管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリのお話は
筆記の紙について。
管理人は筆記用の紙と言われたら
手帳とかノートを思い浮かべます。
ノートは誰でも学生の時から
使っていると思います。
管理人にとって学校の授業は
ノートをとることでしたから。
キャンパスノートを大量に
買った記憶がありますね。
手帳も学生から使う人もいますが
管理人は社会人になってからでした。
今はスマホでスケジュール管理
というのも多いでしょうが
当時はそんなものはありませんから
手帳に予定を書いてましたね。
現在のビジネスマンでも
手帳を使う人は多いと思います。
昔から使っていれば馴染みもあるし
電子機器のように壊れることもない。
ビジネスアイテムとしても
いい手帳を持てば格好いいですし。
管理人は元製紙会社社員ですから
通称「紙屋手帳」を使ってましたが
業界ではスタンダードな手帳なので
なんとなく信用があるんですよね。
今ならスマホで管理した方が
便利かも知れませんが
手帳ひとつで業界人としての
信用が得られるならそれも重要。
ビジネスは合理的であるべきですが
信用はもっと大事ですから。
こんな手帳やノートですが
そこに使われている紙は
一般の人が思っている以上に
品質管理が難しい。
何が難しいかというと
人間の感覚に頼るところがあるから。
たとえば、にじみ具合とか書き味
なんかは数値化が難しい。
ということで。
このカテゴリでは筆記の紙での
品質基準が難しいことについて
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
【筆記の紙は品質管理が難しい】
まずは筆記用紙の分類から。
ノートや手帳の紙は上質紙。
それもほとんどが中性紙になります。
色調も白またはクリーム色。
古紙配合品もありますが
バージンパルプ100%が多いと思います。
製造方法は一般の上質紙と
ほとんど同じです。
しかし商業印刷で使われる上質紙とは
品質管理のイメージが少し違います。
<にじみについて>
まず筆記の紙ですから
書けなければいけません。
鉛筆やボールペンで
書けるのは当然としても
万年筆や水性ボールペン
サインペンなどで書いてにじまないか。
インクのにじみ防止は紙にサイズが
効いているかどうかによります。
ここで言うサイズはインクの
にじみ防止のこと。
サイズ剤という薬品を添加したり
表面に塗工したりします。
サイズ度が低ければサイズ剤の
添加量を増やすということです。
管理人が関わっていた紙では
サイズ度の測定方法はいくつかあって
たとえばステキヒトサイズとか
コブサイズというのがありました。
筆記用紙のサイズ度は、
ペンサイズとかペン書きサイズと
呼ばれる方法で
測定されていたと思います。
試験方法は、
(1)製図ペンにインクを入れ、
インクの出具合を確認する。
(2)平らな板の上に試験片を置く。
(3)紙の縦方向または横方向に沿って、
約5mm間隔に定規を用いて罫線を引く。
(4)約5分後にこれらの線に
直角に交差するよう線を引いて、
網目状の模様を描く。
(5)インクのにじみの大きさを測る。
これでにじみが少ないほどいい
ということです。
これはペンで書くので実際に
使用するときに近い方法です。
しかしながら、
この方法それなりに慣れが必要。
まず製図ペンが管理されていないと
一定のインクので具合になりません。
定規で直線を引くのも
慣れていないとキチンと引けません。
インクのにじみの大きさも通常目視。
同じ人が同じ感覚で見ないと
判定にばらつきが出ます。
どんな品質試験にでも
こういう問題はつきまとうのですが
実際に使用される状況に近い方法で
試験をするほど難しいんですね。
一応限度見本というのを作って
このレベルなら1点というように
判定はするんですが
人が変わるとばらつきが出ます。
しかも厄介なことに使用する
ユーザーも個人差がある。
だから実際にはある程度妥協して
品質基準を決めている感じなんですね。
<書き心地について>
筆記用紙ですから書き心地
というのもあります。
管理人はここまでこだわった
紙には関わりませんでしたが
ノートや手帳の場合
その紙の表面性は重要です。
管理項目は平滑度になるんですが
人間の感覚はそれだけじゃない。
ここで言う平滑度は紙の表面の
ツルツル度合いで秒数で表されます。
製造する立場から言うと、
この数値を基準に入れることは簡単。
しかしその数値が手触り感と
一致するかというとそうでもない。
無理やり押しつぶしてツルツルなのと
フワッとして表面がきめ細かい紙。
これは手触り感が違うわけです。
この書き心地とかさわり心地は
数値にしにくいんですね。
また表面性はマシン特性でもあるので
改善方法もそう簡単ではありません。
人間の感覚は複雑なので単純な基準で
決めるのは難しいということです。
【管理人のまとめ】
今回は筆記の紙ということで
お伝えしました。
ノートや手帳の紙は
意外に品質管理基準が難しい。
結局、人間が使ってどう感じるかが
複雑で数値化しにくいので
そういう部分がどうしても
単純にはならないんですね。
とりあえず妥協して
品質基準を決めますから
この基準を守ればOKかというと
それだけでは一級品にはなれない。
管理人は筆記用紙はこだわりのある
職人の紙だと思っています。
この記事を読んで筆記の紙に
関心を持ってもらえたらうれしいです。
手帳やノート、大事にして下さいね!