再生紙は本当にエコなのか?紙の種類によって状況が違います

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リサイクル適性マーク

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、再生紙は本当にエコなのか?
紙の種類によって状況が違います、
というお話。

管理人、リサイクルについては
ちょっと思うところがあります。

製紙会社にいたときにはとにかく
エコだと言って古紙を入れてました。

本来、配合してはいけない品種にまで
古紙を入れてエコ品だなんてやって。

技術者としては仕方ないけど
バカバカしいと思ってましたね~

それでも紙の場合はまだいい方です。

元々リサイクルが前提の品種、
ダンボールとか新聞紙があるので。

しかし、プラスチック関係なんて
本当に抵抗あるんじゃないかなと。

だいたい、金をかけて再利用って
エコなのか?と思いますから。

まあ、そのあたり色々思うところあります。

ということで。

この記事では、再生紙は本当に
エコなのかということについて

管理人の調べたことを
お伝えしたいとおもいます。

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再生紙は本当にエコなのか?エコな場合もあります

再生紙は本当にエコなのかと聞かれたら
それは品種によって違いますと答えます。

先程もお話しましたが古紙パルプを
使うことが前提の紙があります。

これらはエコだとかリサイクルには
非常に貢献していますよね。

外部に対しても分かりやすい。

品種としては、ダンボール、新聞紙、
漫画雑誌に使われる更紙など。

週刊誌の本文用紙に使われる
中質紙とか微塗工紙など。

ある程度白色度の低い紙は
古紙入品になっています。

全部古紙というのはかなり少ない。

ダンボール、新聞紙くらいでしょうか。

その他の製品はクラフトパルプや
機械パルプと配合しています。

逆に本来は古紙を入れることが
出来ない紙の品種もあります。

たとえば上質紙や上質コート紙。

こういう白い紙は基本的に化学パルプ。

晒クラフトパルプと呼ばれる
白いパルプを使っています。

それから、茶色い紙でも
クラフト紙は古紙を入れない。

特に重袋のように強度が必要なもの。

米袋とかセメント袋とかそういうやつ。

いくらリサイクルだと言われても
紙が破れたら製品にならない。

古紙は強度が低いですから本当に
強度が必要な紙には使えない。

そういう問題はあるんですね~

しかし。

世の中がエコだリサイクルだと騒いだ
おかげで無理して使うこともある。

ある意味これは商売なんですよね。

あの頃は古紙を入れたといえば
少し高値で紙が売れましたから。

しかし現実的には白い紙に
古紙を入れたら価格が上がる。

どういう状況になるかと言うと
晒クラフトパルプ並みに古紙の

白色度を上げて上質紙に配合
なんてことをやるわけですよ。

そうなると古紙パルプに対して
ものすごい漂白薬品を使うんです。

これってエコですか?

回収してきた古紙パルプを漂白するのに
アホみたいに薬品使って無理して配合。

この薬品、だいたい過酸化水素でしたけど
やっぱりコストが掛かるんですよね~

頑張ってコストを掛けて白くして見たら
結局晒クラフトパルプと値段が変わらない。

そんな事になってました。

それで品質がいいのかと言うと
当然古紙の方が品質が悪い。

しかも原料が安定しない。

リサイクルだと言ってそんなこと
やっても誰も得をしないわけです。

薬品メーカーは薬品が売れて
喜ぶのかも知れませんが。

従来のように古紙を使っている
品種については問題ないんです。

古紙を使うことが前提ですから。

エコだと言ってもらえるなら
大喜びなんですよね。

何しろそれまでは古紙入り品は
安物だというイメージでしたから。

だいたいですね、白い紙のことを
上質紙というわけじゃないですか。

上等な紙、ってことですよ。

バージンパルプ100%だから上等だと。

古紙なんて入ってませんよ、
そんな安物じゃないですよ。

そう言ってるわけです。

ティッシュやトイレットペーパーだって
バージンパルプ100%がウリでしょ?

