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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回は、グラシンペーパーとはというお話。
管理人、実は製紙会社に入るまで
グラシンペーパー、知りませんでした。
もちろん紙として見てるんですが
どういうものかを知らなかったですね。
実は、シールの剥離紙の青いやつとか
トレーシングペーパーとかはグラシン。
正確にはグラシンペーパーを
原紙として使っているということ。
薄くて半透明なやつですよね。
お菓子の包み紙なんかでも
ワックスペーパーとか、
料理のときに使うクッキングシートとか
そういうのがグラシン紙になります。
ではこのグラシンペーパー
どうやってつくるんでしょうか?
ということで。
この記事ではグラシン
ペーパーについて
管理人の調べたことを
お伝えしたいと思います。
グラシンペーパーは半透明の薄い紙
グラシンペーパーは半透明の薄い紙。
イメージとしてはこんな感じ。
GLASSINE PAPER COVER Lサイズ 書籍用グラシン紙保護カバー
そういえば書籍の保護にも使いますね。
それで。
普通、紙は少々薄くてもこんなに
半透明になることはありません。
新聞紙なんか相当薄いですが
半透明ということはないですよね?
普通に紙を製造しても半透明に
なるほど薄く抄造するのは難しい。
ティッシュペーパーはとても薄いですが
グラシンペーパーほどは透けてない。
では何が違うのか?
そこのところを説明してみます。
実は大きく違うのは原料です。
といっても、パルプを使うという
意味では普通の紙と同じです。
何が違うのかと言うとそのパルプの
叩解度というのが違います。
英語はフリーネス(Freeness)。
管理人はだいたいフリーネスと言ってました。
それでこれの意味なんですけど。
簡単に言うとパルプ繊維をどれだけ
細かくすり潰したかの指標になります。
フリーネスが低いほどパルプを
細かくしたということになります。
測定方法は、決まった濃度の
パルプの分散液をフリーネス計
という器具に入れてそこから
どれだけ水が出てくるかで測る。
水の量で表示するので
単位は「cc」でした。
今は「ml」だと思いますが。
これではかなり分かりにくいですね。
まあ、その方法自体はともかく
グラシン紙はフリーネスが低い。
つまり、パルプ繊維をとても
細かくしているということです。
一般的な紙とどれくらい違うかと言うと
普通の上質紙ならフリーネス400cc前後。
グラシンペーパーの場合はフリーネス
250cc前後という感じでしょうか。
倍半分とはいいませんが、
かなり低くなっています。
実際同じ濃度のパルプ分散液だと
ドロドロになるんですよね。
こうやってパルプ繊維を細かくと細く
していくと紙の隙間が減るんです。
そして、空気の部分が少ないほど
光の散乱が起こりにくくなる。
そうすると白く見えていたものが
透明になってくるんですよね。
イメージとしてはすりガラス。
あれって、もともと透明なガラスに
凹凸をつけて白くしてますよね。
だからあの凹凸が減ってくれば
透明になっていきます。
そんな感じで、紙も隙間が減れば
白いのが半透明になっていく。
そのためにパルプ繊維を
すり潰すわけです。
このドロドロになったパルプを
使って紙を抄造する。
一般的な紙とはかなり状況が違うので
グラシンペーパー用の条件で製造する。
管理人、これについては
具体的なことを知りません。
多分、ワイヤーやフェルト、が違うとか
マシン条件が違うんだろうと思います。
それで、このあとにスーパー
カレンダーをかける。
ここで言うカレンダーというのは
紙をロールで圧縮する装置。
圧力をかけて強くこする。
圧力をかけてこすれば
紙が潰れて薄くなる。
紙の隙間も減って半透明になる。
そんな感じです。
グラシンペーパーはこういう
作り方をするので密度が高い。
紙の場合は密度ではなくて
緊度と言いますけど。
これが高いと液体や気体を通しにくい。
そうするとバリアが必要な紙の
原紙に使いやすいわけです。
グラシンペーパーを原紙として使う理由
先程もお話しましたがグラシンペーパーは
緊度が高くて液体や気体が通りにくい。
なので、紙に薬品を塗工とか含浸
するときには都合がいいんですよね。
なので、ワックスペーパーや剥離紙、
キッチンペーパーの原紙に使われます。
ワックスペーパーの場合はろうそくを
溶かして含浸させて耐水・耐油性のいい
紙を製造するわけですが、そのとき
グラシンペーパーだとピンホールが
少ないし、紙の表面に薬品が残りやすくて
性能が発揮されやすいんですよね。
剥離紙やキッチンペーパーの場合は
シリコーンを塗工するわけですが
これも緊度が高いので
薬品が紙表面に残りやすい。
そういう特性があるので紙の
原紙に使われるということです。
なお、グラシンペーパーは普通の
上質紙などに比べて価格は高い。
なので性能とコストに見合った紙
でなければ使うことは出来ません。
結局、ちょっと特殊な紙が
メインの用途になるようですね。
管理人のまとめ
今回は、グラシンペーパーのお話でした。
グラシンペーパーとは薄くて半透明な紙。
身近ではシールの剥離紙の青いやつ、
クッキングシート、ワックスペーパー。
それからトレーシングペーパーや
書籍のカバーにも使いますね。
それで、その製造方法なんですが
原料のパルプを通常の紙よりも
更に細かく細くすり潰してドロドロにして
それを使って抄造し、さらにスーパー
カレンダーで圧縮してこすって
押しつぶすというやり方でした。
こういう製造方法なので緊度が高く
ピンホールが少ない半透明な紙になる。
そして、緊度が高いので塗工や
含浸したときに薬品が紙表面に
残りやすく薬品の性能が
発揮しやすいということでした。
この記事が、グラシンペーパー
の参考になればと思います。
グラシンペーパー、
結構身近にありますよ!
(参考)
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