にじまない紙とにじむ紙の違い?サイズ剤の有無によります!

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、にじまない紙と
にじむ紙の違いのお話。

管理人が子供の頃は紙は
にじむものと思ってました。

万年筆だってすばやく書かないと
にじむものだと思ってましたね。

習字は半紙と墨汁だし。

絵画は画用紙に水彩絵の具だし。

普段は鉛筆で書くわけですから
にじむとかにじまないとか意識もしない。

そんな感じでした。

正直言うと製紙会社に入るまで
紙に興味はなかったので

にじむとかにじまないとか
どうでもいい感じだったですね。

しかし、これよく考えルト不思議な話。

見た目は同じなのに一方の紙はにじんで
もう一方の紙はにじまないわけですよ。

何が違うのか?

ということで。

この記事では、にじまない紙と
にじむ紙の違いについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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にじまない紙とにじむ紙の違いはサイズ剤

結論から言うとにじまない紙と
にじむ紙の違いはサイズ剤によります。

サイズ剤というのはにじみ防止剤とも言い、
まさに水がにじまないようにする薬品のこと。

ここで言う「サイズ」は
大きさではありません。

当然ですが。

元々の意味としては糊付けのようですね。

繊維業界で使われる言葉で
繊維の糸にのりを付けて固めること。

紙業界でもやっていることはよく似ていて
パルプ繊維に粘度の高い薬品を混ぜた。

多分このあたりが始まりだと思います。

紙の方は今ではパルプ繊維が
疎水化する薬品を添加しています。

パルプ繊維は主成分がセルロースで
水に馴染みやすい親水性なんですね。

それで紙はにじむわけですからこれを
反対の性質になるよう疎水化する。

そう言う薬品を添加するわけです。

疎水化と言っても限度があるので
薬品の添加量は加減してますけど。

これは紙の用途によって変更します。

それぞれの紙で紙のにじみ具合の
基準となるサイズ度が決まっています。

ですから、その範囲に入るように
薬品の添加量を調整するわけです。

たとえば、コピー用紙ならそんなに
サイズを効かしてはいません。

しかし、ノート用紙だとある程度
サイズを効かせておかないといけない。

水性インク、特に万年筆で書いたとき
これが大きな問題になります。

コピー用紙に万年筆で書くと
にじんでしまいますが

ノート用紙や手帳に万年筆で書いても
にじまない設定にしてるんですね。

結局、にじまない紙とにじむ紙の違いは
サイズ度の違いということで、

それは品質設計の段階で決めて
コントロールしているということです。

サイズ剤の種類について

ここからは余談です。

にじまない紙とにじむ紙の違いは
サイズ剤の効果の有無とお話しました。

ではそのサイズ剤にはどんな種類があるのか?

まず、サイズ剤には内添サイズ剤と
外添サイズ剤があります。

内添サイズ剤というのはパルプ繊維を水に
分散させたパルプスラリーに添加する薬品。

厳密にはどのタイミングで添加するかは
マシン、紙、薬品の種類で違います。

紙の中に入れる薬品だから内添といいます。

もう一つは外添サイズ剤。

外添というのは紙表面に塗工する薬品。

管理人が関係した製品では
ほとんどが澱粉でした。

ただし、この澱粉にも種類があるし
この澱粉に薬品を添加することもあります。

澱粉の代わりにPVAやPAM
(ポリアクリルアミド)を

使う場合もありましたが
それは少なかったですね。

管理人のイメージとしては
外添サイズ剤はにじみ防止と

言うよりも表面強度対策の
薬品という感じがありましたが。

ここで言う表面強度は毛羽立ちとか
紙むけの対策になりますけど。

それで内添サイズ剤なんですけど
これもいくつか種類がある。

酸性紙だとロジン系サイズ剤
中性紙だとAKDサイズ剤。

酸性紙のロジン系というのは
古くからあるサイズ剤です。

ロジンは松ヤニのことです。

このロジンだけをパルプに添加しても
紙に定着しないので硫酸バンドを入れる。

この硫酸バンドが酸性なので紙が酸性。

酸性紙というのはこの硫酸バンドが
入るから酸性になるわけです。

サイズを効かせなくてもいいのなら
酸性紙にする必要もない。

紙にペンで書く文化だから
酸性抄紙になったわけです。

墨汁のようにニカワが入っていると
それがにじみ防止剤になるので

そこまで紙にサイズを効かせなくても
文字を書くことが出来る。

和紙には硫酸バンドは使いませんから
紙は酸性にならずに長持ちする。

ここは西洋と東洋の文化の違い
みたいなものが出てきますね。

それはそうとして。

サイズ剤の続きですが。

中性抄紙の場合はこの硫酸バンドを
使わなくてもサイズ効果が出る

AKD(アルキルケテンダイマー)と
言う薬品を使います。

この薬品は定着剤を使わないのですが
その分反応性がいいんですよね。

だから取扱がちょっと面倒。

薬品タンクは常に冷やしておかないと
反応が進んで使い物にならなくなる。

設備がしっかりすれば問題ないですが
そう言うことをわかっての管理が必要。

技術は進化しているので今はもっと
取扱しやすくなってるでしょうけど。

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管理人のまとめ

今回は、にじまない紙と
にじむ紙の違いというお話でした。

結論としては紙がにじむかどうかは
紙の品質設計の問題。

サイズ剤をどの程度効かせるか。

結局は薬品の添加量をどうするか
というところでコントロールしています。

必要とされる品質管理項目として
サイズ度というのがあるんですね。

ノートの紙なら万年筆で
書いてもにじんではいけない。

しかし、コピー用紙ならそこは
考慮していないという感じです。

この記事が、にじまない紙とにじむ紙が
ある理由の参考になればと思います。

紙の使い方、間違えないで下さいね!

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