新聞紙が灰色の理由?原料、価格、品質の面から説明します!

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新聞紙 メキシカンハット 横半分

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、新聞紙が灰色の理由、というお話。

管理人は元製紙会社社員。

新聞紙は担当したことないんですが
基本的なところは勉強しました。

新聞紙なんて聞くと何を今更
というかなんの改善するの?

という感じがすると思いますが
やることは結構あるんですよね~

基本的なところは変わらなくても
社会情勢によって変わることもあるし。

管理人が在籍していた頃からすると
色々変わっていると思います。

それはそうとして。

新聞紙はなぜ灰色なのか?

実はそういうものだと思ってましたから
あまり疑問を持ったことなかったんです。

だた、今回ネットで調べてみて
違和感のある説明もあった。

それで。

管理人の立場からこれを
説明してみようかなと。

ということで。

この記事では、新聞紙が
灰色の理由について

管理人の調べたことを
お伝えしたいとおもいます。

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新聞紙が灰色の理由には複数の要因がある

ちょっとややこしいんですが。

新聞紙が灰色の理由には
複数の要因があります。

そんなに単純じゃないんですね。

そもそも、灰色じゃない新聞紙もある。

たとえば競馬新聞。

あれって真っ青じゃないですか?

駅の売店で見かけますけど
絶対に灰色ではありません。

実はあれには大量の蛍光染料が
使われていて青白くなってます。

それから、いつだったかコンビニで
AKB新聞というのを見たことありますが

あれも基本的に上質系で
灰色ではなかったと思います。

これは名前は新聞ですがアイドルを扱う
フルカラー印刷なので灰色じゃない。

ここで紹介した競馬新聞やアイドルの新聞は
紙にコストをかけることができるんですよね。

全国紙とは大きく違うところです。

それで。

コスト、ということを考えるとやっぱり
原料には古紙を使うのがいい。

木材をチップにして化学処理をして
というのはコストがかかるわけです。

ただ、その古紙も上質紙並みに
白くしようとすると結局高くなる。

漂白費用はバカにならないんです。

なので、集まった古紙原料をそこそこ
使えるレベルに漂白して使う。

コストと品質が両立する程度にする。

そうするとああいう灰色の紙が
ちょうどいいかなということになる。

なので、新聞紙が灰色になる第一の
理由はコストの問題ということになります。

新聞紙が灰色の理由。古紙の品質問題

じゃあ白い古紙を使えば白い
新聞紙を作ることができるんじゃ?

そう思う人もいるでしょう。

ただですね、白い紙を大量に
集めるのは容易ではない。

オフィスから出てくるコピー用紙を
集めればいいじゃないかなんて

思うかも知れませんがあれって
実は大した量にはなりません。

4トントラック一杯のコピー用紙が
あれば一体どれくらい持つか?

