シールのクリーム色の下地は剥離紙。製造工程は意外に複雑!

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シール クリーム色

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はシールのクリーム色の
下地についてのお話。

子供はシールが好きですよね。

管理人も子供の頃はシールを
あちこち貼ってました。

しかしお母さんからすれば
あちこち貼るのはやめてくれと。

それで思うわけですよ
あのシールのクリーム色の下地、

あれを買えばシールを貼ったり
剥がせたりするじゃないか。

子供を遊ばせるにはちょうどいい。

でもあのクリーム色の下地の紙
一体名前はなんだろう?

名前が分かれば買えるのに。

あのクリーム色の下地の
名前は剥離紙(ハクリシ)といいます。

他にもセパレーターとか
シール台紙とか呼ばれますね。

クリーム色だから黄セパとか。

ただ剥離紙単体で販売している
文具店は少ないかも知れません。

そもそも貼るための上紙と剥離紙の
2つが1つになってシール。

剥離紙だけという需要は少ない。

近所に大きな文具店がなければ
通販の方がいいでしょう。

剥離紙で検索すれば
目的のものが出てくると思います。

それと枚数が数枚しかいらないなら
普通のシールを買ってきて

上紙だけを剥がして剥離紙を使う
という方法もあります。

プリンタ用のラベル用紙なら
家電量販店にありますから入手は容易。

かなりもったいないですが
この方が確実に入手できますね。

それにしてもこの剥離紙、
捨てる紙なのに製造工程は複雑。

上紙よりコストが高かったりします。

ということで。

この記事ではシールの
クリーム色の剥離紙について

管理人の体験も交えて
お伝えしたいと思います。

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シールのクリーム色の剥離紙は工程紙

シールの構造は上紙、剥離紙、
粘着剤の3層からできています。

この中でクリーム色のやつは剥離紙、
というのは先程説明したとおり。

それで剥離紙って普通には
あまり売ってないんですよね。

それはなぜか?

答えは剥離紙は工程紙だから。

工程紙というのは何かの製造をする
途中で使う紙のこと。

最終製品にならない紙とも言えます。

シールなんかでも上紙と一緒になった
状態で販売されていていますが

シールとして使われたら
最終的には捨てられてしまう。

最後はゴミになる紙。

しかしこれがないと
シールは成り立たない。

結構重要な紙なんです。

剥離紙の製造工程

管理人はこの剥離紙の製造に
関わったことがあります。

クリーム色の剥離紙は
黄セパとも呼ばれますが、

この紙の製造工程が
意外と複雑です。

まず原紙はクリーム色の色上質紙。

普通のラベルは上紙が白の上質紙なので
この時点でもう剥離紙の方が値段が高い。

このクリーム色上質の上にラミネーターで
ポリエチレンラミネート加工をします。

次にこのポリエチレンラミネートした上に
シリコーンを塗工します。

このシリコーンが剥離剤。

これがないと粘着剤が
キレイに剥がれません。

なんと剥離紙は高い色上質紙を使い、
2工程も手間をかけて作るんです。

捨てる紙なのに。

しかもこのシリコーンには
剥離のしやすさで種類があります。

剥離紙から上紙が

剥がれやすいものを剥離が軽い
剥がれにくいものを剥離が重い

と表現してます。

もちろん全然剥がれないのは論外ですが
触れただけで剥がれてしまうのもダメ。

そういう範囲の中で剥離が軽いか重いか
という調整をするんですね。

黄セパは手で貼ることが多いので
剥離が重いシリコーンを使ってました。

機械で貼るときと手で貼るときは
剥離条件が違うのでシリコーンも違う。

機械は高速で動くので剥離は軽め
人間が手で貼るときはゆっくりなので

剥離は重めにするとか
こんな紙でもなかなか複雑なんですね。

ちなみに。

市販されているシールやラベルは
タック紙とも言いますが

タック紙の上紙には粘着剤が
ついていますよね?

この粘着剤は直接上紙に
塗工されているのではありません。

実は一旦剥離紙に塗工されてから
上紙と貼り合わせるんですね。

管理人はタック紙の製造に関係するまで
そんなことは知りませんでした。

テープのように直接紙に塗工した方が
簡単な気がしてましたから。

しかし現実には剥離紙の上に粘着剤を
塗工してから上紙と貼合した方がいい。

何ごとも思い込んではいけないな
と思ったものです。

剥離紙の性質

剥離紙は粘着剤にくっつかないし
ツルツル滑ります。

水も油もハジキます。

マジックで書こうとしても
マジックインキでは書けません。

ただし、表面に塗工している
シリコーン膜は薄いので

表面をゴシゴシとこすられると
とれてしまいます。

こうなると剥離紙の性能がなくなるので
マジックで書けるようになります。

だから子供に剥離紙を渡して
ここにシールを貼って遊びなさい

ということになったとき
何度も使っていると性能が落ちてくる。

剥がれにくくなってきたら
取り替えてあげた方がいいでしょうね。

それからテープを切って
一時的に並べておきたいとき。

そんなときに剥離紙があったら便利。

マスキングテープのように
紙に貼って剥がしても傷めない

というテープならいいですが
そうでないなら剥離紙は便利かなと。

管理人のまとめ

今回はシールのクリーム色の下地
についてのお話でした。

名前は剥離紙。

子供がシール遊びをするときに
あったら便利だと思います。

また剥離紙はシールとして使われたら
捨てられてしまう紙ではありますが

その紙が意外なほど手間もコストも
かかっているということでした。

管理人はこの剥離紙には関わったことが
あるので少々思い入れがあります。

捨てる紙をなんでこんなに
手間かけて作るのかと思ったものです。

しかしこの紙がないとシールにならない。

実は縁の下の力持ちなんだなと。

多分ほとんどの人は剥離紙なんて
気にもとめないと思いますが

この記事を読んでそうだったのかと
思ってもらえればうれしいです。

剥離紙でシール遊びを楽しんで下さいね!

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プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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