印刷の刷り順について。オフセット印刷が墨藍紅黄の理由は?

記事内に広告が含まれています。

この記事は約 13 分で読めます。

印刷 刷り順

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、印刷の刷り順について。

管理人は元製紙会社社員ですから
印刷会社を見学したこともあります。

多いのはクレーム処理でしたが。

なんだか訳のわからないことで
怒られるんですよね~

実際これが難しくて、自分でむやみに
しゃべると営業に怒られるし。

適当に謝って金銭補償とか
現物差し替えで許してもらうとか。

お客さんと営業の間で話が出来て
いるのに本当のことを言うとか。

サラリーマンとしてはやっちゃいけない。

田舎の工場からやってきた
残念な技術者だったわけです。

何度か呼ばれたあとはもう
要請はなくなりましたけど。

あとは普通に工場見学ということで
勉強として印刷現場を見に行く。

こういうのもたまにありましたね。

製紙会社だから印刷のことは
知っていて当たり前なんですが

実際にはなかなかそうもいかないし
聞くと見るでは大違いですから。

特に現場で操業員をやってる人は
早いうちに見学させたい感じでした。

自分の作っているものがどこで
どんな人が使っているのか。

そういう事を知っているのと
知らないのでは気分が違う。

製品の扱い方も変わってくる。

クレームを減らす、品質向上の
教育の一環だったと思います。

そういえば。

管理人より前の世代の操業員は
新幹線に乗ったことがないとか

出張に出たことがないとか、初めて
名刺を作るとかそんな人もいたらしい。

管理人も会社に入るまで飛行機に
乗ったことなかったですから

そういう人とたいして変わりません、
というか出張少なかったんですね。

今はネットがあるので行かなくても
様子を見ることが出来そうですけど。

それはともかく。

製紙会社の社員なんだから
印刷のことも勉強しましょうと。

印刷用紙を担当していれば
オフセット印刷が重要になる。

特にコート紙だとほとんどが
4色のカラー印刷で使われます。

だからそれなりに勉強しました。

それで、4色印刷なんですが。

これは名前の通りインクが4色。

墨(スミ)、藍(アイ)、紅(ベニ)、黄(キ)

これの刷り順がどうなるかが今回のお話。

ということで。

この記事では印刷の刷り順について
管理人の調べたことをお伝えします。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

印刷の刷り順が墨、藍、紅、黄になる理由

カラー印刷のインクについて

まずは印刷に使われる4つの色の説明。

墨:黒色(ブラック)
藍:青色(シアン)
紅:赤色(マゼンタ)
黄:黄色(イエロー)

大雑把にこんな漢字です。

専門的にはちょっと違うみたいなんですが
実際問題はこういうイメージでしたね~

藍(シアン)と青(ブルー)、
紅(マゼンタ)と赤(レッド)、

これは厳密には違うんだと言われましたが
管理人にはよく分からなかったですね~

それで、色には三原色というのがあって
どんな色でも3つの色があれば再現できる。

理屈上はそういうことだそうです。

普通の印刷物は網点という細かい点の
集まりで画像が表現されています。

印刷物を虫眼鏡で見れば分かります。

銀塩写真とかインクジェットも原理は
同じなんですが網点というか

粒子が目に見えない小ささなので
なめらかに見えるんだそうです。

墨、も一応3つの色を混ぜれば
出来るんですがこれはイマイチ。

濁った色になるんだとか。

そういうことで4色のインクが使われる。

カラーの印刷はこの4色を使っての
印刷が主流ということです。

4色の刷り順について

カラー印刷の場合、インクが4色ですから
それをどの順番で刷るかが問題です。

それでこの順番は一般的には

墨(スミ)、藍(アイ)、紅(ベニ)、黄(キ)

の順番になります。

ではその理由は?

大きく分けて2つあるそうです。

一つは紙粉対策。

もう一つは逆トラッピング対策。

それぞれ説明してみます。

【紙粉対策】

紙はパルプ繊維が絡まって
シートになったもの。

塗工紙だとその上に塗料を塗る。

この繊維の絡みが弱くてインクの
タックが強いと紙表面がムケル。

オフセットインクというのは
水飴みたいなもの。

だから相当粘っこいんですが
この粘りをタックと呼んでいます。

このタックが高ければ紙はムケやすい。

紙粉が出やすいということになります。

それで、刷り順としてはタックが高くて
印刷面積の少ない色から印刷したほうが

紙面に紙粉が残りにくい
ということになるんですね。

弱いところは先に除いておく
という感じでしょうか。

1色目を耐えたら2色目以降は
もう紙粉は出ないでしょうと。

それで、印刷面積が少ない色が墨。

デザインにもよるのですが
一般的には印刷面積が少ない。

墨は文字とかが多いんですが、
柄に比べれば面積は少ない。

人物でも日本人なら髪は黒ですけど、
肌色とかよりは面積は少ない。

衣装も真っ黒だったら別ですが
カラフルなもののほうが多い。

風景も黒は少ないですね。

墨一色だと順番も何もありませんが
カラー4色ならこういう感じですかね。

墨を最初にやる理由はこれのようです。

逆トラッピング対策

次に逆トラッピング対策。

バックとラッピングとも言います。

トラッピングというのは前のインクが
後ろのインクを受容することだそうです。

もしも前のインクより後ろのインクの
タックが高かったら後ろのインクが

前のインクを剥がしてしまう
ことになるわけですよね?

