古紙や木質バイオマスを原料とした持続可能な航空燃料(SAF)

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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、古紙や木質バイオマスを
原料とした持続可能な航空燃料(SAF)
というお話。

近年、地球温暖化対策として世界中で
脱炭素化が進められています。

その中でも航空業界は、
電気自動車のように簡単に
燃料を切り替えることが難しく、

二酸化炭素(CO₂)の排出削減が
大きな課題となっています。

そこで注目されているのが、

持続可能な航空燃料
「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」

です。

SAFは使用済み食用油や植物だけでなく、
古紙や木質バイオマスなど、

これまで十分に活用されてこなかった
資源からも製造できる可能性があり、

新たな技術開発が
世界各国で進められています。

特に日本は森林資源が豊富で、
紙のリサイクル技術も
世界トップクラスです。

そのため、

古紙や木質バイオマスを原料としたSAFは、
日本ならではの資源循環型エネルギー

として期待されています。

ここでは、SAFとはどのような燃料なのか、
古紙や木質バイオマスがなぜ
航空燃料になるのか、

製造方法やメリット・課題、
今後の展望まで詳しく解説します。

ということで。

この記事では、古紙や木質バイオマスを
原料とした持続可能な航空燃料(SAF)
について

管理人が調べたことを
お伝えしたいと思います。

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SAF(持続可能な航空燃料)とは何か

SAFとは

「Sustainable Aviation Fuel」

の略で、

日本語では「持続可能な航空燃料」
と呼ばれています。

従来のジェット燃料と同じように
航空機で使用できますが、

原料が化石燃料ではなく
再生可能資源であることが最大の特徴です。

現在利用されている航空機は、
長距離を飛行するため非常に
高いエネルギー密度が必要です。

そのため、自動車のようにバッテリーだけで
飛行することは現時点では現実的では
ありません。

そこで、既存の航空機や給油設備をそのまま
利用できる「ドロップイン燃料」として
SAFが世界中で注目されています。

SAFは従来のジェット燃料と
混合して使用でき、

安全性や性能についても
国際規格によって厳しく管理されています。

ライフサイクル全体で見ると、
原料の生産から製造、輸送、燃焼までを

含めたCO₂排出量を大幅に削減できるため、
航空業界の脱炭素化を進める
重要な技術の一つとなっています。

古紙や木質バイオマスが注目される理由

SAFの原料にはさまざまなものがありますが
その中でも近年期待されているのが
「古紙」と「木質バイオマス」です。

古紙は新聞紙や段ボール、
雑誌、コピー用紙など、
一度利用された紙資源を指します。

日本ではリサイクル率が
高いことで知られていますが、

品質が低下して再利用できなくなる
紙も少なくありません。

こうした再生利用が難しい古紙を
燃料原料として活用できれば、

廃棄物を減らしながら
新しいエネルギーを生み出せます。

一方の木質バイオマスには、
間伐材や製材工場で発生する端材、
林地残材、剪定枝などが含まれます。

これらは森林整備の過程で
発生する資源ですが、

これまでは利用されず
放置されるケースもありました。

木質バイオマスを有効利用することで、
森林管理の促進や山林保全にもつながります。

また、日本は国土の約3分の2が森林であり、
豊富な木材資源を持っています。

そのため、海外から大量の原料を
輸入しなくても国内で循環型エネルギーを
構築できる可能性があります。

古紙や木材が航空燃料になる仕組み

「紙や木が本当に飛行機の燃料になるの?」
と疑問に思う方も多いでしょう。

実は紙も木材も、主成分は
セルロースという植物由来の成分です。

セルロースは炭素・水素・酸素から
構成されており、適切な化学処理を
行うことで液体燃料へ変換できます。

まず古紙や木材は細かく粉砕され、
不純物を取り除きます。

その後、高温高圧でガス化し、
一酸化炭素と水素を主成分とする
「合成ガス」を作ります。

この合成ガスを触媒反応によって
液体炭化水素へ変換する技術が
「フィッシャー・トロプシュ法(FT法)」
です。

FT法で生成された液体燃料は、
