段ボールが臭い!ニオイをとる方法はある?その原因は何か。

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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、段ボールが臭いとき
ニオイを取る方法は?というお話。

段ボールが臭いというのは
よくある話なんですよね。

もともと入れていた物の
ニオイが移ることもありますし。

もともと入っていたものが洗剤や
化粧品だったらいいかおりなんですが

嫌いな食べ物が入っていたら
それはそれは困るかなとか。

それからカビ臭いのも困りますよね。

湿ったところにダンボールが
置いたままだとカビが生えますから。

あとは汚物のニオイと言うのもあります。

最悪ですね。

ところでこんな段ボールの臭い
脱臭できる方法はあるのか?

ということで。

この記事では、段ボールの
臭いをとる方法について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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段ボールの臭いはビニール袋と脱臭剤でとる?

段ボールのニオイを取る方法としては
ビニール袋と脱臭剤を使います。

やり方は簡単で、
段ボールが入るビニール袋を用意して

その中に段ボールと脱臭剤を入れ
適当に脱臭剤を入れ替え、

ニオイがなくなるまで繰り返す
ということです。

この時の脱臭剤はなんでも良いです。

たとえば、市販のもの、茶殻、
コーヒー滓、炭、新聞紙などですね。

それ以外では、風通しの良いところに干す、
できれば天日干しがいいです。

ただこの方法、ニオイのもとが
もともと入っていたものが移った

という場合には効果がありますが
段ボールそのものが臭いと効果がない。

あくまでもニオイが減っていく状況で
効果があるわけで

段ボールそのものが原因の場合は
ニオイは減りませんから。

それにしても。

正直言うと段ボールのニオイを取るために
ここまでやる価値があるかどうかは疑問です。

その段ボールが何か特別なものとか
使う必要があるなら別ですが

そうでなければこれだけ手間をかけるなら
新品の段ボール箱を買ったほうがいいかなと。

この方法、手間ヒマかかるし
必ずニオイが取れる保証もないし。

使い道のない段ボールがもったいない
というのはあるんですが

トータルで見れば新品を
買ったほうが安い気がします。

このあたりの考え方は
人それぞれだとは思いますが。

段ボールが臭い原因について

ここからは元製紙会社社員の
本音をお話させて下さい。

ここまで段ボールのニオイを
取る方法についてお伝えしてきましたが

正直言うと紙に限らず脱臭というのは
かなりやっかいなことです。

香水をふりかけたような感じで
ニオイが移っただけならまだしも

紙自体が腐ってカビが生えていたり
汚物のニオイがしていたらもう無理。

その段ボールは捨てるか燃やすか
地面に敷くような用途で使うとか

少なくとも梱包に使うのは
あきらめたほうが良いでしょう。

ではなぜ紙がそんな異臭を放つのか?

濡れたところが腐ってくるとか
色んな原因があると思いますが

管理人の経験でいくとスターチが
腐ったニオイがありますね。

スターチというのは日本語で澱粉。

米、麦、じゃがいも、とうもろこしなど
多くの穀物から取れます。

実は紙の表面にスターチを
塗工していることが多いんです。

管理人はコーンスターチを
よく使ってた記憶があります。

それでスターチは澱粉ですから
煮るとネバネバの糊になります。

これを薄く紙表面に塗って
乾かせば表面強度が上がるんです。

段ボールなら毛羽立ちを防ぐんですね。

印刷するときに紙ムケなどが
起こりにくくなります。

そのためほとんどの紙には
スターチが塗工されています。

ただこのスターチ、澱粉ですから
そもそも穀物などの養分です。

だからすぐにカビが生えて腐ります。

たとえばこんなケースがあります。

製紙会社では紙に塗工するために
澱粉を炊いて液状にするんですが

それが使い切らずに余ってしまう
ことがあるわけです。

次に使う予定があるからと言って
タンクに保管してあるのに

その予定がキャンセルされて気がつけば
タンクの中のスターチが腐っている。

もちろん数日間は腐らないように
防腐剤を入れていますがそれでも腐る。

こういうことってよくあるんですよね。

このニオイ、この世のものとは
思えないほど臭いです。

はじめて嗅いだときは息苦しかった・・・

それでも慣れというのはすごいもので
管理人も徐々に慣れはしましたけど。

腐ったスターチは当然廃棄処分で
工場内で廃水処理されます。

それでタンクを掃除して
また次のスターチを入れるわけです。

ところがこのときに誤って
腐ったスターチを使うとどうなるか?

当然ながら異臭のする
紙が出来上がります。

腐ったスターチはこの世のものとは
思えないニオイを発しますが

それが薄まったようなニオイのする
紙が出来上がるわけです。

こういう紙や段ボールが出てくると
汚物のニオイだと言われるわけです。

国内メーカー品でもまれに異臭を
言われることがあります。

管理人が16年製紙会社にいましたが
異臭クレームは何年かに1回程度でした。

日本人はニオイに敏感ですし、
腐ったスターチを使うこともないでしょうし

もしも紙に異臭があったとしても
製品になる前に処分されるとか

製品になってからでも
印刷される前に返品されるとか

いくつもチェックポイントがあるので
そう簡単には消費者まで届かないです。

しかし海外品の場合はそうでもなくて
製造工程の管理が雑だとか

製品のニオイなんか気にしないとか
そういう理由で消費者まで

臭い段ボールが届くことが
あるのかもしれません。

実は製紙会社では色んなところで
スターチを使っています。

先程お話した紙の表面強度対策もあるし
塗料のバインダーとしても使われますし

紙力増強剤とか歩留まり向上剤として
紙の中に内添して使われることもあります。

その管理のためにスライムコントロール剤、
略してスラコンと呼ばれる

目に入ったら失明するほどの強力な防腐剤が
使われるんですがそれでも腐るんですね。

しかもスライムはあっという間に増えますし、
薬品耐性も出てきますからとても厄介。

水が関係する製造工場はどこでもそうですが
製紙会社もスライムには悩まされます。

動かない水は腐るのですが、
栄養のある水ですからなおさらなんですよね。

管理人のまとめ

今回のお話は段ボールが臭いときの
ニオイを取る方法でした。

やり方としてはビニール袋に
段ボールと脱臭剤を入れて

ニオイがなくなるまで脱臭剤を
取り替えるということでした。

ただこの方法、手間と時間がかかるのに
必ず脱臭できるとは限らない。

段ボール自体にカビが生えていたら
さすがにニオイが消えませんから。

正直、急ぎなら新品の段ボールを
買ったほうがいいと思います。

それから段ボールのニオイの原因の一つ
スターチが腐ったときのお話もしました。

色んな悪臭がありますが
あのニオイもひどいものです。

ちょっとでも紙に入ってたら
クレームになるニオイですね。

国産の段ボールでそんなにニオイが
ひどいものはないと思うんですが

ニオイを気にしない海外品なら
臭いものがあるかも知れませんね。

この記事が段ボールの臭い取りの
参考になればと思います。

製品の値段に比べれば
段ボールなんて安いものです。

良い段ボールを使って下さいね!

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