ラミネートのゴミは可燃ごみ?再生紙にはなりにくいのです!

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ラミネート ゴミ

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、ラミネートのゴミは
可燃ごみか、資源ごみかというお話。

管理人は元製紙会社社員ですから、
こういう質問には燃やしてくれ、といいます。

どう考えてもラミネートの
樹脂部分は紙にならない。

原料として使えない部分が
増えるのは困るわけです。

だから燃やしてくれと。

ゴミとして処理するための費用を
もらえると言うならともかく、

古紙は製紙会社が購入ですから
粗悪な原料は欲しくないわけで。

しかしながら。

ゴミの問題は自治体の問題。

管理人としては燃やしてほしいんですが、
実際にどうするかは各自治体が決めること。

ということで、

この記事では、ラミネートのゴミは
可燃ごみか、資源ごみかについて

管理人なりに調べたことを
お伝えしようと思います。

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ラミネートのゴミは可燃ごみにして欲しい

管理人としてはラミネート紙は
可燃ごみにしてほしいんです。

しかしこれは自治体が決めること。

ゴミの分別はそれに従うべきですね。

可燃ごみにしてほしい理由は
先ほどお話したとおり。

パルプ分はともかく、樹脂の部分は
紙の原料にはなりませんから。

ただ、細かいことを言うと、ラミネート紙を
原料として使用できる会社もあります。

実はラミネート紙を十分にアルカリ水などで
ふやかせば紙と樹脂は分離します。

そこでパルプ分だけ取り出して、
樹脂分を取り除けばいいわけです。

ただこれ、原理的には分かりますが、
実際にはそれなりの設備が必要。

ラミネートを受け入れないなら特別な
設備は不要なので普通はやりません。

だいたい、古紙としてのラミネート紙は
はじめから樹脂部分が使えないわけで、

重量で取引する側としては
余分なお金を払うことになる。

それがたとえ重量で数%であったとしても
それだけ分原料歩留りは落ちるわけです。

価格に厳しいところでは嫌がりますよね。

リサイクルとは言いますが、
使えない原料は使えない。

正直言うとラミネート紙を紙に戻すのは
あまり賢いやり方ではないと思っています。

ではどうするか?

それで、苦肉の策で言い始めたのが
サーマルリサイクルですね。

自社でボイラーを持っている会社は
そういう原料を燃やしてエネルギにする。

大手製紙会社は自社で火力発電しますから
その原料にするというわけです。

全体の規模からすると微々たる
ものですがリサイクルには違いない。

無理して原料として使うより
燃やして電気にしようということです。

管理人もこのほうがいいと思いますね。

品質的なことを考えても、無理な
古紙の利用はコストが上がるだけ。

かえって消費者のためにならない。

それにラミネート紙の数量なんて
一般の紙と比較するとごくわずか。

無理やり使おうとしないほうがいい。

管理人はそういう感じですね。

ラミネート紙がリサイクルしにくい理由について

ここからは余談です。

ラミネート紙はリサイクルには向きませんが、
その理由はなんなのでしょうか?

それは簡単に言うと水を通さないから。

ラミネートの素材通常ポリエチレン。

これは耐水性が非常に高いです。

なかなか水を通さないんですね。

水を通さないと言うより水をはじきます。

これが片面ならまだいいんですが、
両面となると相当水は通らない。

そして、紙は水にパルプを分散させて
それを脱水してシートにするもの。

水に離解してくれないと使えないわけです。

ついでにいうと、ポリエチレンは
耐薬品性も高いです。

だから、有機溶剤にもなかなか溶けません。

有機溶剤に対しては、60℃以下の環境下では
ほとんどの種類に対して不溶で安定している。

80℃以上の芳香族炭化水素及び
塩素化炭化水素などには溶解する。

ということです。

溶解させようと思ったら、80℃以上の
ベンゼンとかトルエンとか

四塩化炭素とかクロロホルムとか
そういう薬品が必要ということです。

これはかなりハードルが高いんですね。

耐水性、耐薬品性が高いというのは
素材としては非常に良い点なんです。

紙の表面に貼って雨から守るとか、
湿度からのバリア層になるとか。

剥離紙だと紙の上に直接剥離剤を
塗工すると染み込んでしまうので

ラミネートしてから剥離剤を塗る
という役目に使われるとか。

しかしながらリサイクルという点からは
扱いにくいということになります。

こういうのって結構表裏なんですよね。

最大の長所が最大の欠点になる。

だからリサイクルしにくい。

結局、サーマルリサイクルと称して
燃やすほうがマシというわけです。

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管理人のまとめ

今回のお話は、ラミネートのゴミは
可燃ごみか、資源ごみかについてでした。

管理人としては可燃ごみで処理して欲しい。

どうやってもラミネートの樹脂部分は
紙の原料にはなりませんので。

しかしながら、ゴミの分別は自治体が決める。

これについては各自治体の指示に
従うということになります。

ポリエチレンラミネートは耐水性、
耐薬品性が非常に優秀なんですが

それだけに水で離解する紙の
リサイクルには向いていないんです。

管理人としては、せめて燃やして
サーマルリサイクルして欲しいと思います。

この記事がラミネートのゴミの
分別の参考になればと思います。

でもゴミの分別は自治体の
指示に従って下さいね!

紙ゴミ
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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