インクジェットで波打ちするのは?紙が薄くてインクが多い!

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インクジェット 波打ち

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は、インクジェットで波打ちするのは
紙が薄くてインクが多いから、というお話。

管理人は元製紙会社社員。

インクジェット紙の開発に
関わったこともあります。

それで。

インクジェット印刷と一般的な印刷で
一番違うのがインクの種類なんですよね。

特に溶媒、インクジェットは水ですが、
この種類と量が大きく違うんです。

それがどんなふうに影響するのか?

ということで。

この記事では、インクジェットで
波打ちする理由について

管理人の調べたことを
お伝えしようと思います。

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インクジェットで波打ちするのは紙とインク量のバランスが悪いから

結論から言うと。

インクジェットで波打ちするのは
紙とインク量のバランスが悪いから。

インクジェットインクの場合、
だいたい8割が水。

この水を紙は吸収するんです。

インクジェット用紙以外だとインクに
含まれる水を吸収できません。

というか、それが出来るように
インクジェット用紙を設計します。

ところが。

この水を吸収できたとしても問題がある。

それは、インクを定着させることが
できないと滲んでしまうこと。

そして、紙に十分なキャパがないと
紙が膨潤して波打ってしまうこと。

一般的なオフセット印刷なら溶剤は
基本油なので紙は膨潤しない。

環境が悪くて吸湿して波打つとか
逆に熱風乾燥させる場合は急激に

放湿して紙が波打ってしまうとか
元から紙が波打っていたとか。

そういうことはありますが。

しかし、インクジェット印刷の場合は
インク自体がほとんど水なので

極端に言うと紙の上に水を
ぶちまけたようなものなわけ。

しかもその水を吸収しないと印刷はにじむ。

結構ハードルが高いわけです。

とはいえなんとかしないといけない。

ではその対策はどうするのか?

やり方はいくつかあります。

インクの量を減らすか、紙を厚くするか、
紙の裏面にポリエチレンラミネートするか。

それでもだめなら全部やるか。

結局はインクの量と紙の厚さの
バランスをとるということですね。

管理人は普通紙の開発に
関わっていたんですが

紙の波打ちを改善するのは
相当難しかった記憶があります。

結局はプリンタの進化によってインク量を
減らす事で対応した感じですかね。

紙の方はある程度の紙厚というか
米坪にしておいて内添灰分を増やす。

そんな感じでした。

ちなみに、内添灰分を増やすのは
カールや波打ち防止以外に

インクの裏抜け防止効果も狙ってました、
というかコストダウンが一番でしたが。

それはそうとして。

もっとインクの量を増やすことが出来れば
画質も良くなるんですがそうはいかない。

そこが普通紙としての限界なんでしょうね。

プリンタでも色んなモードがあって
写真光沢と普通紙とは違うんですけど

つまりは紙がインクを吸収できる
性能の差がモードの違いになる。

特に普通紙の場合は塗料を塗らないので
紙だけで吸収しないといけない。

そもそも画質は求められないので
インクの量も少なくていいのでしょうけど。

それから、高級なコート紙のように
裏面にラミネートするわけにもいかない。

大抵の普通紙はレーザープリンタと
兼用紙で両面印刷しますからね。

色々お話しましたが普通紙の場合は
プリンタ側がインク量のバランスをとる

ということで画質とか波打ちとかを
コントロールしている感じですね~

なので、普通紙を写真印刷モードで
印刷したがボコボコになるかも。

要注意です。

インクジェットの波打ち。塗工タイプの場合

ここまで普通紙のお話をしましたが
塗工タイプでも波打ちはあります。

結局のところ画質を良くしようとすると
インクの量が増えてしまうんですよね。

そうなるとそのインクの中の水を
吸収するだけの厚みが必要になる。

塗工紙の場合は画質が重要なので
基本的に薄いものは対応しにくい。

ある程度の厚みが必要ということになります。

それでも、写真用なんかだと厳しいので
裏面にポリエチレンラミネートをする。

そういう感じで対策しているようですね。

そうそう、ポリエチレンラミネートするのは
ポリエチレンが水では膨潤しないから。

水で膨潤して変形する紙を
無理やり押さえつける感じです。

でもこういうのって厚手の高級な
塗工紙でなければ使えません。

それから、両面印刷は出来ません。

これもバランスということですね。

管理人のまとめ

今回は、インクジェットで波打ちするのは紙が
薄くてインクが多いから、というお話でした。

結局はインクに含まれる水分を
紙が吸収できるかどうか。

そのバランスなんですね。

それほど画質を気にしない普通紙は
紙は薄めでインクも少なめになるし、

高画質が求められる塗工タイプは
インクが多くて紙は厚手になって、

場合によっては裏面にポリエチレン
ラミネートをすると言う感じでした。

印刷トラブルが減っているとしたら
プリンタの進化が大きいと思いますね。

同じ紙でもプリンタによって
仕上がりが随分違いますので。

この記事が、インクジェットでの
波打ちの参考になればと思います。

紙と印刷モード、正しく設定して下さいね!

(参考)
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