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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、官公庁への用紙で長期保存用資料を
提出するならどんな紙がいいかというお話。
管理人は官公庁のことは分かりませんが。
安定した職業だと言われる反面
ストレスもあるだろうなと思います。
杓子定規な仕事をお役所仕事といいますが、
行政は法律で縛られてますから仕方ない。
偉くなったら偉くなったで
ちょっとしたミスが命取りになるし
不祥事だとか癒着だとかなんだか
モラルが低いとひどいこと言われます。
民間に出れば天下りと言われ、
外郭団体を作れば受け皿が増えた、
組織を見直せば焼け太りだとか
税金の無駄遣いだと言われる。
大変だなとは思いますね。
ただ、民間企業からすると
お役所のご機嫌を損ねたら終わり。
許認可権があるわけですから
申請書類に不備があると言われたら
その仕事はいつになっても
始めることが出来なかったりする。
本当に些細なことが問題になるので
その対応には神経を使うでしょう。
特に新しいことをやるのは
難しいことなんでしょうね。
地方自治体なんかだとそれぞれ
組織のカラーが違うでしょうから
仕事を受注するのも大変だし、
受注後の対応も色々なんでしょう。
それはそうとして。
官公庁に資料を提出するときの紙は
やっぱり官公庁に合わせるべき。
お役所はそういう書類にどんな紙を
使うかも法律で決まってますから
提出する側もそこに配慮して
使う紙を決めるべきでしょうね。
ではそれはどんな紙になるのか。
ということで。
この記事では、官公庁への用紙で長期保存用
資料を提出するならどんな紙がいいかについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
官公庁への用紙で長期保存用資料を提出するなら再生コピー用紙
結論から言うと、官公庁に提出する
紙は再生コピー用紙が良いでしょう。
ここでいう再生コピー用紙は、古紙100%の
中性紙のコピー用紙になります。
再生PPCとか、古紙入りPPCとか、
低白色再生紙とか色々呼ばれますね。
その根拠は何かと言うとグリーン購入法です。
グリーン購入法の解説は以下の通り。
==ここから==
グリーン購入法は、環境負荷の少ない持続的
発展が可能な社会の構築を目的とする
「循環型社会形成推進基本法」の個別法として
2000年5月に制定されました。
この法律では、再生品等における需要面
からの取り組みも重要であるという観点から、
省庁など国等の機関にグリーン購入を
義務づけるとともに、地方公共団体や
事業者・国民にもグリーン購入に
努めることを求めています。
グリーン購入とは、環境への負荷が
できるだけ少ない製品やサービスを
選択し購入していくことです。
==ここまで==
ということだそうです。
これによると、省庁はグリーン購入が義務、
地方公共団体、事業者、国民も
グリーン購入に努めて欲しい
ということなんですよね。
だから当然、提出書類も指定がなければ
再生紙を使うべきとなるわけです。
それで、紙についてなんですが、
日本製紙連合から以下の資料があります。
グリーン購入法の判断基準の運用について
URL:https://www.jpa.gr.jp/file/topics/20100324045114-1.pdf
この資料によるとコピー用紙なら
古紙パルプ配合率が70%以上みたいですね。
それをどうやって保証するのかと言うとこの資料。
古紙パルプ等配合率検証制度
URL:https://www.jpa.gr.jp/file/topics/20080404044926-2.pdf
そして、どんなコピー用紙がいいか
という評価方法がこの資料。
コピー用紙の総合評価指標についての解説
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/archive/bp/cp_h20/mat01.pdf
再生紙の場合、白さ、つまり白色度が
75%以下ということになっているようです。
ただ、この資料、わけのわからない数式が
たくさん出てくるし、結論に合わせるために
理屈を行っている感じがするので
読む気が起こりませんでした。
実際のところ、古紙100%の低白色
再生紙として市販されているコピー用紙の
品質スペックを見たところ
白色度68%となっているようです。
なんとなく、この製品に合わせた
感じがするんですがどうなんでしょうね。
長期保存用資料の再生コピー用紙は中性紙
それからもうひとつ重要なのは
長期保存用資料になるということ。
この場合、単純に白色度が低い
古紙入り品というだけではなく、
保存性の良い中性紙である
というのが条件になります。
どういうことかと言うと、古紙の入った
中質紙や更紙の系統は酸性紙が多いんです。
こういう紙は通常古紙と機械パルプが
配合されるので中性紙やりにくいんですね。
特に機械パルプが入っていると
中性紙化はやりにくい。
しかも、変色もしやすい。
一方、再生コピー用紙の場合、機械パルプが
入らないので中性紙化しやすい。
酸性紙はせいぜい30年程度で
紙がボロボロになります。
だから長期保存には向いてないんですね。
結局、グリーン購入法と中性紙の点から
再生コピー用紙がおすすめということです。
管理人のまとめ
今回は、官公庁への用紙で長期保存用資料を
提出するならどんな紙がいいというお話でした。
結論から言うと、官公庁が使用している
再生コピー用紙を使うのがおすすめ。
指定の用紙があれば話は別ですが。
その理由は官公庁はグリーン購入法で
古紙70%以上の紙を使う義務があるのと
コピー用紙の場合はほとんど中性紙なので
長期保存に向いているからということでした。
官公庁から提示を求められる資料は
本当に気を使いますから
本来はどんな紙がいいのかと
指示を受けたほうがいいのでしょう。
そこまでのものではないのであれば、
再生コピー用紙を使うのが無難。
合理的には格安の白いコピー用紙が
値段は安くていいんですが
対官公庁というのであれば
そういう配慮は必要でしょうね。
この記事が、官公庁に提出する
用紙の参考になればと思います。
提出物が問題なく受理されるよう
頑張って下さいね!