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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、紙に塵が少ないのは?
クリーナーやスクリーン設備があるから
というお話。
管理人は元製紙会社社員。
紙の塵に関しては対策が大変でした。
結局なにが原因だったのか
わからないこともありました。
最終的にはマシンを掃除して原料を
入れ替えるしか対策がなかったり。
どうしようもないこともありましたね~
それはそうとして。
紙の場合は原料が木材や古紙なので
通常でも除塵には気を使います。
ではその製造工程はどうなっているのか?
ちょっと気になりますよね~
ということで。
この記事では紙に塵が少ないのは?
クリーナーやスクリーン設備があるから
について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙に塵が少ないのは?各工程での除塵対策
紙の除塵はかなり気を使うんですが。
パルプ工程、抄紙工程のそれぞれに
クリーナーやスクリーンがあります。
木材から製造されたパルプは
クリーナーで除塵されます。
こんなやつですね。
村田工業:パルプクリーナー
⇒https://www.murata-kogyo.co.jp/products/cyclone/cleaner/
原料が三角コーンの中をぐるぐる回って
重い異物が中心から下に落ちていく感じ。
これで重量異物を取り除くわけです。
こんな設備がパルプ工程、抄紙工程の
いたるところにありましたね~
この設備を通過したあとは
スクリーン工程になります。
イメージはこんな感じ。
日本製紙:繊維から異物を取る
⇒https://www.nipponpapergroup.com/knowledge/chip/factory6.html
スクリーンのイメージは
網とかザルとかカゴです。
穴の空いたカゴに原料を入れて
原料と異物を分ける感じですね。
ゴミの取り方としてはクリーナーが粗くて
スクリーンが細かいものまで取る感じ。
こういうのがパルプ工程、抄紙工程とも
いくつも設置されているわけですね。
紙に塵は少ないがそれでも欠陥は発生する?
設備としてはこんな感じでかなり
強力に除塵しているんですけど。
それでも欠陥は発生します。
重量異物はクリーナーで取れますが
軽量異物は除去しにくかったですね。
それから琉装配管内部でスライムなどが
発生するとそれもまた除去しにくい。
感熱紙のように熱で黒くなるものなど
なにかに反応して発色するのもツライ。
ホットメルトのような粘着物も
除去が難しいコンタミですね~
それで。
製品に異物や欠陥が発生した場合なんですが。
これは欠陥検出器でチェックして
基準以上に欠陥があれば損紙です。
スポットディテクターともいいます。
抄紙機の場合はBM計についてますかね。
物によっては仕上げのワインダーにも
欠陥検出器がついている場合もあります。
そして最終的には目視。
枚葉なんかの場合には抜き取り検査で
操業員が目視チェックをしてました。
全数検査は出来ませんけど怪しげな
製品は再チェックとかしてましたね。
しかも。
ベテランの操業員になると精度が高い。
管理人には全く見えない欠陥を紙を
ペラペラめくるだけで見つけてしまう。
検査員は女性が多かったですが
すごい目をしてると思ったものです。
そのあたりを歩いていれば
普通のおばさんなんですけどね~
管理人のまとめ
今回は紙に塵が少ないのは?
クリーナーやスクリーン設備が
あるから、というお話でした。
紙は白くて塵が少ないのがいい。
ノートに使われる紙や伝票に
使われる紙は特に厳しいです。
チラスや書籍でも夾雑物は嫌われますけど。
それで。
紙に塵が少ないのはクリーナーや
スクリーンの設備があるから。
こういう設備がパルプ工程でも
抄紙工程でも多数使われています。
そもそも紙の原料は天然の木材とか
古紙ですので夾雑物は多いんです。
なので、除塵設備はとても重要。
特に印刷用紙では紙面は
キレイで当然ですから。
それでも欠陥は発生するので
欠陥検出器もついています。
スポットディテクターですね。
各品種ごとに1㎡あたりどれくらいの
欠陥まで許容するのか基準を決めて
それを超えるようなら製品にせず
損紙にするということをしてます。
さらに仕上げ工程では抜き打ちで
目視確認もするんですよね。
最後は人間の目が一番。
あれはすごいものだと思いますね~
いずれにしても。
紙の塵は少ないといっても相当な
対策をしているのは確かです。
原料も製造設備も配管もどこか
一箇所でもNGだと製品にならない。
除塵は本当に大変だと思いますね~
この記事が、紙に塵が少ない
理由の参考になればと思います。
紙に塵が少ないのは色んな
対策をした結果なんですね!
(参考)
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