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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回のお話は、インクジェットの故障は
紙が対応していないときに起こるのか?
インクジェットプリンタはずいぶん普及して
一家に一台くらいあるような気がします。
我が家にもあります。
使うのは年賀状くらいですけどね。
多くの家庭はそんなもんでしょう。
年に数回、それもせいぜい数十枚程度
印刷する感じじゃないかなと。
普通に使っていれば
その程度では故障しないでしょう。
インクが切れていたり、長期間放置していて
使えなくなるとかはあるかも知れませんが。
それでも、インクだけの問題なので
補充するなり取り替えればいい。
オフィスで使っているとか趣味で
使っているならもっと使いますよね。
資料作成のために毎日
何十枚も印刷するとか
同人誌を印刷するために数日間は、
一日中稼働させているとか。
それでもプリンタ自体は相当持ちます。
インクはすぐ無くなるので買い替えますが
プリンタ本体はそう簡単には故障しません。
プリンタのローラーは消耗品だそうですが
それでもそう簡単にはダメにならない。
では紙が悪くてプリンタが
故障することはあるのか?
ということで。
この記事では、インクジェットの故障が紙が
対応していないときに起こるのかについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
インクジェットの故障は紙の原因ではなかなか起こらない
結論から先に申し上げると、インクジェットプリンタが紙の品質や種類によって故障するというケースは、非常にまれであり、実際にはあまり起こることではありません。紙が原因で完全にプリンタが壊れてしまうという事態は、確率的にかなり低いと言えるでしょう。
もちろん、「絶対にゼロ」と断言することはできません。どんなものにも例外は存在します。しかし、管理人自身はこれまでの経験の中で、紙によってインクジェットプリンタが故障した例を一度も見たことがないのが事実です。
プリンタメーカーが推奨しているインクジェット対応用紙を使用するよう求めるのは当然のことです。それは、印刷品質を保つため、またトラブルを未然に防ぐための措置です。しかし、市販されている一般的なインクジェット用のプリンタ用紙を使用していて、機械が壊れるということは、ほぼ考えにくいことです。
ここで、管理人の体験談を少しお話ししたいと思います。実は管理人は、過去にインクジェット用紙の研究・開発に関わったことがあり、その際に様々な種類の紙をインクジェットプリンタに通してテストをしていました。
紙の特性を調べるために、印刷適性を測る実験ではコート紙、上質紙といった一般的な印刷用紙だけでなく、クラフト紙や新聞紙、包装用の紙など、多岐にわたる紙を使用しました。プリンタに通りそうな紙はすべて試したと言っても過言ではありません。
そのような紙を使用しても、プリンタが故障したことはありませんでした。時には厚手の紙を無理に通してみたり、極端に薄い紙、いわゆる薄葉紙を通したりという実験も行いましたが、致命的な故障には至りませんでした。
もちろん、紙詰まりは頻繁に起こりましたし、紙の繊維が機械内部に残って掃除が必要になることは多々ありました。また、インクの乾きが遅い紙を使用した際には、インクがにじみ、搬送ローラーにまで付着してしまうという事態にもなりました。
ローラーが汚れると、次に印刷する紙にインクが付着してしまうため、常にローラーの清掃は必要でした。塗工層が弱い紙を使用した場合には、ローラーが真っ白になるほど紙粉が出ることもありました。
しかし、それでも定期的に掃除をすれば、機械そのものの動作には大きな影響はありませんでした。印刷結果に問題が出たとしても、そのほとんどはインクが切れていたり、設定ミスだったりと、紙そのものが原因ではないケースが多かったのです。
ただし、紙やすりのように極端に表面が粗い素材や、異物の混ざった紙、また折り目が強くついた紙などを無理やり通すことは、当然ですが機械にとっては負担です。こういったものは搬送系の部品やローラーを傷つけ、明確な故障に繋がる可能性があります。
あくまで常識的な範囲での使用であれば、紙のせいでプリンタが動かなくなるというのは非常にレアなケースです。プリンタの故障原因としてよくあるのは、電気系統の不具合や、内部の搬送部品の経年劣化、あるいは使用頻度による物理的な摩耗です。
ですので、紙が直接的な原因となって故障するというのは、ほとんど起こらないと考えて差し支えないでしょう。
インクジェットの故障はないが印刷できない紙は多い
ここからは少し余談になりますが、実際にインクジェットプリンタが紙によって故障することは稀である一方で、印刷に適さない紙というのは非常に多く存在します。
前述のように、管理人はインクジェット用紙の開発に関わる中で、多くの紙をテストしてきました。どの紙が印刷できるか、どれが適していないかを見極めるのも大切な工程です。その経験の中で、印刷はできるが品質が非常に悪くなる紙、または印刷後に時間が経ってからにじんでしまう紙など、様々な問題に直面しました。
一般的に、インクジェット用に設計されていない紙というのは、インクの水分を素早く吸収できなかったり、インクの色材が表面にしっかりと定着しないため、印刷品質が著しく低下します。
たとえば、上質紙やコピー用紙といった非塗工の紙は、まだ印刷可能な部類に入りますが、インクがにじむことが多いです。そして、コート紙やアート紙、マットコート紙、キャストコート紙といった塗工された紙は、インクジェット用インクとの相性が非常に悪く、まともに印刷できないことがほとんどです。
これは、塗工層がインクジェットの水性インクを吸収・固定するようには設計されておらず、もともと商業印刷のオフセット印刷用に最適化されているためです。オフセット印刷ではインクを機械的に押し付ける方式なので、インクの吸収性をそこまで重視する必要がありません。
光沢があるからといって、チラシなどの表面にある白い部分にインクジェットで印刷できると思うのは誤解です。実際には、インクが乾かず、にじんだり、ベタついたりしてしまいます。
クラフト紙についても、印刷直後は良好に見えても、時間の経過とともにインクが滲んでしまうという問題が発生します。これは、インクジェット用インクに含まれる定着剤の有無によっても左右され、非対応の紙ではこの定着がうまくいきません。
印刷直後に問題がなくても、数時間後あるいは翌日には滲んでしまうケースもあります。これは見落とされやすい点ですが、実使用においては非常に重要です。
結論としては、インクジェットプリンタは構造上繊細な機械ではありますが、紙によって壊れることは稀である一方で、インクジェット用として適切に設計されていない紙では、期待通りの印刷結果を得るのは難しいという現実があります。
昔のガリ版のようにどんな紙にも印刷できるような機構ではなく、インクに含まれる大量の水分を吸収し、その上で色材をきちんと紙に定着させるという工程が必要なため、インクジェットプリンタで印刷できる紙には、相応の適性が求められるということです。
管理人のまとめ
今回のお話は、インクジェットの故障は
紙が対応していないと起こるのか?
結論はインクジェットプリンタは紙が原因で
故障することは滅多にないということでした。
もちろん正しく使っていればですが。
管理人の経験では色んな紙で印刷して
それが原因で故障したことはないし、
数百枚程度なら印刷し続けても
プリンタが故障することはなかった。
インク切れはしますけどね。
それから、インクジェットの場合は
紙を選びますから必ず専用紙を使うこと。
そこさえ守ればそう簡単には
故障しないと思います。
この記事がインクジェットの故障と
紙の関係の参考になればと思います。
インクジェット用紙は正しく使って下さいね!
 
  
  
  
  
