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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は網点印刷の線数とは?
数字が大きいほど高精細だが
紙を選ぶ!というお話。
管理人は元製紙会社社員。
印刷のこともちょっと勉強しました。
新入社員のときに印刷って
実は網点で画像ができている
というお話を聞いてそうだったのか
と感心したことを思い出しましたね。
レベルが低いですけど・・・
今でも印刷物は網点で構成されていますが
当時のものはもっとわかりやすかった気が。
多分、当時はもっと網点が
粗かったのでしょう。
今でも印刷物によっては網点が
分かりやすいのもあるんでしょうが
チラシとか雑誌とかの写真は
昔よりキレイな気がします。
網点印刷の線数が増えた
ということなんでしょうね~
ところで。
印刷の品質を表す網点の線数とは何なのか?
紙の品質もあわせて確認してみようかなと。
ということで。
この記事では、網点印刷の線数とは?
数字が大きいほど高精細だが紙を選ぶ!
について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
網点印刷の線数の定義と紙の表面性の関係
まずは網点印刷の線数の定義ですが。
こんな感じ。
==ここから==
「線数」とは印刷物の精度(きめ細かさ)を示し、1インチあたりに並ぶ網点(の中心)の数のことです。
単位は「線」や「lpi(line per inch)」で表します。
175線(lpi)であれば1インチ当たり175個の網点で表現されることになります。
==ここまで==
ということだそうです。
1インチは2.54cmですから175線なら
1mmに6.9個、約7個の網点ですね。
それから、印刷物と線数の
関係はこんな感じだそうです。
==ここから==
一般的なカラー印刷物では175線が使用されていることが多いようです。
新聞(更紙など):60~80線
書籍・雑誌など1~2色刷(上質紙など):100~150線
カタログなどのカラー印刷(コート紙・アート紙など):150~200線
==ここまで==
ここで線数と紙の表面性の関係をお話します。
まず線数が増えると網点は小さくなります。
1インチあたりの網点の数が
線数ですから当然です。
そして、線数が多くなるほど
印刷は鮮明になっていく。
これはテレビの画面とかスマホの
写真の画質のことを考えれば分かる。
画素数が増えれば高画質になるわけで。
古い人ならワープロの文字を
思えばはっきりするでしょうか。
なにしろ、管理人の学生の頃は
ワープロの文字はガタガタでした。
その頃は16×16だったと思います。
今は同じ感覚だと88×88だとか。
線数が増えるというのは
そういうことなんですね。
しかし、問題もあります。
線数を増やせば鮮明になるのですが
印刷や紙がそれに対応できるのか?
これが大問題です。
印刷側ではそんな小さな網点を
キチンと再現できるのか?
これは技術的に難しいわけですよね。
言ってみれば半導体の微細加工と同じこと。
細かくなるほど難しくなる。
紙の方も問題があります。
高精細になるほど平滑性が必要になる。
網点が小さいわけですから
潰れても飛んでもダメです。
小さくなるほどそのリスクは大きい。
紙の表面性が悪くて粗ければ
網点をキチンと付けるために
印圧を上げて対応しますが
そうなると網点が潰れる。
表面が平滑なコート紙やアート紙なら
高精細で印刷することができても
たとえば新聞紙とか更紙などは
線数を上げると印刷が持たない。
高線数すぎると網点が潰れてしまう。
となると紙の表面性によって
適した線数があることになります。
キレイな画面にしたいから高精細に
というのも単純ではないんですね~
網点印刷の線数とクレームの思い出
ここからは余談です。
管理人は元製紙会社社員。
印刷用紙の担当もやりました。
クレーム処理もやりましたね。
網点で印象に残っているのは
オフセットの網点太りでしょうか。
印刷したときに網点が太って
にじんだように見えるとか。
印刷会社の腕の問題もあるんですが
紙に合った線数を選んでいたのか?
そのときは光学顕微鏡写真を撮って
分析しましたがイマイチ役に立たず。
紙は悪くない、という方向で
説明に行った記憶があります。
本当は紙が問題だったかも知れませんが。
こういうのって要因が複数あるので
どれが悪いか分かりにくいんです。
場合によっては同じ紙でも条件の
緩い印刷ならOKかも知れないし。
厳しい印刷するなら他社の高級な紙を
使ってくれとか思ってましたね~
今思えば自社製品の品質に対して
プライドもなにもなかったのですが。
管理人のまとめ
今回は網点印刷の線数とは?
数字が大きいほど高精細だが
紙を選ぶ!というお話でした。
線数とは1インチに並ぶ網点の数。
線数が多ければ高精細になる。
ただし、それには条件があって
網点がキレイに乗る紙が必要。
もちろん印刷の技術も必要ですが
紙の表面性が悪いと網点が潰れる。
このバランスが難しいと思います。
なんでも精度を上げればいい
というものでもないんですね~
この記事が、網点印刷の線数の
参考になればと思います。
印刷物の網点、気にしてみて下さいね!
(参考)
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