万年筆がにじむのはなぜ?紙が対応していなければ書けない!

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万年筆 にじむ

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、万年筆がにじむのはなぜ?

管理人は万年筆はあまり使いません。

ボールペンが多いですかね。

そういえば中学の入学祝いに
万年筆をもらいました。

当時はそれでちょっと成長した
気分になったものです。

今はもうかなり老化してますけど。

それはそうとして。

万年筆はなぜにじむのか?

管理人は元製紙会社社員ですから
それは当然だと思うんですが、

中学生当時の自分だったら
かなり疑問だったでしょうね~

ということで。

この記事では、万年筆がにじむ理由について
管理人なりに調べたことをお伝えします。

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万年筆がにじむのは紙が対応していないから

結論から言うと万年筆がにじむのは
紙がそういう対応をしていないからです。

紙には何でも書けるものだと
思う人がいますがそれは違います。

筆記用紙は筆記用具で書けるように、
印刷用紙は印刷機で印刷できるように、

プリンタ用紙はプリンタで印刷できるように
段ボールは強度が出るように、

それぞれに品質設計があって
全部管理するポイントが違います。

今回の場合なら万年筆で書いても
にじまないという品質設計が必要。

何もしない紙は水性インクでにじみます。

だから、にじまないように
にじみ防止剤を入れる。

サイズ剤と呼ばれる薬品を
紙に添加するんですね。

そしてその薬品がパルプに定着して
はじめて万年筆でもにじまない紙になる。

そうやって薬品を無駄に入れすぎないように
調整してにじまない筆記用紙にするわけです。

何度も言いますが、万年筆で書ける紙は
にじまないように薬品を入れています。

そうでない紙は、万年筆で
書かれることを想定していません。

だから、普通のコピー用紙に書いても
にじむし、運が良ければ書けるときもある。

管理していないので、当然なんですよね。

ノートに万年筆で書いてにじんだらクレーム。

しかし、新聞紙だとクレームじゃない。

何にでも対応できる紙というのはなくて、
必要な性能が出るように設計しているんです。

だから、万年筆がにじむのはなぜ?

ではなくて、

この紙は万年筆でもにじまない
品質設計をしている、というのが正しい。

こんな感じですね。

万年筆がにじみやすい理由は水性染料インクだから

それにしても、万年筆はにじみやすい。

それには理由があります。

その理由は、万年筆のインクが
水性染料インクだから。

まず、紙は親水性。

原料のパルプの成分はセルロースで
水にはとても馴染みやすいんです。

そして、染料は分子なので
水と一緒に移動しやすい。

結局、紙のパルプ繊維、特に微細繊維を
伝うようににじんでしまうんですよね。

これが水性インクでも染料でなくて
顔料だったらにじみ方は違います。

顔料は凝集体なので分子である
染料よりも動きにくい。

微細繊維に沿ってにじんだとしても
水だけにじんで顔料はにじみにくい。

こういうことになります。

だから、万年筆であっても
顔料インクだとにじみにくいです。

また、油性ボールペンなら
万年筆のようにはにじみません。

これは染料を溶かしている溶剤が油性で
親水性のパルプに馴染みにくいから。

水のように微細繊維を伝わるとか
そういうことはないんですね。

だから油性ボールペンはにじまない。

もちろん、ボールペンでも
水性となると話は違います。

結局、紙ににじむかどうかは
インクの問題なので

水性ボールペンで染料インクだったら
やっぱり紙はにじみます。

こんな感じで、インクによって
にじみやすさが変わってくるんです。

万年筆以外でにじむのはインクジェットインク

ここからは余談です。

万年筆のインクは水性染料なので
紙ににじみやすいわけですが

家庭用インクジェットインクも
水性染料インクになります。

だから、これもにじみやすいですね。

インクジェットの場合も万年筆と同じく
専用紙でなければ印刷できない。

大量の水を吸収した上で
染料がにじまないように定着させる。

そういう設計が必要なわけです。

そのためインクジェット用紙の場合は
サイズ剤以外に定着剤も使うことが多い。

コピーとの兼用紙の場合は
そこまでしないかも知れませんが、

管理人が関係したインクジェット用紙は
定着剤も添加していました。

そうしないと、インクジェットで印刷した
直後はキレイなのにあとからにじむとか

印刷紙したものが水に濡れるとインクが
流れてしまうとかの問題があったんです。

こういうのも専用の設計なんですね。

管理人のまとめ

今回は、万年筆がにじむのは
なぜかというお話でした。

結論から言うと、ノートや手帳のように
万年筆で書ける設計でなければにじむ。

万年筆でにじまない紙は
それなりの薬品を添加しています。

だから、普通の紙ではにじんでしまう。

実は万年筆用の紙は
専用設計、ということでした。

紙はどれも同じと思われますが
実は用途によって設計が違う。

ここは元製紙会社社員として
理解して欲しいところです。

なお、万年筆がにじむといっても、
書いた直後に無意識に手で触れて

こすっていたとしたら
それは当然汚れます。

その場合は紙の問題ではないので
書いた後に紙でカバーするなどして

文字をこすらない工夫をして
対応していただきたいと思います。

この記事が、万年筆がにじむときの
参考になればと思います。

万年筆に合った紙を使って下さいね!

紙と万年筆
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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