管理人が子供の頃は
そんな洒落たものはなくて

チリ紙、だったんですけどそれは
古紙入り品だったんですよね。

今ならエコとか言うんでしょうけど
一回使えば捨てる紙なんですから

安物の中でも安物の紙
という認識だったんです。

そっちのほうが合理的でしょうかね~

紙質としてはゴワゴワでお世辞にも
いい紙とは言えませんでしたけど。

今の肌に優しいなんてイメージはない。

そういう時代だったから問題なかったですが。

それはそうとして。

古紙を使うことはいいことだ
というのは分からなくはない。

しかし、使い方というのはあるわけで
そんなに無理して使うものでもない。

経済的に成立する分野で使えば
それで十分じゃないかと思います。

管理人的にはそんなに無理やり漂白して
本来使うべきでないところにまで使って

ゴミを減らすとか森を守るとかいうなら
経済的に問題ないところに使って

無理やり使う分を植林でもしたほうが
本当のエコになるんじゃないかなと。

これは本当に思いますね~

再生紙は本当にエコなのか?無理して使わなければエコ

再生紙では社会的事件がありました。

古紙配合率の偽装。

今はやってないと思いますが。

でもこれって、そもそも無理やり
リサイクルを推進したから。

技術的にできもしないことを無理やり
やれと強要されたからだと思います。

ユーザー側もエコだとイメージがいいから
入っていなくても入っていると言ってくれと。

どっちもどっちです。

元製紙会社社員の立場で言うと
古紙配合率なんて分かりません。

それが分かるのは製造現場のみ。

製品から古紙配合率を知ることは不可能。

分析技術が進めば推定できるかも
知れませんけどかなり難しいです。

理由は簡単で、バージンパルプも
古紙パルプも成分が同じだから。

結局、分析しても区別はつかないんです。

一応は、古紙配合品はコート紙由来の
蛍光染料があるので紫外線を当てれば

光るからその割合で判別
できるというお話はあります。

それから新聞由来なら機械パルプが
配合されているから染色すれば分かる。

そういう話もあります。

一般的にはそれである程度の目処はつく。

しかし。

どうしても古紙入品に
見せたいならやり方がある。

たとえば機械パルプと蛍光染料を
わざと紙に配合すればいいわけです。

そこまでして古紙入り品に見せる
メリットがあるかどうかは不明です。

ただ、分析ができても
抜け道はあるということ。

この部分は結局は各起業のモラル。

どこまで正直にやるかになります。

以前偽装がバレたのも内部告発。

外部からは簡単には分からないんです。

そして、この古紙配合率を気にしているのは
法律に縛られている官公庁と一部の環境団体。

ほとんどの人は気にしていません。

印刷会社の現場はエコよりも
品質が優先してました。

技術的、経済的に配合可能な範囲でなら
エコなんですがそれを超えると害になる。

管理人は下手な使い方をするよりも
サーマルリサイクルがいいと思いますね。

管理人のまとめ

今回は再生紙は本当に
エコなのかというお話でした。

管理人の考えでは品種によるということ。

元々古紙配合を前提としている
ダンボールや新聞紙は問題ない。

しかし、白い上質紙やコート紙に
無理して配合するのは良くない。

古紙パルプを白くするために漂白する
その薬品コストがエコにならない。

ということでした。

実際問題もう日本の紙は80%以上
リサイクルされているんだそうです。

なのでこれ以上は限界なんですよね。

それからもうひとつ。

紙の使用量を減らせば森林が
減るというのはちょっと違う。

それは製紙会社は森林を
伐採した分植林するから。

まあそれは環境に配慮というよりは
原料確保のために必要だから。

それに。

管理人的には森林は人間が手入れを
した方が環境的にもいいと思いますね。

この記事が、再生紙は本当にエコなのか
を考えるときの参考になればと思います。

環境問題、考えてみて下さいね!

(参考)
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