段ボールに有害物質はあるのか?危険なものは検出されません

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段ボール 有害物質

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、段ボールに有害物質はあるのか?
危険なものは検出されませんというお話。

管理人は元製紙会社社員。

段ボールに使われるライナーの
製造に関わったこともあります。

色んな紙の種類がある中では
あまりキレイな方ではありません。

それでも表層のライナーはマシな方で
中芯はもっと汚いようですが。

ただ、こういう作業環境というのは
工場レベルの問題だったりしますが。

とはいえ、上質紙を製造しているマシンと
ライナー製造マシンでは原料が違う。

上質紙はバージンパルプだし白いし。

ライナーは漂白しない古紙パルプでグレー。

排水だって上質紙は白いですが
ライナーは泡だらけで、ねずみ色。

見た目のキレイ、汚いでいったら
ライナーがどうしても汚いです。

元々安く作る紙ですからね。

じゃあ有害物質はどうなのか?

現実には食品用に段ボールは使われていて
それで問題が起こったことはありません。

そう言う実績からすると問題ない。

ですが製造現場でどうなっているのか?

ということで。

この記事では、段ボールに
有害物質はあるのか、について

管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。

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段ボールで有害物質は検出されない

結論から言うと段ボールから
有害物質は検出されません。

少なくともライナーは問題ないです。

もちろんどんな場合でも絶対というのは
ないんですけど、それなりに検査してます。

印刷用紙はやりませんが
包装用紙は試験するんですね。

口に入るものと接触する場合は
食品衛生法の試験をしてました。

段ボールだったら野菜とか入るので
当然危険な物質が出てきたらNG。

まず出てくることはないですけどね。

具体的にどんな物質かというと
基本は重金属ですね。

ネットでも一覧表がありました。

材質試験

試験項目 規格
カドミウム 100ppm以下
100ppm以下
ビスフェノールA(注1) 500ppm以下
ジフェニルカーボネート 500ppm以下
アミン類(注2) 1ppm以下

溶出試験

試験項目 規格 試験溶液(注3) 浸出条件
重金属(鉛として) 1ppm以下 4%酢酸 60℃30分間(100℃以上で使用のものは95℃30分
過マンガン酸カリウム消費量 10ppm以下
蒸発残留物 30ppm以下
4%酢酸
4%酢酸 60℃30分間
n-へプタン 25℃1時間
ビスフェノールA(注1) 2.5ppm以下 60℃30分間(100℃以上で使用のものは95℃30分間)
4%酢酸
20%エタノール 60℃30分間
n-へプタン 5℃1時間
  • (注1)フェノール及びp-tert-ブチルフェノールを含む。
  • (注2)トリエチルアニン及びトリブチルアミン。
  • (注3)蒸発残留物及びビスフェノールAの溶出試験の試験溶液は
  • (1)油脂及び脂肪性食品;n-ヘプタン、
  • (2)酒類;20%エタノール。
  • (1)、(2)以外でpH5を超えるものは水、pH5以下のものは4%酢酸。

独立行政法人製品評価技術基盤機構
URL:https://www.nite.go.jp/chem/shiryo/product/dish/dish4.html

というところで見つけました。

知っている人には分かるでしょうが
含有されていたらまずいものばかり。

ただですね、段ボールというのは
原料が古紙なんですよね。

しかも脱墨とか漂白とかそういう
工程はなしで紙を溶かしただけ。

古紙パルプにする前に選別はしますが
絶対大丈夫とは言い切れません。

検出するかどうかと言う事なら
検出はしないわけですが

絶対入ってないかと言われたら
100%大丈夫とは言い切れない。

たとえば、農薬の袋が古紙に
混ざっていたら使われるわけです。

感熱紙にはビスフェノールAが
使われる場合がありますが

これももしも混ざっていたら
取り除くことは難しい。

発色するので禁忌品ですが
混入しないとも限らない。

ただ、意図的に配合するとか
そう言うことはないので

全体としてみれば検出されない
試験もやってるので大丈夫。

そしてそれで実用上問題ない。

という感じの管理になってましたね~

そうそう。

この有害物質の試験自社でも出来ます。

そこそこの製紙会社はそれなりに
試験設備を持ってますからね。

しかし、自社の試験結果は信用してもらえない。

それは当然のことです。

自分で試験して自分で結果を報告しても
それが本当かどうか疑われてしまう。

なので、お金を払って外部機関に
試験を依頼してました。

証明書をとっていたわけです。

これ、自社の製造物であるライナーでも
やるんですが薬品メーカーにもお願いする。

使用している原材料全てにおいて
問題ないという証明を集めてました。

かなり形式的な感じもありましたが
ユーザーがうるさかったですね。

管理人が関わった頃はちょうど
グリーンパートナー制度ができた頃。

なので、家電メーカーもうるさくなった。

農協や印刷会社相手と違って
何かと細かい感じでしたね。

そのときは品質管理の取り組みは
業界で随分違うと思ったものです。

管理人のまとめ

今回は、段ボールに有害物質は
あるのか、というお話でした。

管理人の考えでは事実上
検出されないということでした。

古紙を原料としている以上、
絶対ゼロということは言えません。

それなりに管理もしていますが
薬品が付いた袋が入らないか

といわれるとそれは断言できない
というのが正直なところです。

ただし、たとえ含有されていたとしても
大量の原料の微量のものとなるので

実際に検出されないし実績的にも
問題が発生したことはありません。

なので事実上大丈夫ということです。

なお、ライナーは有害物質の検査を
外部で検査して証明書も発行しますが

一般の食品に触れない紙は
そんなことはしていません。

だからといって有害物質を使うことは
ないんですが一部の紙は使われます。

特に塗工紙。

防虫用の紙とか防錆紙とか
感熱紙やノーカーボン紙など。

こういう特殊な紙は薬品として
何が入っているかは微妙です。

もちろん少しくらい触ってどうなることは
ないんですが口に入れていいわけもない。

そのあたりは常識的な範囲で
対応するべきでしょう。

昔の和紙なら本当に植物由来の
食べてもいいやつが原料でしょうが

今は主原料が木材だと言っても
大量の工業薬品が使われています。

単体では危険品というのも数多い。

恐れる必要はありませんがあくまでも
工業製品だということはお忘れなきよう。

この記事が、段ボールの有害物質
についての参考になればと思います。

段ボール、食べたりしないで下さいね!

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