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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は感熱紙を保存する方法のお話。
感熱紙というとレシート。
今やコンビニでもスーパーでも
ほとんどが感熱紙だと思います。
昔は上質紙にドットプリンタで
青い印字でしたが。
その感熱紙、保存性が問題なんですね。
感熱紙の品種にもよるんですが
ダメなやつは数ヶ月で印字が薄くなる。
紙が黄色く焼けてくるのもあるし。
逆にいいやつは何年も
大丈夫というのもあります。
ひとくちに感熱紙と言っても
その中身は色々あるんですね。
ところで。
そんな感熱紙、長持ちさせる
方法があるんでしょうか?
ということで。
この記事では感熱紙を
保存する方法について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
感熱紙を保存するために透明シールを貼るのは逆効果
それで感熱紙を保存する方法なんですが。
たとえば透明シールを貼るのはどうか?
これは結構危険ですね。
まず、光で劣化する場合、透明シールが
紫外線をカットしないといけません。
普通のフィルムでは光が当たると
感熱紙が劣化しますから意味がない。
また、熱による劣化に
対しても意味はありません。
透明シールが遮熱してくれる
わけではありませんから。
擦れ対策にはなるでしょうが
通常、印字は熱や光で劣化するので
擦れ対策だけができても
あまり意味がありません。
一番問題なのは透明シールの糊は
有機溶剤が使われているということ。
粘着剤はほとんど有機溶剤が
なくなるまで乾燥されてはいます。
しかし完全にゼロというのは難しい。
そして、感熱紙の場合、2つの薬品が
熱で溶けて混ざって発色するわけですが
この薬品は有機溶剤にも溶けるため
混ざって発色する可能性があります。
下手をすると透明シールを貼ったら印字が
発色して全体的にグレーになるかも。
やってみて問題ないかも知れませんが
問題が発生するかも知れません。
もうちょっと言うと。
最悪はその透明シールの糊が
変色する場合があるんですね。
感熱紙より先にシールが変色したら
何をしているのか分かりません。
結局、光、熱の劣化を防ぐことは出来ないし、
有機溶剤による発色の可能性もあるので
感熱紙を保存するために透明シールを
貼るのは良い方法ではないということです。
ではどうするか?
管理人が調べたところでは、
冷暗所に保存するくらいしかなさそうです。
本当に重要なレシートであれば
光を通さない封筒に入れておく。
もしくはファイルして
机の引き出しに入れておく。
冷暗所といっても、
極端に熱くならなければいいので
エアコンの効いた部屋であれば
いいのではないかと思います。
夏の車のダッシュボードみたいに
熱くならなければいいということです。
感熱紙の保存ではコピーを取るかデータ化するのもあり
これを元製紙会社社員が
言うのもどうかと思うのですが。
感熱紙は原理的に経時劣化して
印字が消える紙です。
今は品種によっては相当長持ちしますが、
上質紙にコピーしたものには勝てません。
なので感熱紙として長持ちさせるのは
あきらめたほうがいいと思います。
感熱紙でなくてもいいが
紙で保管したいというのであれば
普通にコピーを取って保管する
というのがおすすめです。
これはインクジェットではダメです。
必ずトナー式のレーザープリンタや
コピーでなければいけません。
家庭用のインクジェットは染料インクが多く、
これは耐光性がよくありません。
一方、レーザープリンタやコピーは
トナーによる印刷なので耐光性がいい。
上質紙への印刷であれば何十年の
レベルで保存できるでしょう。
実質、本人が生きている間は
大丈夫という感じですね。
もうひとつはデータ化です。
長持ちさせる理由にもよるのですが
問題がなければ写真を撮るとか
スキャンするとかしてパソコンなどに
取り込んでデータとして保管するのがいい。
紙で必要なときだけ印刷する。
データで残しておけば物理的な
劣化を気にすることはありません。
もっともこれもデータの保管管理を
確実にやっておかないとダメですが、
そこさえキチンと出来るなら
一番確実な保管方法でしょう。
パソコンを変更したときに
データが行方不明になったとか
間違ってデリートしたとか、
そういうのはまた別の話。
それが危険だと言うならコピーして紙で
残すのと両方やるしかないでしょうね。
管理人のまとめ
今回は、感熱紙の保存方法
についてのお話でした。
結論は透明シールを感熱紙の上から
貼っても保存の役にはたたない。
むしろ印字が消える可能性が
あるのであまり良い方法ではない。
それよりも普通にコピーして紙で残すか
写真撮影やスキャンをしてデータにするか。
管理人としてはデータにしておけば
劣化がないのでいいと思いますが
データの管理があやしいというなら
コピーしデータ化もするのがいいかなと。
レシートなどの保存は感熱紙のままで
保管するとなると面倒ですが
コピーしたりデータ化すれば
確実に長期保存出来ると思います。
この記事が感熱紙の保存方法の
参考になればと思います。
経費計上などではレシートは大事です。
トラブルにならないように保存して下さいね!