だから順番にタックが低くなるように
そういう順番に印刷します。

そのタックの高い順から

墨、藍、紅、黄

ということだそうです。

ただ、このインクのタックは
レデューサーという薬品で

インクを薄めれやれば
下げることは出来ます。

紙の表面強度が弱いときには
レデューサーを入れてましたね。

ただこれをやるとインクの濃度が
変わるのであまりよろしくはない。

インクを薄めているわけですから。

刷り順を変更するときにも
タックの調整をするようです。

ただ、一般的には墨、藍、紅、黄の順に
タックは低くなるように設計されています。

だから、この順で印刷するのが良い。

そういうことです。

インクの濃度

それからもう一つ、インクの
濃度の問題があります。

インクの濃度は色によって違う。

イメージで言うと同じ量でも濃く
見えるかどうかですかね。

インクの濃度も高い順がよくて
それが、墨、藍、紅、黄になります。

墨の濃度が一番濃くて
黄の濃度が一番低い。

感覚的には濃度が薄いということは
透明感が増すという感じでしょうか。

たとえば不透明なフィルムと
クリアなフィルムがあったとして。

不透明なフィルムの上にクリアなフィルムを
置くならクリアなフィルムの色も見えますが

クリアなフィルムの上に不透明なフィルムを
置くとクリアなフィルムの色は見えなくなる。

イエローを印刷したあとに墨を印刷すると
イエローが消えてしまうということです。

または色が濁る。

そういうことで印刷品質を確保するために
インクの濃度が高いものから刷ります。

管理人の知っている限り
この順番は決まってましたね~

印刷作業上の問題もある

管理人は本音はこれが一番だと思ってます。

4色印刷でインクの順番を変更するなら
印刷機を完全に洗わないといけない。

どこまでやるかは個人差がありますが
建前としては完全に洗う必要がある。

たとえば墨、藍、紅、黄と印刷していて
これを墨、紅、藍、黄に変更すると。

そうすると当然、藍、紅、のパートは
きれいに洗ってインクを入れ替える。

これ、相当に手間がかかります。

色が混ざったら何してるか分かりません。

だから結構丁寧にやる必要がある。

正直めんどくさいです。

印刷機というのは色々と洗浄しますが
洗浄している間は生産できません。

効率が落ちるんですよね。

工場によっては24時間回っています。

出来ればそんなことはしたくない。

そうなると、一回決めたパターンは
変更したくないわけです。

会社によっては朝からインクを入れて
段取りをして夕方インクを抜いて掃除。

そういうところもあると思います。

それでも仕事はルーチンでやりたいので
今まで入れていたインクは同じようにしたい。

余程うまく印刷しないといけないとか
特殊な事情がない限り変更したくない。

理屈的に、墨、藍、紅、黄がいいですが
現実的に作業変更をしたくないのもある。

作業工程の変更はトラブルにもなりやすい。

印刷の刷り順が決まる理由は
これも大きいかなと思いますね。

スポンサーリンク

管理人のまとめ

今回は、印刷の刷り順についてのお話でした。

あくまでオフセット印刷の場合ですが。

結論から言うと印刷の刷り順は
墨、藍、紅、黄の順番です。

その理由は紙粉が出にくいようにする、
タックと濃度の高いものから刷る。

これらが大きな理由でした。

また、こういう作業は一回決めたら
変更したくないのが実際のところ。

変更によるトラブルも避けたい。

デザインによっては刷り順の変更を
した方が良いこともあるんでしょうが

現実的には作業する側の都合で
変更しにくい場合もあるようです。

印刷する側も決まった図柄を何日も
印刷し続けるなら対応するでしょうが

現実にはそこそこの仕事でも
数万枚で次の印刷となるわけです。

今のオフセット枚葉印刷だと
1万枚は1時間かかるかどうか。

そういう仕事でインクの刷り順
変更なんて手間がかかって仕方ない。

まあこんな感じで、オフセット印刷の
刷り順は決まるしあまり変更もしない。

という感じですね。

管理人のような元製紙会社の人間からすると
印刷業は短納期の細かい仕事が多い。

だから小回りがきかないと
難しい仕事だと思いましたね。

この記事が、印刷の刷り順の
参考になればと思います。

印刷物も色々な工夫されてますね!

(参考)
こんな記事も読まれています。

段ボールは酸性紙。長期間接触すると鉄が錆びることがある!
https://kamiconsal.jp/danborusanseisi/

新聞紙の手裏剣の作り方!特大のものを作るのも面白いかも?
https://kamiconsal.jp/sinbunsisyuriken/

紙はなぜ白いのか?光の乱反射や屈折率の違いが関係します!
https://kamiconsal.jp/kaminazesiroi/

紙と印刷
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

べぎやすをフォローする
べぎやすをフォローする
タイトルとURLをコピーしました