この記事は約 8 分で読めます。
管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、裏打ち用紙とは?
書道などの裏側に貼り作品を補強する専用紙
というお話。
書道や水墨画、日本画などの作品を長く美しく
保存するために欠かせないのが「裏打ち」
という工程です。
その際に使われるのが「裏打ち用紙」です。
作品の裏側に貼り付けてシワやたるみを防ぎ、
紙の強度を高めるための専用の紙であり、
伝統的な表具の技法にも深く関わっています。
ここでは、裏打ち用紙の役割や種類、
使い方、選び方のポイントまで詳しく
解説します。
ということで。
この記事では、裏打ち用紙とは?
書道などの裏側に貼り作品を補強する専用紙
について
管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。
裏打ち用紙の役割とは?表現を支える名脇役
作品を平らに保つための裏打ち
書道や絵画で使われる和紙や画仙紙は、
非常に繊細で水分や湿気に弱く、
乾燥するとシワや波打ちが
生じやすい性質を持っています。
これを補うのが裏打ち用紙の役割です。
作品の裏側に裏打ち用紙を貼ることで、
紙全体の厚みと強度が増し、表面を
均一に保つことができます。
これにより、額装や掛け軸に
仕立てる際にも美しく仕上がります。
保存性を高めるための補強
裏打ちは作品の見栄えだけでなく、
保存性の向上にも大きく寄与します。
特に墨を使う書道作品は、紙が湿気を
吸ったり乾燥したりすることで変形しやすく、
放置すると劣化が進みます。
裏打ち用紙を貼ることで
紙の収縮や伸縮を抑え、
長期保存に適した状態を
保つことができます。
また、裏打ちされた作品は、額装の際に
直接ガラスに触れることなく、浮かせて
飾ることが可能になる点も特徴です。
表装加工の前段階として重要
裏打ちは「表装(ひょうそう)」と呼ばれる
最終加工工程の前段階としても重要です。
掛け軸や屏風、巻物などの
表装作品を作るためには、
紙の形を整え、反りやたるみのない
状態にしておく必要があります。
そのためには、裏打ちによって作品全体を
しっかり安定させておくことが求められます。
裏打ち用紙の種類と特徴
美濃紙(みのがみ)
美濃紙は、日本の伝統的な和紙の一つで、
裏打ち用紙としても非常に人気があります。
薄くて軽く、接着剤の含みがよく、作品と
しっかりなじみやすい特性を持っています。
特に重要文化財などの修復現場でも
使用されるほど品質が高く、書道や
水墨画の裏打ちに最適とされています。
新鳥の子(しんとりのこ)
新鳥の子は、表装紙や裏打ち用紙として
幅広く使われている和紙です。
比較的厚みがあり、扱いやすいため
初心者にもおすすめです。
機械漉きのものが多く、
価格も安定しているため、
日常的な作品の裏打ちに向いています。
化学繊維混抄紙(ポリエステル混和紙など)
近年では、化学繊維を混ぜた
裏打ち用紙も登場しています。
これらは和紙に比べて強度が高く、
破れにくいため大型作品や頻繁に
取り扱う作品に向いています。
また、湿度変化による収縮が少ない
というメリットもあります。
ただし、見た目や風合いの点では
天然の和紙に劣る場合もあるため、
用途に応じた選択が求められます。
裏打ちの基本的な工程と注意点
使用する道具と材料
裏打ちには以下のような道具や材料が必要です。
・裏打ち用紙(美濃紙、新鳥の子など)
・のり(デンプン糊が主流)
・刷毛(のりを塗るための和刷毛)
・乾燥用の板や新聞紙
・霧吹き(湿度調整用)
・押さえ紙(作品保護用)
裏打ちの手順
1. 裏打ち用紙を適切なサイズにカットします(作品より一回り大きめ)。
2. デンプン糊を水で適度に薄めて裏打ち用紙に均等に塗布します。
3. 裏打ち用紙を作品の裏側に丁寧に貼り合わせ、空気を抜きながら密着させます。
4. 乾燥させる際は、新聞紙などを挟み、上から重しをして平らな状態を保ちます。
5. 乾燥後、不要な余白を裁断して完成です。
注意点とコツ
裏打ちは湿度と時間のコントロールが
非常に重要です。
糊が多すぎると紙が波打ったり、
作品の表面に染み出したりする
リスクがあるため、適量の糊を
均一に塗布することが求められます。
また、乾燥工程では風通しの良い場所で
ゆっくりと乾かすのが理想です。
焦って急速に乾かすと、
紙が変形してしまうこともあるので
注意が必要です。
裏打ち用紙の選び方と購入方法
用途に応じた選択が重要
裏打ち用紙は作品の種類や
目的に応じて選ぶ必要があります。
たとえば。
繊細な書道作品には薄く柔らかい和紙、
頻繁に展示する絵画には耐久性の高い
混抄紙といった具合です。
表装に仕立てるか、保管用に使うか
によっても適した紙は異なります。
サイズと価格のバランス
裏打ち用紙は全紙(約60×90cm)や
半紙サイズで販売されており、
必要に応じてカットして使用します。
大量に使用する場合はロールタイプを選ぶと
コストパフォーマンスがよくなります。
価格は種類によって異なり、美濃紙などの
手漉き和紙は高価ですが品質も優れています。
購入先とオンラインショップ
裏打ち用紙は書道用品店や画材店、
表具専門店などで購入できます。
近年ではAmazonや楽天、
Yahoo!ショッピングなどの
オンラインショップでも多く
取り扱われており、レビューを
参考に選ぶこともできます。
選ぶ際は紙質や厚さ、使用者の評価などを
しっかり確認することが大切です。
管理人のまとめ
今回は、裏打ち用紙とは?
書道などの裏側に貼り作品を
補強する専用紙というお話でした。
裏打ち用紙は、繊細な和紙作品を補強し、
美しく長く保つために欠かせない存在です。
作品の保存性や見栄えを向上させるだけでなく
表装工程の基礎としても重要な役割を
果たします。
用途に応じた用紙を選び、正しい手順で
裏打ちを行うことで、大切な作品を
より良い状態で後世に残すことができます。
日常の作品から本格的な展示用まで、
裏打ち用紙の活用によって作品の魅力が
さらに引き立ちます。
この記事が裏打ち用紙の
参考になればと思います。
裏打ち用紙、うまく使って下さいね!
(参考)
こんな記事も読まれています。
掛け軸の表装は自分で出来る?簡単なものなら掛け軸キット!
⇒https://kamiconsal.jp/kakejikuhyousojibun/
日焼けしない紙はあるのか?劣化しにくいものならあります!
⇒https://kamiconsal.jp/hiyakesinaikami/
弔辞の紙はどこに売ってる?デパート、書道用品店、コンビニ
⇒https://kamiconsal.jp/tyoujikamidoko/