コート紙のkg連量とは?商取引に使う便利な数値を解説!

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コート紙 kg連量

 

新入社員の頃、コート紙を購入する時はたとえば「OKコート 55kg 3連」とかという感じで発注してました。

その頃はコート紙の銘柄は分かるんですけど「55kg」とか「3連」の意味が分からなかったです。

しばらくしてこれが「kg連量」というものだと教えてもらいましたが、発注は機械的にやってましたから「kg連量」が何のことなのかあまり理解できなかったという体験があります。

当時はネットもありませんでしたからよく分かっている人に聞くしかなかったんですけど、紙の連量なんて当たり前のことすぎてわざわざ教えてくれる人もいませんでした。

今ならkg連量の意味は分かりますし調べることも簡単なのに。

カタログとかパンフレットやチラシを作成するために紙を購入する担当者なんかも連量の内容なんてよく分からずに発注されているんじゃないでしょうか、当時の自分のように。

だからこの記事では新入社員だった自分に教えるつもりで連量の意味を説明したいと思います。

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コート紙のkg連量とは

まずは連量の定義です。

連量とは一定寸法に仕上げられた紙1,000枚(板紙の場合は100枚)の重量のこと、

連量というのはコート紙に限らず紙全般で使用される数値で、商取引のときによく使われるんですが1000枚単位なんですね。

ちなみに板紙の場合は紙が重いので100枚単位になります。

紙の場合1枚とか10枚とかそういう少量での取引は個人向けの特殊な場合と考えていいでしょう。

印刷工場なんかだと数百枚でも少なくて、数万枚とか10万枚とかそれ以上の取引が普通です。

だから1000枚単位の連量という数字を使うんですね。

これがわかるとコート紙55kgというのが、1000枚で55kgになるコート紙のことだと分かるというわけです。

しかし、これだけでは連量についての理解は十分ではありません。

さらに連量を理解するために「坪量(米坪)」と「紙の寸法」について説明したいと思います。

坪量と紙の寸法について

坪量(米坪とも言います)とは紙1㎡あたりの重さのこと。単位はg/㎡。

米坪64g/㎡と表記されていたら紙1㎡が64gです。

これは紙の基本中の基本です。

次に紙の寸法についてです。

紙の寸法は色々あります。例えばコピー用紙なんかだったらA4とかB4なんかがよく使われますよね。

印刷用紙の場合代表的な寸法は「四六判」と呼ばれる寸法です。

四六判の寸法は788mm☓1091mmです。

これで連量の計算ができるようになりました。

実際に例をあげて計算してみます。(1mm=0.001m、1g=0.001kgとに換算して計算)

例えば四六判のコート紙64g/㎡の連量は何kgか?ということであれば、

連量(kg)=米坪64g/㎡☓四六判(0.788m☓1.091m)☓1000枚=55021.31g=55kg

となります。

ここで連量を扱う時の注意点があります。それは同じ米坪でもサイズが変わるとkg連量は変わるということです。

もしもこれが米坪64g/㎡の四六判ではなくて米坪64g/㎡の印刷用紙のA列本判だったらどうなるか?

印刷用紙の場合、A列本判の寸法は625mm☓880mmなので同じように連量を計算すると、

連量(kg)=米坪64g/㎡☓A列本判(0.625m☓0.880m)☓1000枚=35200g=35.2kg

となります。

ただしkg連量の小数点以下は小数点第一位を二捨三入・七捨八入し、整数または0.5kg単位とするという独特のルールがあります。

なので米坪64g/㎡、A列本判のkg連量は35kgとなります。

このように同じ米坪でも紙の寸法が違うと連量は変わってきます。

通常は四六判がスタンダードなのでコート紙の55といえば四六判で米坪64g/㎡のものなんだろうということになるんですが、まれに紙の寸法が違うため話が合わないということがあるんですね。

特に紙の品質を比較する時は要注意なんです。

紙の連量と米坪と紙厚について

ここからは自分の体験談の話をさせてください。

この連量という数値、紙の取引には必ず必要になる数字です。

紙は通常重量で売買されていますから、一定の寸法1000枚あたりの重さというkg連量がが使いやすいわけです。

しかし製造現場、特に抄紙工程はそうではありません。

抄紙工程は紙を断裁加工する前段階になりますから、サイズとともに数値が変わる連量を品質管理に使うことは出来ないわけです。

だから抄紙段階では紙の大きさとは関係なく数値が決まる米坪(g/㎡)が使われます。

そういうことで技術系の人は「米坪」を基準として話をすることが多いです。

ところが営業サイドの人は普段はkg連量で話をしているので、米坪64g/㎡のコート紙ですよね?という質問をしてもよく分からないという顔をされることがありました。

逆に自分もコート紙の55ですよ、などと言われてもピンとこなかったし、確認のためにそれは四六判ですよね?と質問すると何を今更聞いているのかというような顔をされた記憶があります。

連量と紙厚についても思い違いをしている人がいました。

どういうことかというと、紙厚は紙の厚みですから単位はμm(マイクロメートル)になるんです。

この紙の紙厚は55μmだという感じですね。

ところが、連量と紙厚が同じだと思っている人がいるんですよね。

確かに紙の品種によっては米坪64g/㎡で紙厚55μmの紙があればそれは四六判の連量と同じ「55」という数字なので混同する可能性はあります。

同じ品種で同じ四六判のサイズだったら連量が重くなるほど米坪が重くなりますから紙厚も厚くなるということで関係性はあります。

商取引では連量で話をすることが多いし、ユーザーは決まった銘柄を使うことが多いので連量が紙厚として慣用的に使われていることも分かります。

しかし違う品種の紙厚を比べるときに連量の数値を使っても意味がないんです。

こういうことを分かって比較しているならいいんですがそうでもないんですよね。

ネットなんかを見ていても「連量は紙厚を表す」と記載されている場合があったりして、これは危険だなと思うことがあります。

同じ銘柄の紙同士なら目安にはなりますが、銘柄が違えば全く関連性はありません。

品質管理の面から言うとキチンと紙厚を測定してくださいと言いたい。

μmレベルで測定できる紙厚計がなかったとしても100枚とか200枚とか枚数を多く重ねればものさしで厚みは測れます。

昔はこういう束見本(つかみほん)をよく作って比較したものです。

とくにカタログやパンフレットを作成するときなんかは実物に近いページ数になるようにして束見本を作るのはおすすめですね。

それで比較すれば紙厚についてはよく分かりますから。

しかしそういう手間を惜しんでkg連量なんかで代用しようとすると痛い目にあいます。

これは本当に注意してください。

いずれにしても連量は米坪と寸法で決まる数値だということを理解してほしいと思います。

こういうこと本当に昔の自分に教えてやりたかった。

これからの人にはぜひ理解してほしいと思っています。

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