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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は紙の余尺や余枚数とは?
数量不足の対策で付ける若干の余分、
というお話。
余尺とか余枚数ってあるんですけど。
巻き取りだったら長さを尺ともいいますから
余尺というのはその余り、ということです。
枚葉だったら枚数が多めとなりますね。
製造する側からすると余尺とか余枚数は
それだけ分村しているわけですから
出来ればそんな対応はしたくないんですが
商習慣としてやってた感じがします。
特に印刷用紙や包装用紙はやってましたね~
情報用紙は品種によってはなかったかも。
それで。
どういうわけで余尺や余枚数が出るのか?
ちょっとそのあたりをお話しようかなと。
ということで。
この記事では、紙の余尺や余枚数とは?
数量不足の対策で付ける?について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙の余尺や余枚数は保険のようなもの
それで、紙の余尺や余枚数は
なぜ発生するのかなんですが?
実は、製造側は機械で流れを読むので
余尺なし、と言われたら製造できます。
そこそこの精度で決めることが出来ます。
しかし、印刷する場合とか紙を加工する場合
芯際で使えない部分が出てきたりするんです。
芯際というのは巻き取りの
芯に近い部分のことです。
品種によってはその部分に型がついたりする。
そういうときに余尺があると芯際を
避けて印刷とか加工ができるわけ。
若干余分にしておいて正規の流れを確保する。
そういう保険みたいなものですね~
印刷会社でも使用した紙の長さは測定して
管理してますから短いとバレてしまう。
そうなるとクレームです。
逆に多くて文句を言う人は少ない。
製造側のコストとしては上がるんですが
クレームを避けるためにやってる感じ。
作業に余裕をもたせよう、ということです。
余枚数も似たような意味ですがちょっと違う。
こちらは工場の都合で枚数が多い時がある。
たとえば。
500枚包装の紙があったとします。
これは一枚ずつカットされてるわけではなくて
通常は一気に4枚とかが同時にカットされます。
何本かの巻取り原反を同時に切る感じです。
4枚の紙を同時に切るから
原反は4本掛けとかですね。
それで。
この原反の本数なんですが
米坪で変わってきます。
紙が厚ければ本数は少なく、
紙が薄ければ本数は多い。
工場としては出来るだけ一気にたくさんの
枚数を切った方が効率がいいんですが、
ギロチンも能力がありますから
切れる枚数に限界があります。
枚数が多ければ切れ味は悪くなる。
その中でなるべく効率よく品質が
許容できる掛け本数を選ぶわけです。
そうなるとですね。
1包装500枚の場合、4本掛け、
5本掛けは余枚数が出ません。
500÷4=125
500÷5=100
と割り切れますからね。
しかし、6本掛けだとどうか。
500÷6=83余り2となります。
6本掛けが83だと498枚で
500枚に2枚足りない。
それではいけないので84にすると
504枚となって4枚多くなる。
500枚包装で498枚だとクレームになる。
しかし、毎回2枚づつ差し込んで500枚に
合わせるのはあまりにも手間がかかる。
ならば、余枚数4枚付けて504枚にするか。
という感じになるんですよね。
同じように3本掛けで計算すると
500÷3=166余り2
これも166にすると498枚で2枚不足。
なので167にして501枚で包装する。
この場合は余枚数1枚になります。
こんな感じで、枚葉の場合は
製造側の都合で余枚数が出ます。
これは印刷会社に納める印刷用紙や
包装加工用の包装紙の場合ですね。
しかし。
業界によっては余尺や余枚数が
NGという場合もあります。
たとえばコピー用紙。
コピー用紙は500枚となっていれば
かならずきっちりと500枚になります。
これは製造側も対応がしやす
というのもあるんですよね。
印刷用紙や包装用紙のように
色々な米坪があると加工する
機械も専用のものを設置するのは
ちょっとリスクがあるんですけど、
コピー用紙って米坪の種類が少ないので
専用の加工設備を作りやすいんです。
米坪が決まっているので、250枚とか
500枚とか丁度いい枚数に設定できる。
そういう意味ではティッシュも同じです。
150組で1組が2枚だったら300本の原反を
一気にカットして箱に詰めてしまいます。
そういう設備に出来るということですね。
枚数不足とか起こりようがありません、
300枚なら300本の原反を使うので。
そうそう。
余尺の方でも余尺を嫌う業界があります。
今はかなり減りましたが
フォーム業界がそうでした。
余尺があると必要以上に加工するので
NGだと言われたことがあります。
印刷用紙ばかり担当していると
それはちょっと衝撃でした。
お客さんからのクレーム対策で余尺を
付けていたのに付けるなと言われたので。
このときは、同じ紙でも業界が違うと
考え方は全く違うと思いましたね~
管理人のまとめ
今回は、紙の余尺や余枚数とは?
数量不足の対策で付ける若干の余分、
というお話でした。
余尺とか余枚数は正規の数量を
切らないように余分を付けること。
一種の保険。
これは基本的に製紙会社の負担です。
1包装500枚が498枚だとクレームになるから
それ以上入れておくということですね。
余尺も所定の長さより短いと
問題になるからちょっと長めに。
品種や米坪によって違いますが。
ただ、業界によってはそれがかえって
良くないというところもありました。
これは各業界での商習慣なので
どれが正しいとは言えませんね。
管理人は印刷用紙が長かったので
ちょっと多めがいいかなと。
そんなところをケチってクレームに
なったら意味がないですから。
この記事が、紙の余尺や余枚数の
参考になればと思います。
管理人は枚数が多いとちょっと嬉しいです!
(参考)
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