OA古紙分別はムダ?リサイクルで白い紙になるとは限らない

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OA古紙分別 ムダ

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、OA古紙分別は
ムダなのかというお話。

管理人は元製紙会社社員ですから
古紙についてもちょっと知ってます。

このOA古紙、なかなkに厄介。

管理人がまだ会社に勤務していた頃
OA古紙からの古紙パルプの実験してました。

それがどうなったか。

そして、現実はどうなのか。

多分このあたりは今でも
変わってないと思います。

ということで。

この記事ではOA古紙分別は
ムダなのかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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OA古紙分別はムダなケースが多い

結論から言うとOA古紙の分別は
ムダなケースが多いです。

管理人の推測もあるのですが
その理由を説明させて下さい。

まず、先程の製紙会社でのOA古紙から
古紙パルプを製造する実験の続き。

これ、明確には確認できてないんですが。

OA古紙からは白色度の高いパルプが
製造できていたと思います。

あくまでもラボテストとして。

では実際の製造ラインでテストしたのか?

これが問題なんですよね。

というのは、OA古紙なんて
数量が少ないんです。

オフィスで働いている人は
大量にあるように思いますが

では新聞紙のような量があるのか?
ダンボールのような量があるのか?

答えはNOです。

オフィスから出てくるOA古紙の量なんて
製紙会社が日々使う古紙と比較すると

とても少なくて生産設備を
回すだけの量がないんですね。

それで結局、OA古紙だけを集めれば
白い古紙パルプが製造できても

数量が不足するので実際の
生産では使えないんです。

つまり、OA古紙は分別回収されても
普通の古紙として使われるだけ。

新聞やチラシと一緒に回収するのと
同じことになるということなんです。

だから、意味がない。

せっかく、白いパルプで漂白も
あまりしなくていいのが出来ても

生産量が少なすぎて製造ラインには
乗らないというのが現実でした。

それは結局、大量生産大量消費という
製紙会社の仕組みの問題でもあります。

実はリサイクルとかエコの問題は
こういうネックがつきまといます。

たとえば。

一時期、バガスというのが流行りました。

これは草だからすぐに収穫できるし
原料にいいんじゃないかなと。

しかし、現実にはちょっと流行って終わり。

バガスは草なので、年に1回収穫したら
来年まで原料がないんですよね。

しかも大した量は作れない。

これではダメなんです。

そういえば割り箸を紙に
というのもありました。

これも、ラボ的にはやってました。

しかし子供のお遊びレベル。

いくら割り箸が大量に出ると言っても
新聞古紙の物量には程遠い。

こんな感じでエコ関係の話は
だいたい続かないんですよね。

理由は簡単。

結局、原料の安定供給という装置産業に
最も必要な視点が抜けているから。

組立工場で部品がないと
製品が作れないのと同じで

装置産業では原料がなければ
製品を作ることは出来ません。

そして、装置産業はほとんどの場合
スケールメリットを追求する。

少ない原料でちょっとだけ作ると
コストが高くて仕方ないわけです。

逆に言うと同じものを延々と
製造できればコストは安い。

組立産業のように小ロットの
生産というのは難しいんですね。

この観点でもう一度OA古紙を
使用した製品を考えてみます。

そうすると、OA古紙だけを集めて
その原料だけでパルプを作ると

小さなマシンで小ロットの
製品を作るしかないことになる。

そうやって作った紙をまた
コピー用紙に再生したとする。

このときに、再生したOA用紙と
市販されているOA用紙の

コストを比較したら
どっちが安いのか?

これ、正確には計算できませんが
まずは市販品のほうが安いでしょう。

古紙なんて使わずにインドネシアの
木材から作った格安コピー用紙が安い。

そうなったときにどっちを使うのか?

意識高い系の人ならOA古紙品を
無理してでも使うんでしょう。

しかし、一般の人はそんなの関係ない。

管理人なら安い方を使います。

ソッチのほうが品質もいいし。

結局、そうやってOA古紙をリサイクルして
OA用紙にしたところで需要がないんです。

需要がないと言うか競争に勝てない。

だから、OA古紙の分別に意味はない。

原料供給の安定という視点がない
リサイクル事業なんて意味がないんです。

ついでに言うと、最終製品にコスト
競争力がないのも意味がない。

高くて品質が悪いものを
使う人はいないからです。

そういうのを無理して使っても
淘汰されて続かなくなる。

リサイクル事業に無理を感じるのは
こういうところがクリアじゃないから。

ムダなことさせてるよな、
という気分になるわけです。

だから自治体規模で取り組んでいる
この手のリサイクルはムダが多い。

分別面倒だと思いながら
でも仕方無しにやるんですよね~

しかししかし。

小規模でのリサイクルが出来るなら
話はちょっと違ってきます。

オフィスレベル内での
リサイクルとかですね。

このあとそのあたりも
ちょっとお話してみます。

OA古紙の分別がムダにならない仕組みもある

ここまではOA古紙の分別はムダ
というお話をしてきました。

確かに、自治体レベルで大規模な
製紙会社相手だとムダなんです。

しかし、非常に小規模な製紙会社なら
うまくリサイクル出来るかも知れません。

それでも安定供給が不可欠ですけど。

それからもう一つ、オフィス単位で
リサイクル出来ればいいと思います。

たとえばエプソンの「PaperLab」。

(参考HP)
https://www.epson.jp/products/paperlab/

セイコーエプソンのペーパーラボは
オフィス内で出てきたOA古紙を

オフィスに設置したオフィス製紙機
「PaperLab」でOA用紙にするというもの。

こういうシステムなら大量生産
大量消費ではないので

原料の安定供給が
ネックということもない。

それに、オフィスゴミによる
機密漏洩を防ぐことも出来る。

水を使わずに紙を作る技術は
乾式不織布としてはありましたが

これをオフィスで使えるスケールで
実現したのはすごいと思います。

いい髪なんだけど大規模に製造するには
十分に集まらないならこういうのが理想。

オフィスで髪を作ってもいいわけです。

これ、機械が高いでしょうけど
広まって欲しいですね~

管理人のまとめ

今回は、OA古紙分別は
ムダなのかというお話でした。

結論は、ムダなことが多い、です。

結局、原料の安定供給が出来なければ
製紙会社からすると意味がありません。

だから、OA古紙が分別されても
普通の古紙と一緒に使うだけ。

集まる量が少ないんですよね、
大手製紙会社的に言うと。

専用ラインで作り続けることが出来るなら
いいんですけどそこまでは集まらない。

まあ、大手ではちょっと無理ですが
小規模な会社なら出来るかも。

それでもトイレットペーパーとか
になると思いますけどね。

しかし、オフィスでリサイクルするような、
たとえばエプソンの「ペーパーラボ」、

みたいな装置でOA古紙の処理をするなら
これはとても意味があると思います。

できればムダな分別ではなくて
本当に意味のある分別をしてほしい。

管理人としては、オフィス単位で再生紙が
できるのが理想かなと思いますね。

この記事が、OA古紙の分別の
参考になればと思います。

OA古紙のリサイクルがムダに
ならないようにしたいものですね!

(参考)
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