再生紙は高いのか?製造する品種によって価格は変わります!

記事内に広告が含まれています。

この記事は約 8 分で読めます。

再生紙 高い

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、再生紙は高いのかというお話。

普通の感覚では、再生紙は安いもの。

だいたい、古新聞や古雑誌って
基本的にゴミですからね。

ゴミを原料にして紙を作るのに
値段が高くなるなんておかしい。

普通はそう思いますよね?

管理人だってそう思います。

しかし。

現実にはそうはならない。

その理由は?

ということで。

この記事では、再生紙は
高いのかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

再生紙は高いのか?紙の白色度で変わります!

結論から言うと再生紙の価格は
紙の白色度で変わります。

品質面からはそうなります。

それ以外の要因としては古紙の
需給バランスで変わります。

最近だと通販が増えたという
社会構造の問題もありますね。

これらについてお話してみます。

再生紙は白色度が高いと価格も高い

これは品質面から見た問題。

再生紙は白色度が高いと価格も高い。

これはお話が分かりやすい。

基本的に印刷用紙のお話になります。

まずこのとき使われる
古紙は古新聞や古雑誌。

白色度としては比較的低いんです。

それでこれらを原料にして
新聞紙や雑誌の本文用紙を作る。

このときは紙はそんなに白くない。

古新聞を使って新聞紙を作るなら
そんなに無理して漂白しなくていい。

だいたいは、脱墨と言いますが
インクを除いて若干漂白すればいい。

使う薬品は大雑把に言って
脱墨の薬品と漂白薬品。

脱墨の薬品は簡単に言えば洗剤です。

化学的には界面活性剤と呼びますが。

インクは油汚れみたいなものですから
これを洗剤で洗い落とすわけですね。

その後は漂白。

過酸化水素とかが多いです。

洗濯のときの酸素系漂白剤の
ひとつの成分ですね。

こういうやつで古紙を洗濯して
白くするという感じです。

それでこの工程、無理に白くしなくて
良ければ薬品費は少なくて済む。

しかし問題は高白色の紙に配合する場合。

だいたい予想はつくと思いますが、
白色度を上げると薬品費がかかる。

白色度55%の古紙があったとして。

白色度58%の古紙パルプと
白色度78%の古紙パルプを

製造するのではその手間とか
薬品費が全く違うワケです。

白色度が高いほど各工程で
時間をかけないといけないし

漂白薬品の添加量も
増やさないといけない。

相当無理をしないといけない。

こうなるとひどいときには
バージンパルプより高くなります。

バージンパルプというのは
木材チップから作るパルプです。

LBKPとか晒クラフトパルプとか
呼ばれるような白いパルプのこと。

これは原料がゴミじゃないんです。

普通の木材を育てて切って
チップにして運んできてるんです。

しかもそれを化学的に薬品で処理して
薬品も使って真っ白にしています。

そんなに手間ひまかけて金かけた
化学パルプより高くなることがある。

正直、古紙パルプを使って化学パルプより
高くなるなら何しているかわからない。

古紙パルプのほうが品質いいとか
そう言う事はないわけですから。

世の中でリサイクルと言ってる人がいますが
多分こういう現状は分からないんでしょう。

使ったらバージンパルプより高くなる
古紙パルプがあるという現状を。

特に、上質紙と呼ばれる紙については
古紙パルプを使うメリットはありません。

もっと技術が進化したら分かりませんが
管理人が勤務していた時代にはなかった。

もう、ただのイメージだけでしたね。

なんだかあんな白い紙にも古紙を使って
環境問題に取り組んでいるんだ、みたいな。

確かに技術的にやってできないことは
ないんですがやる意味あるのか?

金かけて品質下げてどうするんだ?

という感じでしたね。

今はもうちょっとマシかも知れませんが
あんまり変わってないんじゃないでしょうか。

一方、新聞紙とか雑誌の本文用紙は
古紙パルプがちょうどいいんです。

これは相当安く付きます。

漂白とか無理してませんからね。

こんな感じで、再生紙は白色度が
高いと値段が高くなります。

しかし、白色度が低ければ
安い紙として製造できる。

こういうことなんです。

再生紙は古紙の価格が高くなると高くなる

もうひとつの再生紙が高くなる理由。

これは社会構造の変化と
言っても良いかも知れません。

ちょっと大げさですけど。

その現れは段ボール。

管理人が製紙会社に勤務していた頃
段ボールは安い紙の代表でした。

インクジェット用紙を販売していた
営業員が包装用紙部に異動して、

「こんな安い紙売りたくない」といって
巻取りをけとばしていたくらいですから。

しかし時代は変わりました。

今は通販が増えて段ボール需要は多い。

国内以上に中国で需要が多い。

これは昔からなんですが中国で紙の需要が
増えると日本の古紙がなくなるんです。

中国国内にも製紙会社はあって
大量の古紙を使うんですよね。

だから古紙の値段が上がる。

当然それは紙の値段に直接反映される。

驚くべきことなんですが、
段ボール古紙の値段って

2001年1月が7円/kgだったのに
2018年7月で17円/kgになってる!

http://www.kantoushoso.com/jyukyuu/images/price2000_2018jul.gif

これは関東の古紙価格の推移だそうですが
こんなに原料が値上がりしたらたまりません。

原料価格自体は安く感じますが
比率としては2倍以上なんですね。

段ボール原紙は昔から底値でしたから
原料価格分は値上げするしかない。

他の紙は古紙以外のパルプを
配合することも出来ますが

ダンボールに関してはほとんど
古紙なので替えがきかない。

これでもバージンパルプ
よりは安いでしょうし。

本来であれば再生紙は安いはず。

しかし社会構造の変化で
高くなることもある。

今後どうなるかは分かりませんが
市況による変動は常にあるわけです。

管理人のまとめ

今回は、再生紙は高いのかというお話でした。

結論としては、本来は再生紙は安いもの。

しかし、白い紙に無理に使おうとして
かえって薬品費が高くなることがある。

その場合は、再生紙は高いことになります。

また、需給バランスが崩れて
古紙が高くなることもある。

たとえば段ボール古紙は2001年と
2018年では2倍以上高くなっています。

こういう場合は昔に比べて
再生紙は高いということになります。

いずれにしても、古紙は無理して使わず
適材適所で安くなるところに使うのがいい。

品質を落として高くなるなんて
バカバカしいお話ですから。

この記事が、再生紙価格の
参考になればと思います。

適切なリサイクルを考えて下さいね!

タイトルとURLをコピーしました