さらに精製されることで

航空機用ジェット燃料として
利用できる品質になります。

また近年では、セルロースを糖に分解し、
微生物の発酵を利用してアルコールを生成し、

それを航空燃料へ転換する新しい
製造方法も研究されています。

こうした技術の進歩により、
古紙や木質バイオマスから

高品質なSAFを製造する
可能性が年々高まっています。

古紙・木質バイオマス由来SAFのメリット

古紙や木質バイオマスを
原料としたSAFには、

環境面だけでなく、
資源循環や地域経済への貢献など、
多くのメリットがあります。

廃棄物を有効活用できる

古紙は紙製品として何度も
リサイクルできますが、

繊維は再利用を繰り返すたびに短くなり、
最終的には紙として再生できなくなります。

これまでは焼却処分されることも
多かった低品質の古紙ですが、

SAFの原料として利用できれば、
最後まで資源を有効活用できます。

木質バイオマスについても、
製材工場から出る端材や林地残材、

間伐材など、これまで十分に
活用されていなかった資源をエネルギーへ
転換できる点が大きな魅力です。

ライフサイクル全体でCO₂排出量を削減できる

SAFは燃焼時にCO₂を排出しますが、
その炭素は植物が成長過程で
大気中から吸収したものです。

そのため、化石燃料のように
地中に眠っていた炭素を新たに
大気中へ放出するわけではなく、

ライフサイクル全体で見ると
CO₂排出量を大幅に削減できます。

原料や製造方法によって
削減率は異なりますが、

一般的には従来のジェット燃料と比較して
50~80%程度、条件によってはそれ以上の
CO₂削減効果が期待されています。

森林整備の促進につながる

日本では森林所有者の高齢化や
木材価格の低迷などにより、

間伐が十分に行われていない
森林もあります。

木質バイオマスの需要が増えることで、
間伐材や林地残材にも経済的価値が生まれ、
森林整備を進めやすくなる可能性があります。

適切な森林管理は、
土砂災害の防止や水源涵養、

生物多様性の保全など、
多くの公益的機能の維持にもつながります。

エネルギー安全保障の向上

日本は石油資源の多くを
海外から輸入しています。

そのため、国際情勢や原油価格の
変動によって燃料価格が大きく
左右されるという課題があります。

国内で発生する古紙や木質バイオマスから
SAFを製造できれば、輸入燃料への

依存度を少しずつ減らし、エネルギーの
安定供給につながることが期待されています。

実用化へ向けた課題とは

期待が大きい一方で、
古紙や木質バイオマス由来のSAFには
解決すべき課題も数多く残されています。

製造コストが高い

現在最も大きな課題は製造コストです。

古紙や木材からSAFを製造するには、
ガス化設備や触媒反応装置など
大規模なプラントが必要となります。

さらに、高温・高圧での処理や精製工程にも
多くのエネルギーを使用するため、

現時点では従来のジェット燃料よりも
製造コストが高くなる傾向があります。

そのため、設備の大型化や製造効率の向上、
触媒技術の改良などが進められています。

原料を安定的に確保する必要がある

古紙や木質バイオマスは
再生可能資源ですが、

品質や発生量は地域や
季節によって異なります。

特に古紙は紙としての
リサイクル需要もあるため、

燃料用途とのバランスを
考える必要があります。

また木質バイオマスも、建築資材や紙製品、
木質ペレットなどさまざまな用途で
利用されているため、

資源を適切に配分する
仕組みづくりが重要になります。

大規模な生産体制が必要

航空業界が使用する燃料は膨大です。

世界中の航空会社が必要とする
燃料を賄うには、大規模かつ安定した
SAF生産体制を構築しなければなりません。

そのためには製造設備だけでなく、
原料の収集、輸送、保管、品質管理まで

含めたサプライチェーン全体を
整備することが欠かせません。

国際認証への対応

航空燃料は安全性が最優先されるため、
SAFも厳しい国際規格や品質基準を
満たす必要があります。

さらに、持続可能な原料であることを
証明する認証制度への対応も求められます。

こうした認証を取得するためには、
生産履歴や原料調達の透明性を
確保することが重要になります。

日本国内で進む研究開発と今後の展望

日本では2050年カーボンニュートラルの
実現に向けて、SAFの普及を重要な政策の
一つとして位置付けています。

大学や研究機関、製紙会社、石油会社、
航空会社などが連携し、さまざまな原料を

活用したSAF製造技術の研究が
進められています。

