるグラシンより特性が優れている。

これは何をしているかと言うと
紙のすきまをワックスで埋めています。

ワックスも種類が色々あるので
一概には言えませんが

屈折率は1.49程度になりますから
パルプ繊維とほぼ同じ屈折率。

空気を追い出してセルロースとの
屈折率の差が少ない物質に

置き換えることで紙が
半透明になるということですね。

硫酸紙

硫酸などでセルロース繊維の表面を
ゲル化、膨潤させて隙間を減らす。

硫酸紙・パーチメント紙・擬羊皮紙。

硫酸は仕上げの段階で完全に洗浄
除去されるので危険性等は全く無い。

紙のセルロースの表面がふくらめば
その分すきまが減るということです。

これで半透明になるわけですね。

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管理人のまとめ

今回は、半透明な紙についてのお話でした。

紙の上に乗せて文字を写す
紙の名前はトレーシングペーパー。

大きく言うとグラシン紙の仲間です。

それから半透明にする製法についても
お話させていただきました。

考え方は空気のすきまを減らすこと。

その方法は大きくは3つ。

グラシン紙のようにパルプを極端に叩解して
カレンダーで潰してすきまをなくす方法。

ワックスペーパーのように紙のすきまに
パルプと同じ屈折率のワックスを含浸させる。

そうやって空気を追い出すことで
透明化を実現する方法。

硫酸紙のように濃硫酸でパルプの表面を
膨潤させてすきまを埋める方法。

主には方法はこの3つでした。

なお、最近ではナノセルロースファイバー
というのもあるようですね。

これはナノということですから
セルロースをとても小さくしたもので

こういうのを使えば空気が入らず
フィルムのように透明になるそうです。

用途はトレーシングペーパーとは
全く違いますがこういう技術もある。

本格的な普及はまだ先だと思いますが。

この記事が、半透明の紙について
考える参考になればと思います。

トレーシングペーパー、
うまく使って下さいね!

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