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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、黄ばんだ本を白くする方法は?
実質出来るのは外側を削る程度というお話。
管理人は製紙会社にいたときに
印刷用紙担当だったことがあります。
出版用紙とかもなんですけど。
残念ながら高級な書籍ではなくて
雑誌とかムック本とかでしたけどね。
それでもいわゆる「鼻が利く」
営業員と言う人はいるもので
当時出始めたゲーム雑誌に
紙が採用されたことがあります。
ファミコンの攻略本が
薄かった頃ですね~
今だったら、公式の攻略本で
上下2冊とか当たり前ですけど。
まだネットもろくになかったので
攻略サイトもなくて雑誌が頼り。
でもこれは売れましたね~
ずいぶん昔の話ですけど。
それで。
その頃の本が今でも自宅にありますが
まだまだそこそこ白くて大丈夫みたい。
我ながらなかなかのものです。
しかし、もうちょっと古い本は
結構黄ばんでるんですよね。
物によって違いは大きいんですけど。
で、その黄ばみは白く出来るのか?
ということで。
この記事では黄ばんだ本を
白くする方法ということで
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
黄ばんだ本を白くする方法はない
結論から言うと黄ばんだ本を
白くする方法はありません。
この場合の黄ばみは紙自体の
黄変化の意味ですけど。
古い文庫本なんかだと
かなり黄色くなってたりする。
それから、いわゆる酸性紙の場合は
茶色くなってボロボロだったりする。
こうなってしまったらもう修復は無理。
さすがにどうしようもありません。
本そのものが貴重な場合は
それ以上劣化が進まないように
冷暗所で保存してアルミ箔で
ぐるぐる巻きにするとかですかね。
文化財なら専門的な図書館にでも
お願いするしかないでしょうけど。
本自体よりも中身に書かれている
文章や絵が重要な場合は
カラーコピーとかスキャンして
データ化するとかですかね。
そうやって、写本を作るのが良いでしょう。
その本が絶版になっているなら
スキャンして写本、がいいかなと。
今のコピー用紙ならそう簡単には
劣化しませんし、スキャンして
データ化されれば劣化の
心配はなくなりますから。
いずれにしても、黄ばんだ紙自体の
修復は現実的には無理なんです。
黄ばんだ本を白くする方法はないが汚れは落とせる
ここまで、黄ばんだ本を白くする
方法はないとお伝えしました。
ただし。
本の汚れはある程度取ることが出来ます。
たとえば、天、地、小口、の本の
外側部分の汚れはヤスリで削る。
ある程度ならキレイになります。
この場合は紙自体の黄ばみ、
ではなく汚れだから取れる。
中の方の黄ばみは無理ですけど。
それから、コーヒーや紅茶などの
シミはシミ抜きで取ることが出来ます。
程度によりますけど。
やり方はこのブログにも書きましたが
念の為もう一度記載しておきます。
==ここから==
1.こぼしたコーヒーを
ティッシュなどで拭き取る。
2.シミに漂白剤を染み込ませる前に
裏側に適当なあて紙を挟んでおく。
3.キッチン用漂白剤を綿棒などを使い
シミの部分に染み込ませる。
4.シミが抜けたら綿棒などを使い
水で漂白剤を落とす。
キッチン用の漂白剤は
ハイターなどが使われるでしょうが
臭いがきついですから
気になる人はマスクするとか、
ハイターが手につくのも良くないので
手袋をするとかの対応はお願いします。
==ここまで==
という感じですね。
コーヒーや紅茶のようなシミなら
漂白剤で汚れは落ちるということ。
しかし、経年劣化した紙の黄ばみは
ちょっと無理かなと思います。
それから、これをやるときは白紙部分で
試してからやったほうが良いです。
下手をすると文字が消えるので。
シミ抜きのはずが文字まで消したら
洒落になりませんからね。
紙の劣化について
ここからは余談です。
今回は黄ばんだ本を白くする
ということでお話しました。
現実には劣化して黄ばんだ紙の
修復はかなり難しいです。
しかし。
最近、と言っても20年くらい前からですが
ほとんどの紙が中性紙になりました。
日本製紙の発表では新聞紙が
2006年ですべて中性紙化とか。
管理人の感覚では最も中性紙化
しにくい紙が新聞紙とライナー。
ライナーは管理人が担当していたときに
中性紙化できる目処は立ってましたし、
新聞紙も取り組みはやってましたから
もう酸性で製造する紙はないのかなと。
マンガの紙の更紙、週刊誌の中質紙
そのあたりが残っているくらいでしょうか。
これらもやる気があれば中性紙に
出来るんですがコストの問題ですね。
もしも、新聞紙みたいに中性紙に
した方がコストメリットがあるならやる。
マシンによっては従来どおりのほうが
コストメリットがあるからやらない。
そう言う問題になると思います。
それと、マンガや週刊誌に保存の
必要性があるのかどうか。
そんなこと誰も求めませんよね?
漫画家さんは保存するかも知れませんが。
だから、従来の技術を捨ててまで
やるべきかどうかということです。
しかしそれ以外の、
特に白い紙は中性紙です。
コピー用紙とか上質紙、コート紙
書籍用紙なんかもそうですね。
社会的には保存が必要だからとか
経時劣化してはいけないとかですが、
製紙会社側の理屈から言うと
コストメリットがあるからです。
特にコート紙はメリットが大きい。
元製紙会社社員の本音はコスト優先。
環境問題だってコストメリットが
あるからやっているだけの話です。
世間体がよくて実質的にもメリットがある。
結局、そういうことでしか前には進まない。
管理人が見た製紙業界はそう言うところ。
あくまでも個人的意見ですが。
管理人のまとめ
今回は、黄ばんだ本を白くする
方法はあるのかというお話でした。
結論から言うと経時劣化して
黄変化した紙は白くなりません。
ただし、汚れはある程度取れます。
たとえば、本の天、地、小口だけなら
ヤスリで削れば結構きれいになる。
コーヒーや紅茶でシミができても
漂白剤で漂白すればいい。
そう言うことです。
あと、経年劣化についてもお話しました。
紙の経年劣化は中性紙化で改善されますが
実施する理由はコストメリットであることも。
これは企業が営利目的で運用される
組織ですから当然ではあるんですが。
かっこいいこと言ってるときほど注意が
必要なのはどこも同じなんでしょう。
この記事が、黄ばんだ本を白くする
方法の参考になればと思います。
古い本は大切に保管してくださいね!