レーザープリンターでインクジェット紙を使ってはいけない!

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コピー機 シール

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、レーザープリンターで
インクジェット紙を使ってはいけない。

管理人はインクジェット紙の
開発を担当したことがあります。

元製紙会社社員ですから。

担当したと言っても、大したことは
出来ませんでしたけど。

だからインクジェット紙のことは
ある程度は分かります。

それで、紙のことが分かってる人なら
当たり前だと思うようなことでも

そんなこと気にしてない人からすると
なんでそんなことに、ということはあります。

たとえば、この質問もそのひとつ。

レーザープリンタでインクジェット紙を
使ってはいけないのでしょうか?

もちろん、普通紙で兼用紙に
なっているやつは大丈夫です。

そういう品質設計ですから。

大丈夫かどうかの試験もしますし。

しかし。

特に塗工タイプの専用紙は
それ用の物しか使えません。

プリンタ用紙なんだから
何でも使えるんだろ?

そういう風に思う人もいますが、
全くそうではないんですね。

大した事なさそうでもそれなりに
違いもあるし開発の苦労もある。

ではなぜレーザープリンタで
インクジェット紙を使えないのか?

普通紙なら兼用紙があるのに
塗工紙ではダメなのか?

ということで。

この記事では、レーザープリンターで
インクジェット紙が使えない理由について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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レーザープリンターでインクジェット紙が使えない理由

ここまでお話してきたとおり、レーザー
プリンターでインクジェット紙は使えません。

誤解されてはいけないので明記しますが
普通紙の兼用紙はどちらでも使えます。

しかし、コート紙の専用紙はダメです。

レーザープリンタ用はレーザープリンタ
インクジェット用はインクジェットで使う。

それ以外での使用は基本的に不可です。

理由はというとそれぞれのプリンタに
最適になるように設計するから

ということになるんですがそこを
もうちょっと詳しくお話します。

まずレーザープリンタでインクジェット紙を
使うとどうなるのか?

正直言うとこのテスト、やったことないです。

怖くて。

まず考えられるのはレーザープリンタの
ドラムがやられるんじゃないかということ。

インクジェット紙の塗料がドラムに
くっついて汚れるんじゃないか?

紙が詰まってトラブルんじゃないか?

といことですね。

1枚くらいなら大丈夫かもしれませんが
何枚も通していると危険かなと。

特にやってはいけないのは厚手の
塗工タイプのインクジェット紙で

カール防止のために裏面に
ラミネートしているやつ。

これは相当危険です。

レーザープリンタはトナーを加熱して
紙に定着させる仕組みなんですが

そのときの温度がだいたい
200℃くらいになるんだそうです。

一方、インクジェット紙の裏面ラミは
だいたい80℃くらいで軟化します。

つまり、最悪の場合プリンタ内で
裏面ラミが溶けるかも知れない。

とけてあちこちにくっついたら
プリンタが故障するかも知れない。

これは相当怖いんですよね。

薄っぺらいマットのインクジェットなら
塗工紙タイプでも大丈夫かも知れません。

しかし。

写真用の厚手の高級なインクジェット紙で
カール防止にラミネートしていたら。

そんな紙はだいたい裏側が
つるつるしていますけど、

そんなやつをカラーレーザーで
キレイに印刷しようとしたら。

多分、最悪の結果になるでしょう。

印刷自体もまともに出来るか
怪しいと思いますが

紙が詰まるとか裏面が溶けるとか
何が起こるかわからないんですよね。

プリンタが壊れてもいいというなら
止めませんがやるもんじゃないです。

インクジェットプリンタでレーザープリンタ用紙が使えない理由

こちらは散々やりました。

インクジェットでレーザープリンタ用紙を
使って機械が壊れることはありません。

しかし。

レーザープリンタ用紙の塗工紙は
インクジェット用紙のように水を吸わない。

だから、印刷するとインクが流れます。

塗工紙のタイプにもよるんですが
厚手のものほどひどいです。

厚手の塗工紙ほど塗料がたくさん
塗ってますから吸水しない。

正直言うとインクジェット紙開発当初は
こういうことが全く分かりませんでした。

管理人も色々調べていくうちに
吸水性のいい塗料が必要だと。

だから顔料は炭カルやクレーじゃなくて
小さな穴がたくさん開いてるシリカで

バインダーもSBRラテックスじゃなくて
アクリル系とかPVAとかを使うのかと。

印刷方式の違いで塗料処方を
変更しなければ対応できないんだと。

やってみてはじめて分かったんですね。

だから最初の頃は普通のコート紙を
印刷してみたりもしましたが

インクが紙面で流れて
印刷になりませんでした。

もうにじむとかそういうレベルじゃなくて
インクが流れてしまうという感じ。

特に光沢のあるコート紙は
表面が緻密ですから

ますますインクは浸透せずに
表面で流れてました。

レーザープリンタの場合はこういう
普通のコート紙の塗料でも

加熱したときにトラブルを起こさなければ
ほぼそのまま使えるんですけど

インクジェットの場合は水が浸透する
塗料にしないと印刷できなかった。

まあこういう開発経緯を知っているので
というかやったので分かるんですけどね。

だからインクジェットプリンタでレーザー用の
塗工紙を使ってもまともな印刷はできません。

プリンタが壊れるということはないですが
流れたインクでローラーなどを汚すでしょう。

この掃除も正直めんどくさい。

キチンと掃除できていないと
次の印刷物が汚れてしまう。

まあ、はっきりいってろくなもんじゃない。

プリンタで使う紙だから似たようなもの
かも知れませんが中身は結構違う。

それにはそうしないといけない
理由があるというわけなんです。

管理人のまとめ

今回のお話は、レーザープリンターで
インクジェット紙を使ってはいけないでした。

プリンタ用紙はそれぞれ
品質設計が違います。

各プリンタごとに印刷方式も違うので
それに合った紙にしないといけない。

逆に言うと兼用紙というのは
それなりの印刷ということです。

普通紙ならレーザープリンタと
インクジェット兼用紙ができますが

コート紙ではそれは事実上無理で
各プリンタごとに専用紙が必要になる。

印刷品質が良いものほど
他での転用はできません。

紙の場合も特化したものになる。

だからレーザープリンタで
インクジェット紙は使えない。

最悪、故障するかも知れませんから。

逆にインクジェットプリンタで
レーザープリンタ紙は使えない。

インクが流れて印刷になりませんので。

それぞれ正しく使えばキレイに
印刷できるんですけど

間違ったり無理して使うと
酷い目に遭うということ。

開発側も他のプリンタのことなど
考えずに作っていますので。

この記事が、レーザープリンターで
インクジェット紙を使ってはいけない
理由の参考になればと思います。

紙は正しく使って下さいね!

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