管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリでは紙ゴミについて
管理人の思うところをお話します。
ゴミの分別ってややこしい。
プラスチックなんて
見た目で分からないのが多いし。
紙もそう。
新聞紙や段ボール
雑誌なら分かりやすいですが、
ラミネートしている剥離紙とか
ホチキスでとじているコピー用紙とか
シュレッダー後の細かくなった紙とか
金具の付いた紙の箱とか。
考えていると頭が痛くなります。
横浜市なんかは
分類に迷うゴミの出し方について
AIを使って回答する仕組みを
作っていますが、
それでもややこしいことに
変わりはありません。
紙ゴミをどのように出すべきかは
自治体によって違うので
それに従わないといけないんですが
元製紙会社社員としては
製紙会社の立場から見た
分別方法に対する本音があります。
このカテゴリではそのような
紙ゴミの分別方法に加えて、
元製紙会社社員の目から見た
本音をお伝えしたいと思います。
【紙ゴミはどう分別すればいいのか】
紙ゴミに限らずゴミの分別は面倒。
家庭なら各自治体が
ルールを細かく決めていますし、
企業ならその企業独自のルールで
ゴミの分別方法を決めています。
自治体ならホームページに
記載されてたりしますよね。
自分が会社に勤務していたときは、
ISO14001に取り組んでいましたから、
紙を無駄遣いしないとか、
なるべく資源ごみにするとか、
みんな古紙処理現場を知ってるのに
形式的なことやるな~
そんなことを思いながら
対応していました。
本質を見失った感じがしてましたね。
ゴミの分別回収は
もう社会のルールになっているので
個人がどうこう考えて
変わるものでもありません。
しかし元製紙会社社員の
本音はどうなのか?
ここがお話したいところです。
【紙ゴミの分別に意味はあるのか】
ここからは元製紙会社社員の本音、
ただの個人的意見です。
紙の分別に意味はあるのか?
という問題。
結論から言うと、
量がまとまる分別は意味があります。
しかし量がまとまらないなら、
分別は無駄です。
自治体はゴミを減らしたいから
少しでも紙の分別をしてほしい
ということなんでしょうけど、
これちょっと考えものなんですね。
製紙会社の立場からすると、
量と質がまとまっていない紙ゴミは
古紙原料に出来る資源ゴミではなく、
ただのゴミです。
正直言うと、
新聞、チラシ、雑誌、段ボール、
このような分かりやすいものは
分別回収してもらえば使いやすい。
しかし分別に迷うようなものは
どうせ量がまとまりませんから、
そんなものは焼却処分したほうが
マシだろうと思います。
分別に迷うものとしては、
たとえば剥離紙。
表面がツルツルしていて
ラミネートが付いているもの。
実際にはラミネートされている紙は
雑誌などと一緒に処理出来るし、
段ボール古紙として
使うことも出来るのですが、
全体から見ると
数量としてはとても少ないし、
ラミネート自体は
紙の原料にはなりませんから、
製紙会社からすると
古紙原料として入ってほしくない。
だから分別に迷うなら
可燃ごみとして処分して欲しい。
自治体としてどうするのかは
それぞれ違うと思うのですが、
管理人の意見としては、
焼却処分して欲しいと思います。
それから
ホチキスでとめたコピー用紙。
ホチキスの芯は外さなくても
古紙処理できるんですが、
ホチキスの芯は原料になりませんから
外せるものなら外してほしい。
でも正直言うと、
面倒ならそのまま資源ゴミでも良い。
自分も手間を掛けて
ホチキスの芯を外してましたが、
こういうのこそ形式的だと
思ってたんですよね。
古紙設備にはホチキスの芯程度なら
異物として取り除く設備がある。
それを知っているのに、
手間をかけていたんです。
いずれにしても。
そういう量のまとまらないものは
分別する手間がかかるばかりで
大したゴミの削減にもならないし
製紙会社のメリットにもならない。
細かすぎる分別回収は
形式ばかりで意味が無い。
いい加減やめてもらえないだろうか、
と思うんですけどね。
【紙ゴミの禁忌品】
紙ゴミには禁忌品というのがあります。
禁忌品とは、資源ゴミにならないもの。
紙の原料にならないだけでなく、
原料に混ざるとトラブルを起こします。
これが結構あるんですね。
たとえば、臭いの付いた紙。
洗剤の箱、線香の箱、香料の箱、
芳香紙、石鹸包装紙など。
紙に臭いがつくと製品になりません。
ワックス付き段ボール。
ワックスが入っていると
紙に油染みが出来てしまいます。
シールやテープのような粘着物、
ホットメルトや圧着ハガキ。
粘着物は機械や製品について、
欠陥になります。
カーボン紙、ノーカーボン紙、
感熱紙など発色する紙。
紙に斑点が出てしまいます。
硫酸紙、防水紙、耐水紙、
ティーバッグ、キッチンペーパー、
紙おむつ、合成紙などは
水に溶けませんから紙にできません。
まだまだあります。
一見紙っぽいだけにややこしい。
製紙会社としては
原料にならないものは不要ですから、
禁忌品として
焼却処分して欲しいわけです。
管理人の意見としては、
新聞紙、チラシ、段ボール、雑誌。
あとはせいぜいコピー用紙。
これくらいをキチンと分別して
それ以外は燃やして欲しいと思います。
社会的には
そうはいかないのでしょうが。
【管理人のまとめ】
今回は紙ゴミのお話でした。
紙ゴミは資源ゴミ。
しかし量がまとまらないと
分別する意味がない。
本当に回収して役に立つのは、
新聞紙、チラシ、雑誌、段ボールくらい。
あとは燃やしてもらったほうが
ありがたい。
あくまでこれは
管理人の意見ではありますが、
実際に製紙会社で
勤務していた人間の本音でもあります。
今後も紙ゴミはリサイクルされ、
分別回収もややこしいままでしょう。
しかしこれは社会のルール。
あんまり勝手なことは出来ません。
管理人としては紙ゴミの分別は
形式的に細かくなるのではなくて、
もう少し本質的になって
分かりやすくならないかと思います。
紙のリサイクルが
今後も環境を守る役に立って欲しい。
その思いはもちろんありますから、
余計にもっと分かりやすくして欲しい。
そんなふうに思っています。