その中でも古紙や木質バイオマスは、
日本国内で比較的安定して確保できる
資源として期待されています。

製紙工場では大量の木質原料を扱うため、
その設備や技術を活用できる可能性が
あります。

また、紙の製造工程で発生する
副産物や廃材もエネルギー資源として
利用できる可能性があり、

資源循環型社会の実現に向けた
取り組みとして注目されています。

地方自治体でも森林資源を活用した
地域循環型エネルギーの取り組みが
進められており、

将来的には地域で発生した木質資源を
地域内でエネルギー化するモデルの構築も
期待されています。

さらに、製造技術の進歩によって
生産効率が向上すれば、

SAFの価格も徐々に低下し、
航空会社にとって導入しやすい
燃料となる可能性があります。

国際的にもSAFの需要は今後大きく
拡大すると予測されており、

日本が古紙や木質バイオマスを
活用した技術開発で存在感を

高めることができれば、
新たな環境産業としての成長も
期待されています。

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管理人のまとめ

今回は、古紙や木質バイオマスを
原料とした持続可能な航空燃料(SAF)
というお話でした。

古紙や木質バイオマスを原料とした
持続可能な航空燃料(SAF)は、

航空業界の脱炭素化を進めるうえで
大きな可能性を秘めた次世代エネルギーです。

これまで十分に活用されてこなかった
低品質の古紙や、間伐材・林地残材といった

木質資源を燃料へと転換することで、
廃棄物の削減と資源の有効活用を

同時に実現できる点は
大きな魅力といえます。

また、ライフサイクル全体での
CO₂排出量を大幅に削減できることから、

地球温暖化対策としても
高い効果が期待されています。

日本は世界的に見ても紙の回収・
リサイクルシステムが整っており、

さらに国土の約3分の2を森林が占めるなど、
古紙や木質バイオマスを安定的に
確保しやすい環境があります。

こうした特徴を生かせば、
海外資源への依存を抑えながら

国内資源を循環させる新しいエネルギー
供給モデルの構築も十分に期待できます。

一方で、SAFの本格的な普及には
製造コストの高さや生産設備への

大規模な投資、原料の安定調達、
サプライチェーンの整備など、
多くの課題が残されています。

さらに、航空燃料として使用するためには
厳しい品質基準や国際認証を満たす必要があり

技術開発だけでなく制度面や
物流面の整備も重要になります。

それでも、世界各国で航空業界の脱炭素化に
向けた取り組みは急速に進んでおり、

SAFの需要は今後さらに
拡大すると予測されています。

製造技術の進歩によってコストが低下し、
生産量が増えれば、古紙や木質バイオマス
由来のSAFはより身近な存在となるでしょう。

また、製紙産業や林業、エネルギー産業、
航空業界が連携することで、

新たな産業や雇用の創出にも
つながる可能性があります。

森林資源の有効活用による地域活性化や、
紙資源のさらなる循環利用など、

環境だけでなく経済や地域社会にも
幅広い波及効果が期待されています。

古紙や木質バイオマスは、これまで
「リサイクル資源」や「廃棄物」として
捉えられることが多い存在でした。

しかし、最新の技術によって航空機を飛ばす
燃料へと生まれ変わる可能性を持つ資源として、
新たな価値が見いだされています。

持続可能な社会の実現に向けて、
資源をできる限り無駄なく活用する
考え方はますます重要になっています。

古紙や木質バイオマス由来のSAFは、
その象徴ともいえる取り組みの一つであり、

今後の技術革新や社会実装の進展によって、
航空業界だけでなく循環型社会全体を

支える重要な役割を果たしていくことが
期待されています。

古紙や木質バイオマスを原料とした
持続可能な航空燃料(SAF)過剰包装、
上手く行ってほしいですね!

(参考)
こんな記事も読まれています。

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紙と物流
プロフィール
べぎやす

元製紙会社社員。
技術者として入社し16年間勤務する。
開発技術部門、営業管理部門、現場管理部門など様々な部署を転々としたあと独立。
紙に関するコンサルタントとして今に至る。

詳しい運営者情報はこちらからご確認いただけます。
>>https://kamiconsal.jp/profile/

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