小さな事業所だと何年も
あるんじゃないでしょうか。

一方、製紙会社では1日に何十トン、
何百トンという量の古紙を生産します。

会社で出てくるコピー用紙の量で
それを埋めるのは現実的ではない。

そうなると現在発行されている
新聞紙のリサイクルが一番簡単。

つまり、白い紙ばかりを集めて古紙を
製造すれば白い古紙は出来ますが

数量的に現実的ではない
ということになるんですね。

もっと規模が小さければ
ありだとは思いますが。

新聞紙が灰色の理由。紙の品質の問題

ここまでは新聞紙が灰色の理由として
価格的に安い古紙を使うと説明をしました。

ここからは品質面からのお話を。

新聞紙の色が灰色なのは
裏抜け防止というのもあります。

この場合の「裏抜け」というのは
紙の反対面が見えてしまうとか

紙を重ねたときの裏側の記事
まで見えてしまうということ。

そして、新聞紙は薄い。

これはかなり重要な品質になります。

新聞を読んでいて裏側の文字が見えたり
次のページが透けて見えたらうっとうしい。

これを防ぐには色を黒くするのがいい。

だいたい、薄くて白い紙よりも薄くて
灰色の紙のほうが光を通しにくいです。

感覚的に分かると思いますけど。

冒頭にお話した競馬新聞やAKB新聞は
紙が少々厚くても駅売りなら問題ない。

しかし、新聞配達をする全国紙では
紙は出来るだけ薄いほうがいい。

重くなりますからね。

なので、できるだけ紙を薄くして
なおかつ裏抜けもしたくない。

そういう面からも新聞紙は灰色。

専門的には裏抜けのことは不透明度
ともいいますが白色度が低いほど

不透明度は改善される
ということになります。

実はこの不透明度改善は結構難しくて
一番は紙を厚くすることなんですが

それが出来なければ内添填料として
チタンやクレーや炭カルを入れたり

色々とやるんですけど白色度を下げる
というのもその一つの方法になります。

新聞紙は毎日読んだら捨てるので
白くて上質な紙でなくていいという

読者の意識があるので灰色でも
許されているというのもありますね。

新聞紙が灰色の理由。古紙を配合すると断紙しにくい

ここからは余談です。

新聞紙って薄い紙なんですが印刷は
高速なのに断紙は許されません。

夜中に印刷をはじめて明け方には
終了しないといけませんからね。

紙が原因でトラブルが発生して
配達が遅れたら大変なんです。

なので断紙にはとても厳しい。

もちろん、製紙会社でも断紙が
あると生産効率が激減します。

生産現場では全員が断紙しません
ようにとおもっているんですよね~

それで。

実は古紙配合品は断紙
しにくいというのがあります。

普通に考えれば古紙はリサイクルで
パルプの強度が落ちている。

だから紙は切れやすいと思いますよね?

しかし、実際に操業している人に
聞いてみるとそうではないらしい。

その理由は?

それは古紙は伸びるから、なんだとか。

つまり、紙を抄造すると最後は
ロールに巻き取るわけですが

そのときには引張りながら
巻き取ることになります。

つまり、紙を引っ張っているわけです。

このときに、引張りすぎると紙が切れる。

上質紙のようなクラフトパルプ主体の
紙は硬いけど脆いんですよね。

なので、ロールの回転が少しでも
変動して引張りすぎると切れる。

いくら紙が硬いと言っても機械で
引っ張る力に勝てるわけないんで。

その点、古紙が配合してあると
変動があっても伸びて吸収する。

なので切れにくい。

ということなんだそうです。

感覚的なお話で言うと
ガラスとゴムですかね。

ガラスは硬いが衝撃に弱い。

薄いガラスは簡単に割れてしまいます。

しかしゴムは柔らかいが衝撃に強い。

少々の衝撃では割れません。

これと似たようなものなんだそうです。

つまり。

古紙配合品は伸びやすいので
抄紙時にも印刷時にも切れにくい。

今は制御技術が発達しているので
そこまでではないと思いますが、

管理人が会社にいた頃は今のような
精密な制御は出来ていませんでした。

なので、5%でも古紙が配合されていると
紙の生産がしやすいなんて言ってました。

今でも根本的なところは
変わらないと思いますね。

管理人のまとめ

今回は新聞紙が灰色の理由
についてというお話でした。

これって結構ややこしい。

要因がいくつかあるんですね。

価格の点から言うとそこそこ
漂白した古紙が安くつく。

だから真っ白ではなくて灰色。

コピー用紙のように白い紙ばかりで
古紙パルプを作るのも数量不足。

なので白い紙にはなりにくい。

品質面から言うと新聞紙は
出来るだけ薄くしたい。

新聞配達の負担軽減だそうです。

でも薄い紙は裏抜けしやすい。

その対策として白より灰色。

品質面からも白色度は低いほうが
裏抜けが目立たなくなっていい。

新聞紙の場合は長期保存して
何回も読むわけでもありません。

なので、白い紙でなくてもいい。

そういう意識もあると思います。

そういういくつもの要因があって
今のようになっているわけです。

ただし。

これから紙が減っていく時代、
どう変わっていくかは分かりません。

この記事が、新聞紙が灰色の
理由の参考になればと思います。

新聞紙の良さも考えてみて下さいね!

(参考)
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