紙が重い理由はなに?それは木材と粘土から出来ているから!

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紙 重い理由

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、紙が重い理由は木材と
粘土から出来ているからというお話。

一般的には紙は軽いものなんですが。

実際にはかなり重いんですよね~

それは分厚い本を考えれば分かります。

辞書なんてとても重い。

管理人は元製紙会社社員ですから
紙の原反がどんだけかは知ってます。

舐めてたらひどい目に会います。

大型マシンのジャンボ原反が
クレーンから落ちたら床に穴。

人間なんて潰れます。

転がってきた巻取りからは
逃げないと危険なんですよね。

まあ、どんなに軽いものでも
量が増えれば重くなるもの。

紙なんてその典型的なもの。

1枚の紙なら風で飛びますが
巻き取り原反は設備を壊す。

本当に、実際に巻取りに挟まれて
亡くなる事故はありますからね。

それはそうとして。

実際の紙はイメージとは違って重い。

ではその理由は何なのでしょうか?

ということで。

この記事では、紙が重い理由はについて
管理人の調べたことをお伝えします。

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紙が重いのは原料が木材と粘土だから

管理人が思うには。

紙が重いのは原材料が木材と粘土だから。

これらは比重が重いんですよね。

ハンドブック的には密度ですかね。

まず、紙の原料が木材というのは
だれでも知っていると思います。

木材の中でもセルロースがメイン。

そしてセルロースの密度は

1.5g/cm3

となっています。

水の密度が1g/cm3ですからかなり重い。

それから、紙には粘土が含まれます。

燃やして灰として残る成分
なので灰分と呼ばれます。

石ころを砕いたものだったり
合成したり色々あります。

よく使われるのはクレー、タルク
炭酸カルシウムといったところ。

それぞれの密度は以下の通り。

クレー(カオリナイトクレー):2.6g/cm3
タルク:2.7g/cm3
炭カル:2.7g/cm3

という感じ。

結晶構造などで変化はしますが
いずれにしても水よりかなり重い。

なので紙は重いわけです。

ちなみに。

普通の上質紙等の場合、
パルプ95%、灰分5%という感じ。

灰分率は品種によって違います。

印刷用紙なら5-10%程度でしょうか。

包装用紙や段ボールは
灰分率は低くなっています。

灰分率が高いのはコート紙ですね。

コート紙の場合は普通の紙の上に
更に塗料を塗工するんですよね。

この塗料の主成分がクレーとか
炭酸カルシウムになります。

例えば、チラシの紙で米坪が64g/㎡、
内添灰分7%、両面塗工量15g/㎡の場合。

パルプ分は

(64g/㎡-15g/㎡)x(1-0.07)
=49g/㎡x0.97
=45.6g/㎡

灰分は

64g/㎡-45.6g/㎡=18.4g/㎡

灰分率は

18.4g/㎡÷64g/㎡=28.8%

となります。

品種や米坪によって変わりますが
約30%は灰分になるんですね。

高級なコート紙ほど塗工量も
増えるので灰分率は高くなる。

紙一枚なんて軽いんですが
密度は結構重いんです。

なので。

実は紙は重い、ということなんです。

紙は重いので腰を痛める印刷屋さんも多い

ここからは余談です。

ここまで紙が重いという
お話をしてきました。

製紙会社では紙が重いので
ホイストやクレーンを使ってました。

小さな巻取りや平判になれば
人力で動かしますけどね。

これが結構な重労働になります。

製紙会社と同じように紙を扱うのが印刷会社。

印刷前の巻取りや平判はクレーンや
ホイスト、フォークリフトで動かしますが

印刷したあとの紙は手作業で
チェックしたり移動することもある。

これが重いんですよね~

大手の印刷会社なら設備もあるでしょうが
街の印刷屋だとかなりの部分手作業。

印刷前の平判を包装から解いて
印刷機の給紙部にキレイに積んで

印刷後の印刷物をまた別のところに
積み替えてという作業があります。

こういう作業が一日中あるんですよね。

これは一応軽作業になるんですけど
正しい姿勢でやらないと腰は危ない。

管理人は基本的に技術部でしたけど
たまにこういう作業をやってましたが

たまにやるというのは普段から
やってる人以上に危ない。

紙が軽いなんて世間のイメージだけで
現実の職場ではとても重いものでした。

紙が相手なんて楽な仕事みたいですが
実は結構な肉体労働なんですよね~。

管理人のまとめ

今回は、紙が重い理由は木材と粘土から
出来ているからというお話でした。

紙は軽いというイメージですが
実際にのところ度は結構高い。

セルロースが主体で粘土が含まれる
ということになりますからね。

セルロースの密度が1.5g/cm3
だそうですがそれよりも

粘土というか灰分になる
クレー、炭カル、タルクは

密度が2.6-2.7g/cm3ということで
水に比べると2.6倍重いわけです。

実際の紙はこれに空気を含むし
水分も含みますから紙としては

もっと密度は低いことになりますが
それでも軽いとは言えないんです。

段ボールや上質紙のような平滑度が
低めで灰分も少ない紙は軽めですが

コート紙のように灰分が多くて
粘土主体の塗料が塗工されていて

しかも光沢度を上げるために
平滑度が高く圧縮されている

紙は密度も高くなって
余計に重さを感じます。

そんなことで紙は思った以上に
重たくて紙を扱う印刷屋さんに

腰痛の人が多いという
お話もさせていただきました。

紙一枚なら軽いものですが
束になると重たくなる。

注意したいものです。

この記事が、紙が重い理由の
参考になればと思います。

紙の重さ、本当に注意して下さいね!

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紙の製造
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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