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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回のお話は、
インクジェットの退色について。
インクジェット印刷って便利ですよね。
プリンタは安いし。
インクはちょっと高いですが印刷する
枚数が少なければそれほど気にならない。
お母さんが子供の持ち物に名前を書いて
シールを貼るときなんかには便利かなと。
ただ、インクジェットの印刷は
退色しやすいんですよね。
特に光に弱い。
この原因はインクジェットインクが
染料タイプだからなんです。
ではその対策はあるのか?
この記事ではインクジェットの
インクの退色について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
インクジェットの退色の対策は顔料インクとラミネート
インクジェットインクが退色しやすいのは
インクが染料タイプだから。
退色しにくいインクはというと
顔料タイプということになります。
だから単純に言えば
どうしても印字を長持ちさせたいなら
顔料インクタイプのインクジェットを
使えばいいということになります。
ただし、対応しているプリンタと
インクを使う必要はあります。
コスト的には高くなりますね。
それ以外の方法としては
ラミネートをするというのがあります。
インクが退色するのは紫外線(UV光)に
色素が壊されていくからなんですね。
だからUVをカットするようなフィルムを
ラミネートすればいいということ。
ラミネーターを使ってラミネートする
UVカットフィルムでも
手貼りする粘着タイプの
UVカットフィルムでもいいですね。
ラミネートをするというのは
紙表面の保護にもなるし、
フィルムさえ入手すれば出来るので
現実的かなと思います。
顔料インクにすればいいと言われても
対応している機種のプリンタならいいですが
そうでなければプリンタが必要だし
顔料インクも揃えないといけません。
そうなると家庭では負担があるかなと。
とりあえずラミネートをして印字が
退色してきたら新規にシールを作る。
管理人としてはこれが現実的な気がします。
染料インクと顔料インクの違い
ここからはちょっと専門的なお話。
それは染料と顔料は何が違うのか?
ということ。
大雑把に言うとインクジェットの場合
染料は水に溶けています。
しかし顔料は水に分散しています。
分散というのは溶けているようにみえますが
実際には微粒子が水の中に浮いている状態。
修正液でミスノンというのがありますが
あれも分散液ですね。
最近見かけなくなりましたが。
あれって長期間保管していると
水と顔料が分離するんですよね。
よく振ってお使い下さい、
みたいな感じでしたが。
技術的には均一に分散させるのは
かなり難しいことなんですね。
染料タイプなら水に溶けてくれますから
溶液を作るのは比較的簡単だし、
溶けているのでそう簡単には
沈降したり分離したりはしない。
インクの状態が安定しています。
しかし顔料は分散しているだけで
溶けていませんから、
現状が分散液の状態だったとしても
条件が変わると沈降したりする。
先程お話したミスノンのようなものなら
沈降してもまた混ぜれば使えるんですが
インクジェットの場合はノズルに
詰まりますからそうはいかない。
インクジェットインクの場合は
このような技術的な問題があります。
だから染料タイプのインクが多いんですね。
しかし染料タイプは耐光性が
悪いという弱点があります。
退色するということです。
もちろんどんな種類の染料でも
弱いというわけではないですし、
メーカーも色んな改善をしていますから
ひとくくりにすることは出来ません。
しかし原理的に染料は光に弱い。
どういうことかというと
染料タイプは水に溶けているので
イメージとしては一つ一つの分子が
発色しているような感じになります。
各染料の分子が目一杯
働いているという感じ。
これは少量で発色もいいのですが
分子は壊れやすい。
しかも代わりが効かない。
その一個の分子が壊れたら
その分発色が悪くなる感じ。
一人でも病気になったら
機能しない組織みたいなものです。
パフォーマンスはいいけれど
持続力がないんです。
それで光はエネルギーですから
色素に当たれば色素を壊す。
特に強い光のUV光は
染料を壊すわけです。
それが人間からすると
退色したとなるわけですね。
一方顔料インクは粒子なので
発色はそれほど良くない。
しかし染料のように簡単には壊れません。
正確に言うと顔料も分子レベルでは
壊れるんですが染料と違って代わりがある。
イメージで言うと働いているのは
表面の分子で内部は何もしてません。
だから表面が壊れたらその次が
出てきて代わって働くわけです。
普段働いていないように見えても
いざとなったr働き始める人がいる組織。
そんな感じです。
だから顔料タイプは耐光性がいい。
その強さは色目によっても違うし
無機顔料だとそもそも強いですが
原理的に染料と顔料では
光に対する強さが違うということです。
だったら顔料タイプにすれば
退色なんかは改善できる
となるんですが当初は顔料の分散が
なかなか難しかったんですね。
粗い粒子の分散液は昔からありましたが
それではノズルが詰まってしまう。
それでも最近が顔料タイプが
出てきたのは分散技術が進化して
ナノ粒子の分散液が出来るように
なったからなんだそうです。
分散液というのは粒子が細かくなるほど
均一に分散させるのが難しくなるもの。
これをクリアするのに時間がかかった
ということなんでしょう。
管理人のまとめ
今回はインクジェットの退色対策
についてのお話でした。
シールに印字したインクジェットインクが
光で退色してしまう対策としては
インクを顔料インクに変えるとか
ラミネートを貼るというところ。
顔料インクにすれば絶対大丈夫
というわけではありません。
しかし染料インクより退色しないはず。
また退色の原因となるUV光をカットする
透明フィルムをラミネートするのも有効。
ただどちらもコストはかかりますから
そこまでやる必要があるのか
退色したシールを作り直したほうが
安くて簡単では?というのはあります。
これは各々状況に応じて
検討するところでしょう。
管理人は退色が目立ったら
作り直せばいいかなと思ってますが。
それから染料と顔料の違いについても
少しお話させていただきました。
顔料の分散は難しかった記憶があります。
技術は進化しているんだと思いますね。
この記事がインクジェットの退色対策の
参考になればと思います。
いずれにしても印刷物の劣化は
避けられません。
うまく付き合って下さいね!
(参考)
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