インクジェットの普通紙。印刷面はマットとどちらがキレイ?

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、インクジェットの普通紙とマット紙、
どちらの印刷がキレイなのか?というお話。

管理人は元製紙会社社員でインクジェット
用紙開発に関わったこともあります。

なので、こういう質問をされると
不思議な感じがするんですね。

自分の中の常識なので。

理屈を言えば、普通紙の印刷面を
キレイにしたいから塗工します。

それがマットであろうが光沢であろうが
印刷面が良くなるから塗工します。

そもそも、普通紙で良ければ
塗工なんてしません。

工程が増えてコストが上がるだけですから。

しかし。

普通の人はそんなこと知りませんよね。

だからちゃんと回答しないといけない。

インクジェットの普通紙とマット紙の印刷を
比較するとマット紙のほうがキレイになる。

鮮やかさが全く違います。

ではなぜそうなるのか?

ということで。

この記事では、インクジェットの普通紙より
マット紙の印刷がキレイな理由について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

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インクジェットの普通紙よりマット紙の方が印刷がキレイな理由

管理人の感覚で言うと
インクの使用量が違うんですね。

普通紙とマット紙ではインクジェット
インクの使用量が違います。

インクの吸収性能はマット紙の方が良い。

そういう塗料を塗工している
わけですから当然なんですが。

表面に染料だけを残して水分は
即座に塗工層に吸い込まれる。

そうすると紙表面でのにじみが少ない。

パソコンの画面でいうとドットが
小さいということになります。

このドットが小さいほど精細な
画像にすることが出来ますよね。

結局、水分の吸収性が良い塗料を使って
インクジェットの液滴を表面でにじませない

そういう対応をするからドットを
小さくすることが出来て精細な画像になる。

普通紙の場合も、インクジェット用紙
以外の紙よりはにじみませんが

マット紙のような塗工紙と比較すると
やっぱりドットはにじんで太るんですね。

だからマット紙と同じレベルで
インクを打ち込むことは出来ません。

インクジェットプリンタには普通紙とか
高精細とかのモードがありますが

ようするにあのモードの違いは
紙の品質の違いになるわけです。

インクの吸収性がどの程度なのか、
そこが最も問題になるところなんです。

なお、普通紙のメリットを一つ上げると
品質ではなくて価格ですかね。

とにかく安いので。

インクジェット普通紙とマット紙の表面の違い

ここからは専門的なお話をさせてください。

それで、インクジェット普通紙と
マット紙の表面の違いなんですが。

普通紙は非塗工紙と呼ばれます。

マット紙は塗工紙の仲間です。

普通紙は非塗工紙とは言うものの
実際には表面には澱粉を塗ってます。

とても薄く塗ってますから紙に
沈んでいる部分も多いです。

この澱粉の中にインクの定着剤を
添加している場合もあります。

にじみの防止とか水濡れしても
インクが流れないとかそういう対策です。

紙の中にはサイズ剤という
にじみ防止剤も添加されています。

炭カルやクレー、タルクといった
内添填料もかなり入ってます。

内添填料はインクが裏まで
抜けないように入れてましたね。

紙が平滑になるとかしなやかになるとか
他にも理由があったとは思いますが。

こんな感じで、インクジェットのインクの
にじみや裏抜け対策をしてました。

それでも所詮表面はパルプがむき出しです。

だからパルプ繊維よりきめ細かくはならない。

そこが非塗工紙の限界になると思います。

一方のマット紙。

これは塗工紙ですから塗料を塗工しています。

主な顔料はシリカです。

シリカ、と言われると分かりにくいですが
乾燥剤のシリカゲルはお馴染みでしょう。

成分的にはあれと同じですね。

製法の違いで、シリカゲルと呼んだり
ホワイトカーボンと呼んだりしてました。

珪藻土と呼ばれることもありましたね。

いずれにせよ成分としてはシリカ。

これと接着剤(バインダー)を
混ぜて紙に塗るわけです。

バインダーはPVAが多かったですね。

身近では洗濯のりとかでしょうか。

酢酸ビニルやアクリル系の
バインダーも併用してました。

見た感じは木工用ボンドですね。

成分的にも近いと思います。

他にも定着剤とかそういうのを
入れて塗料として紙に塗る。

そうするとシリカの塗工層が出来る。

シリカは乾燥剤に使われるくらいですから
水分は相当吸収するわけです。

また、シリカの粒子でパルプを
カバーすれば表面性は良くなります。

実際には、バインダーを入れすぎると
にじんでしまうとか、定着剤とか

シリカの種類も色々あるし
表面強度も問題になるとか

条件は色々あるんですが、
そんな感じで塗料を塗ってましたね。

本音を言うと、こういう実験をやったうえで
マット紙を開発しているわけで

それを普通紙と比較するというのが
なんだかな~と思うわけです。

これでマットより普通紙がキレイとか
ありえないでしょ?ってことですよね。

開発者からすると。

ちなみに。

このマット調インクジェット用紙用の
塗料というのはインクジェット用。

なので他のプリンタでは使えません。

逆に言うとインクジェット用ではない紙を
インクジェットで使おうとしてもそれは無理。

プリンタ用紙全般に言えますが
紙はプリンタの部品のようなもの。

そのプリンタに対応した紙を使わないと
まともな印刷はできないんですよね。

紙なら何にでも印刷できると思われますが、
実はそうではないということ。

むしろ、印刷方式に対応した紙以外は
使えないというのが実際なんですね。

こういうのはやったことがない人には
分からないものだとは思いますが。

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管理人のまとめ

今回は、インクジェットの普通紙とマット紙、
どちらの印刷がキレイかというお話でした。

結論から言うとマット紙がキレイ。

開発する側から言うと、
そうなるように作ったから。

普通紙の印刷画像で満足なら
マット紙の開発なんてやりません。

普通紙よりもっときれいな印刷をしたいから
マット紙、光沢紙と開発したわけです。

インクジェット開発に関わった管理人的には
ぜひ分かって欲しいところですね。

この記事が、インクジェット普通紙と
マット紙の違いの参考になればと思います。

適切な紙を使ってキレイな
POPを作ってくださいね!

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