チラシの紙はなぜツルツル?理由は印刷上がりを良くするため

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チラシの紙 ツルツル

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回はチラシの紙は
なぜツルツル?というお話。

管理人は新聞の折込チラシを
毎朝見るのがひそかな楽しみ。

主婦の方と同じです。

どこが安いのかとか
クーポン入ってるかとか

そういうのは当然として
どんな紙かというのも見てます。

スーパーは薄くてテカテカの紙、
不動産は少し厚くてマットな紙。

街の商店街のチラシだと
上質紙だったり。

冬の時期になると学習塾で
少し厚めのコート紙が多いとか。

ディスカウントを売りにしている店は
キザラ(黄色い更紙)だったり。

それぞれの業種でそのイメージに
合った紙を選んでいるようです。

とはいえ使われている紙は
圧倒的に薄物のコート紙が多い。

紙の種類としてはA3コート紙と
呼ばれるものになります。

チラシを入れるお店がスーパーや
家電量販店だからなんでしょうが

それにしてもツルツルでテカテカの
A3コート紙が多くなっています。

製造する側からするとA3コート紙は
安く作れるというのもあるんですが

広告主からすると商品が安いという
イメージにマッチしているんでしょう。

ではなぜチラシの紙は
こんなにツルツルなのか?

この記事ではチラシの紙が
ツルツルである理由を

管理人の体験も交えて
お伝えしたいと思います。

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チラシの紙がツルツルな理由は印刷仕上がりを良くするため

チラシの紙がツルツルな
理由なんですが。

一番は印刷上がりですね。

紙に塗工して表面を平滑にすれば
表面が緻密になります。

そうすると印刷インキが紙の表面に
残って沈まずインキの乗りが良くなる。

印刷した商品がガサつかずに
滑らかで光沢感が出るわけです。

塗工していない上質紙では
なかなかそういう印刷になりません。

特に4色のカラー印刷の場合は
繊細な表現が必要になりますから

表面がツルツルな方が
有利になるんですね。

ベタな文字やラフなイラストで
1色とか2色の印刷なら

上質紙でもいいんですが
網点が細かいカラー印刷となると

どうしてもコート紙の方がいい
ということになるわけです。

チラシにコート紙が使えるようになった理由

ここからは元製紙会社社員として
お話をさせて下さい。

実は昔はコート紙は高級な特殊紙で
チラシに使える価格ではありませんでした。

それは昭和の終わり頃の話です。

しかし平成のちょっと前くらいから
大型マシンが増設されました。

その結果コート紙は大量に生産され
値崩れを起こしました。

このあたり紙パルプ産業などの
装置産業ののつらいところで

大型増設をすると必ず需給ギャップで
供給過多になるんですね。

それをライバル会社が相手を見ながら
一斉にやるので何年か調子が良くても

一気に不況に落ち込んでいくという
サイクルを繰り返していたんです。

しかしユーザーはそのおかげで
A3コート紙が使いやすくなりました。

価格が上質紙に近づいたということです。

需要が増えれば供給も増やす。

塗工機が増設され上質紙を
製造していたマシンが

コート原紙を製造するようになり
上質紙は減ってコート紙が増えました。

しかも新設されたマシンは
遊ばせるわけにはいきませんから

設備費を回収するために
採算を度外視して製造してました。

原料費さえ回収できれば
製造するという感じでしたね。

限界利益と言ってましたが
販売価格が変動費以上ならやるんだと。

だから相当売値が安くても
製造してました。

マシンが止まるほうがまずいですから。

とはいえそんなことを1社でもやったら
全体的に値崩れするのに

バブル景気の頃は業界全体でイケイケで
とにかく量を売るという感じでしたね。

利益はないけど売上は伸びる。

とても危険なパターンだったと思います。

日本全体がそんな感じだったから
その後の反動もひどかったわけですが。

ただ、その後数年経った時には
塗料費はずいぶん安くなってました。

パルプ費といい勝負になってましたから
最新鋭マシンで大量に製造したコート紙と

古いマシンでのんびり製造していた
上質紙のコスト差は少なくなっていました。

現段階では需給バランスを考えると
その差はもっと縮まっていると思います。

どちらも市況商品ですから場合によっては
逆転してるかもしれません。

いずれにしても。

A3コート紙がここまで安くなったのは
設備増設による値崩れが原因かなと。

他にも理由はあるのでしょうが
これが元製紙会社社員の見解です。

管理人のまとめ

今回はチラシの紙がツルツルな理由
についてお話しました。

品質的には紙の表面が平滑で
緻密な方が印刷上がりがいい。

そして塗工紙の方が上質紙より
表面が平滑で緻密になります。

特に4色カラー印刷なら
ツルツルのコート紙を使いたい。

ということで、今やチラシの紙は
ほとんどA3コート紙と呼ばれる紙。

しかし品質だけでこんなに増えるはずはなく
設備増強による値崩れが大きかった。

製紙会社の事情で設備稼働のために
とにかく安く販売したというわけです。

管理人はチラシの紙がツルツルになった
本当の理由は安値合戦だと思っています。

今は業界も整備されているので
こんなことは出来ないと思いますが。

この記事を読んでチラシの紙が
コート紙ばかりになったのは

こんな理由があったのかと
思ってもらえればうれしいです。

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有効活用して下さいね!

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