紙の需要の変化とは?印刷・出版用紙から包装・ダンボールへ!

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紙 需要 変化

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回のお話は、紙の需要の変化とは?
印刷・出版用紙から包装・ダンボールへ!。

管理人は元製紙会社社員。

もうずいぶん前のことですけど。

それで。

管理人がいた頃、「マルチメディア」
という言葉が出てきたんですよね。

その頃、偉い人は「これは大変」
ということで色々調査をしてました。

当時はまだスマホもありませんから
「紙はまだまだ大丈夫」が結論でした。

今のように新聞が無くなるとか
スマホで漫画を読む発想ないので。

しかし。

今やニュースも漫画もネットで読める。

新聞を取る人は減り雑誌は売れない。

管理人が慌てていた当時考えられて
いたことが現実になってきています。

ではどうなっていくのか?

管理人なりに考えてみたい。

ということで。

この記事では、紙の需要の変化について
管理人の調べたことをお伝えします。

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紙の需要の変化。印刷物は減少?

結論から言うと印刷物は減りますね。

これは明らかに減っています。

特に、新聞紙、出版用紙は激減。

各新聞社は経営が危ないと言われるし
漫画雑誌も部数は激減しています。

かつて管理人が製紙会社にいた頃
マルチメディアと言っていましたが、

当時は今ほどネットはなくて
パッケージ販売だったんですよね。

だから、各媒体は紙の代替ではなくて
露出するメディアが増えた感じでした。

ひとつのコンテンツが雑誌に載れば
ゲームが出る、アニメになる

ビデオが出るグッズが出る
という感じだったんですよね~

ビデオもVHSとかだったですが。

これが今ではネットで完結する。

DVDはおまけがないと売れません。

ネットで閲覧して、必要ならダウンロード。

アニメはテレビで見るかも知れませんが
ネット配信の方が便利だったりする。

紙媒体はこだわりのある人が買うだけで
価格と置き場所を考えても電子書籍が有利。

紙で見たいもの以外、紙は必要ない。

そういう感じになってますからね~

こういう流れは止まらないのでしょう。

紙の需要の変化。包装用紙は増加

これも身近に感じることですが。

印刷用紙は減っていますが
包装用紙は増えている気が。

特に通販に使うダンボール。

これもネットの影響が大きいですが
これほど通販でものを買うとは。

企業関係の梱包に使う紙の削減
というのはかなりやってるんですが

個人ユーザー向けの包装紙の
削減はできないと思いますね。

管理人が一番思うのは水とコメですかね。

水やコメを通販で買うなんて
考えもしませんでしたから。

でも重いものを自宅まで持ってきてくれる
というのはやっぱり便利なわけです。

それから家電。

家電量販店で現物をチェックして
アマゾンで価格を見てから購入する。

店頭に物がなくても通販なら買えるとか。

そういう買い方が増えれば
ダンボールの需要も増える。

書籍も似たようなところがありますが
こちらは電子書籍買うかも知れません。

いずれにしても通販が増えれば
ダンボール(板紙)の需要も増える。

なので、やっぱり包装紙、特に板紙
は増えるということになるのでしょう。

紙の需要の変化。印刷用紙から板紙への転抄は出来るのか?

こういう需要の変化は分かっていますが
印刷用紙から板紙への転抄紙は出来るのか?

これは容易ではありません。

まず、印刷用紙と板紙では
マシンの仕様が違うんですね。

通常の印刷用紙であれば一層抄き。

ですが、板紙の場合は多層抄き。

もうここから大きく違います。

だから設備の改造が必要になる。

マシンの大きさにもよりますが
数億円では無理じゃないかなと。

とりあえずマシンを止めてお金をかけて
改造しないと出来ないんですよね。

また、これだけではありません。

原料が必要になります。

印刷用紙の場合原料は基本的に
クラフトパルプと古紙パルプ。

それから機械パルプになるんですが
板紙の場合はほぼ古紙パルプ。

ただ、この古紙パルプの中身が違っていて
印刷用紙なら新聞古紙とか雑誌古紙。

板紙の場合はダンボール古紙がメイン。

この原料にも対応しないといけない。

それから気になるのが排水ですかね。

印刷用紙の排水は上質系なら
かなりきれいなんです。

基本的に白いんですよね。

ところが板紙は脱墨もしない
古紙パルプが原料になる。

なので排水の色はグレーでかなり汚い。

たとえば。

これまで上質系の印刷用紙を2台
並列で運転していて水がきれいに

セパレートされていなかった場合
板紙の水が混ざると色が落ちる。

上質紙のように白い紙に混ざると
品質が落ちるというわけです。

当然まずいですよね。

設備改造や原料供給もそうですが
こういう部分もきちんと分けて

運用しないと後から後から
設備改善が必要になる。

そもそも印刷用紙も板紙も
専用のマシンで製造しています。

なので、これを変更するというのは
相当大変なことになるんですよね。

そして、こんなことが出来る工場は
国内でも限られていると思います。

生き残るためには必要だとしても
結構なリスクを覚悟する必要がある。

会社によってはスクラップアンドビルドで
新設したほうがいいと考えるでしょう。

時代の流れに乗れるかどうか。

経営者の手腕ってやつですかね。

管理人のまとめ

今回は、紙の需要の変化のお話でした。

結論としては印刷用紙が減って
ダンボールが増えるということ。

ただし、それに対応するのは
なかなか大変ということでした。

紙の総量としてはよく分かりませんが
個別にはこの傾向は間違いないでしょう。

そういえば。

昔、紙は包むもの、という
お話を読んだことがあり余す。

この話、包装紙なら分かりやすいんですが
印刷出版用紙もそういう捉え方が出来る。

つまりは、「情報を包んでいる」んだと。

しかしそうすると、情報媒体としての紙の
役割は終わりかけなのかも知れません。

かつて、レコードやカセットテープがCD、
ビデオがVHSからDVD、そしてネット配信に

なったように紙に包まれていた情報も
ネット配信に変わっていくということ。

それでも紙が他の媒体と違うのは
包装とか梱包に使われるところ。

ダンボールを超える物が出てくれば
本当に消えてなくなるでしょうが

今のところそういう競争相手は
出てきていないんですよね。

でも。

身の回りがコピー用紙とダンボール
ばっかりと言うのもどうかなと。

管理人的にはもう少し紙の文化が
残ってほしいなと思うんですが。

この記事が、紙の需要の変化の
参考になればと思います。

紙の文化、大切にしたいものですね!

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