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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は紙の透気度とは?一定量の空気が
抜けるまでの秒数で表します、というお話。
今回はちょっと技術的なところを。
透気度、というのは文字通り
空気がどれだけ抜けるか。
これは品種によってかなり違います。
新聞紙や更紙のような薄くて
締めていない紙は透気度が低く、
カレンダーを掛けて押しつぶされた
光沢コート紙なんかはかなり高い。
重要性という点では印刷用紙よりも
加工原紙とか包装紙で気になりますね。
ということで。
この記事では、紙の透気度とは?
一定量の空気が抜けるまでの秒数、
ということについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
紙の透気度の定義
まずは透気度の定義から。
==ここから==
・紙の厚さ方向に空気が通抜ける度合いで、通常は一定量の空気が紙の表面から裏面へまたは裏面から表面への抜けやすさを時間数(秒数)で表します。
・数値が大きい程、高緊密を示し一般的には良い強い紙と評価されますが加工原紙としては必ずしも言えません。
・透気度は紙の密度.地合.強度.印刷適性.塗布加.工原紙としての乾燥性など諸特性に影響を及ぼします.
<測定法:JIS-P8117>
・サンプル面積645m㎡に空気100mlが通過する時間を測定します。
・油圧を利用し、表示の単位は秒.Sec です。
・測定方式はガーレー式です。
==ここまで==
ということだそうです。
管理人は印刷用紙が長かったのですが
透気度はあまり気にしてませんでした。
光沢コート紙なんかだと
光沢度が重要でしたから。
そもそも透気度を測定しても
時間がかかりすぎて意味がない。
光沢コート紙の場合はスーパーカレンダーで
圧縮して繊維も塗工層も押しつぶしてしまう。
なので空気の抜け道がなくなるんですね。
逆に薄い非塗工紙、上質、中質、更紙
なんかは透気度が低めで測定しやすい。
印刷用紙としてはあまり
重視されませんでしたけど。
そうそう、キャストコート紙は
ピカピカなのに透気度は低い。
これは光沢の出し方がコート紙とは
違って金属ロールに押し付けるから。
キャスト、ですからね。
キャストコート紙の場合は乾燥時に
塗工層の反対面から蒸気が抜ける。
キャスト面側は金属面なので
蒸気が抜けられませんから。
そのため、透気度はかなり重要でしたね~
紙の透気度。加工原紙での重要性
透気度、加工原紙としては結構重要。
たとえば。
管理人が聞いた話では箸袋とか。
これは基本は上質紙なんですが箸袋の場合、
加工してお箸を入れないといけない。
お箸を入れるときには空気を吹き込んで
お箸を入れる隙間を作るわけです。
このときに透気度が問題になる。
空気を吹き込んでいい具合に隙間が
出来ないとお箸が入ってくれない。
ちょうどいい加減の透気度があるらしい。
多分機械によって違うんでしょうけど。
まあ、透気度の場合は高くするのは
簡単なんですが低くするのが難しい。
なので、高くなりすぎないように、
という管理をしてたと思いますね~
それからもう一つありました。
それはコート原紙。
これも透気度が高いと駄目なんですよね。
コート紙ではなくて塗工前の原紙ですね。
これには管理人、苦い思い出があります。
コート紙の表面性を改善しようということで
平滑度を上げた紙で塗工テストをしたんです。
平滑度はカレンダーを掛けて上げました。
当然透気度も上がってます。
その紙でブレード塗工をしたところ
スクラッチやストリークが出まくり。
あまりの欠陥の多さにすぐにテスト終了。
透気度が高いとか平滑度が高いのは
ブレード塗工とは相性が悪い。
同じ塗工でもカーテンコーターとか
ロッドとかなら良かったんでしょう。
あれは数ある失敗の中でも最短で
中止した失敗かもしれません。
コート原紙というのは表面は滑らかでも
透気度は低いものがいいんですよね。
そういう紙はカレンダーで無理やり
平滑度を上げたのでは作れない。
もっと原質部分の繊維の細さとか
抄紙部分ならフェルトだとか
そういう地味なところを改善しないと
思ったような紙にはならないもの。
そのときに思い知りましたね~
ついでにいうと。
似たようなテストはもっと前に
行われたことがあったそうです。
当時の定年前の製品部の人が言ってました。
似たようなことをやって失敗している
経験があって今のやり方になっている。
そういう経緯も勉強しないと
いけないなと思いましたね~
管理人のまとめ
今回は、紙の透気度のお話でした。
紙の透気度は一定量の空気が
抜ける時間で表します。
印刷用紙ではあまり気にしませんが
加工原紙では重要なこともある。
この記事では箸袋とコート原紙の
お話をさせていただきました。
コート原紙の方はここまで欠陥が出るのかと
思うくらい本当に恥ずかしい失敗でした。
あのときは人の意見はもっと真剣に
聞かなければいけないと思いました。
反省したもののあまり
活かされてはいませんが。
この記事が、紙の透気度の参考になればと思います。
透気度、ちょっと気にしてみて下さいね!
(参考)
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