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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、卒業証書の紙質についてのお話。
3月といえば卒業式。
管理人も遠い昔、学校を卒業しました。
子供がいれば、幼稚園、小学校、
中学、高校、大学と卒業しますね~
今思えば親は大変だったと思います。
それで、卒業式のときには
卒業証書を渡されますよね。
管理人ももらったはずですが
どこに行ったのか行方不明。
引っ越ししたときに紛失したか、
何かのときに捨ててしまったか。
家の中のどこかに置いて
忘れているだけなのか?
いずれにしても卒業証書なんて
長いこと見てないですね。
こういう卒業証書とか表彰状とか
大切に保管している人もいるでしょうが
管理人のようにどこにいったかなと
いう人も多いような気がします。
それはそうとして。
この卒業証書の紙質はどんなものか?
元製紙会社社員としては気になるところ。
ということで。
この記事では、卒業証書の紙質について
管理人の調べたことをお伝えします。
卒業証書の紙質は上質紙
結論から言うと卒業証書とか表彰状の
紙質は基本的に上質紙になります。
ケント紙もありますけど、大きく言うと
上質紙の一種と見ることも出来ますし。
高級なものでは「局紙」と呼ばれる
紙を使うこともあるようですね。
この「局紙」というのは明治の頃
大蔵省抄紙局が越前の紙漉工の
技術指導によって開発された
紙幣用の紙なんだそうです。
そうなると元々は越前和紙ですかね。
それから透かしが入ったものもありますね。
ただ、いずれも分類としては上質紙です。
洋紙の場合は晒クラフトパルプなので
色が劣化するリグニンがありません。
和紙の場合は原料がミツマタなので
こちらも長持ちする紙になります。
色調としては白、またはクリーム色が一般的。
ただし、同じ上質紙と言ってもコピー用紙
なんかよりもかなり紙厚が厚いですよね。
ボール紙ほどではないにしても
かなり厚みがあります。
もらう方としてもペラペラのコピー用紙
みたいなのをもらってもありがたくないし。
風格というのがありませんから。
それから厚紙で地合いが良い。
地合いが良いというのは紙の
抄きムラが少ないということ。
ボコボコしていないことです。
それから平滑度が高めでしょうか。
手触りがすべすべしてますからね。
一般的に目にするものは
厚口の上質紙というところです。
卒業証書の紙質は手書きとプリンタ用で違う
卒業証書の紙質は手書きと
プリンタ用で違うそうです。
この場合のプリンタはレーザープリンタです。
それで、一番違うのは紙厚。
プリンタ用の場合は、レーザープリンタで
印刷できる厚みが決まっていますから
それ以上厚いと紙が詰まったり
トナーが定着しなかったりする。
手書きの場合は紙厚に制限がない。
そのため、手書きの方が紙厚が厚い。
それだけ高級感のある卒業証書になります。
卒業証書の大きさについて
卒業証書とか賞状の紙質は
基本的に上質紙の厚口。
高級なものは和紙。
機械で製造するものもあれば
手漉き和紙もあるという感じです。
では、これらの大きさはどうなるか?
卒業証書で多いのはA3、B4サイズや
それに近い寸法になるようです。
ただ、バリエーションは色々ありますね。
JIS規格のように決まっていないので
昔ながらの規格が色々あるようです。
たとえばこんな感じ。
(単位:mm)
規格名 | サイズ |
五七 | 約 212×152 |
六八 | 約 242×182 |
OA-B5 | 約 257×182 |
B5 | 約 264×185 |
七九/A4小 | 約 273×212 |
位記※1 | 約 304×224 |
位記※2 | 約 297×213 |
OA-A4 | 約 297×210 |
尺八/八つ切 | 約 303×242 |
尺七 | 約 306×215 |
A4/尺七大 | 約 312×221 |
百〇三 | 約 358×255 |
OA-B4 | 約 364×257 |
中賞 | 約 379×273 |
太子 | 約 379×288 |
八二 | 約 394×273 |
八〇 | 約 379×294 |
OA-A3 | 約 420×297 |
七五 | 約 424×303 |
中衣 | 約 424×333 |
六七 | 約 436×306 |
大賞/A3 | 約 439×318 |
A-3大 | 約 454×318 |
八号/六二 | 約 455×333 |
五市 | 約 509×358 |
大衣 | 約 509×394 |
褒賞 | 約 517×367 |
四市 | 約 545×394 |
勲記 | 約 595×420 |
三三 | 約 606×455 |
大全紙 | 約 727×545 |
ちなみに、この表に出てくる
OA-〇〇というのが馴染みの寸法。
コピー用紙はこれになります。
A3:420x297mm
B4:364x257mm
A4:297x210mm
という感じですね。
寸法に関してはメーカーによって
微妙に違うこともあるようなので
だいたいこれくらいということで
考えてもらえば良いのかなと。
ちなみに。
管理人がたまたま保管していた賞状の
寸法を測定したところA3サイズでした。
まあ、こんなところなんでしょう。
卒業証書を飾るときの注意点
卒業証書は基本的に上質紙なので普通に
保管すればそんなに劣化しません。
ただ、光とか湿気には弱いので
そこは気をつけたいですね。
丸めて保管するなら賞状を入れる
筒に入れての保管になるでしょう。
飾るなら額縁に入れるでしょう。
飾るときは光が当たるので額縁の
前面はアクリル板がおすすめ。
ガラスより紫外線を通さないので
比較的紙は劣化しにくいです。
普通の人は卒業証書にしても
賞状にしてもそうもらうものじゃない。
記念品ですから大切に保管したいですね。
管理人のまとめ
今回は、卒業証書の紙質のお話でした。
結論から言うとこういう賞状に
使われる紙は基本的に上質紙。
特に厚口の紙が多いです。
ケント紙のようなしっかりした紙、
局紙のようは高級和紙など。
大量に卒業証書を印刷するときは
レーザープリンタも使うようですが
そのときの紙はプリンタで印刷
できる紙厚の紙を使うようです。
手書きの場合は紙厚に制限がないので
厚めの紙を使うことが多いそうです。
色調は白やクリーム色が多いです。
真っ白よりも淡いクリーム色の方が
高級感があるように思いますね。
なお、サイズは様々ですが
多いのはA3、B4サイズ。
またはそれに近い寸法になります。
それから、保管方法はできれば
光に当てない乾燥したところ。
ただ、賞状なので額縁に
入れて飾ることもあるでしょう。
そのときの前面板はアクリル板がおすすめ。
アクリル板はガラスより紫外線を
吸収し紙の劣化が軽減されますので。
この記事が、卒業証書の紙質の
参考になればと思います。
卒業証書、大切にして下さいね!