再生パルプは環境負荷が高い?どのくらい漂白するかが問題!

記事内に広告が含まれています。

この記事は約 9 分で読めます。

再生パルプ 環境負荷

 

管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。

今回は再生パルプは環境負荷が高い?
どのくらい漂白するかが問題!
というお話。

最近SDGsという言葉をよく聞きます。

簡単な言葉でいうと地球にやさしい。

残念ながら化学工業はSDGsとは逆。

紙パルプ工業なんて公害の元ですから
なおさら肩身が狭いような気がします。

それはそうとして。

パルプの作り方も色々あります。

一番多いのはクラフトパルプ。

木材を化学処理して作るやつ。

大気汚染、悪臭が公害として
取り上げられる製法です。

今は随分改善されましたが
独特の硫黄臭はありますね。

他に木材から直接パルプを作る
機械パルプというのもあります。

グラインダーやレファイナーで
木材をすりつぶしてパルプにする。

こちらはクラフトパルプのように
強度が出ないので製造量は少ない。

歩留まりがいいとか嵩が出るとか
不透明度が高いメリットがあるので

新聞紙や雑誌に使う更紙には
よく使われるパルプですが。

環境負荷としてはマシでしょうか。

そして再生パルプ。

古紙パルプともいいますね。

古紙を回収してきて水で溶かして
もう一度パルプに再生する。

環境負荷としては一番少なそうですが
それが意外にそうでもないんだとか。

正確には白色度によると。

それはどういうことか?

ということで。

この記事では、再生パルプは環境負荷が
高い?どのくらい漂白するかが問題!
について

管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

再生パルプの環境負荷は白色度で大きく変わる

結論から言うと。

再生パルプの環境負荷は
白色度で大きく変わります。

たとえば。

再生パルプを白色度の高い
上質紙に使おうとします。

そのためには白色度の高い
再生パルプの製造が必要。

方法は大きく2つ。

元々白色度の高い紙を使うか
白色度の低いものを漂白するか。

それで。

古紙として回収されるのは
その相当量が新聞紙です。

なので、新聞紙の白色度でいいなら
再生パルプの漂白はそんなに必要ない。

しかし。

新聞紙の白色度より白くするなら
そのための漂白が必要になる。

ここが大きな問題になるわけです。

つまりは白色度を上げたければ
漂白剤も多量に必要になる。

出来るだけ強い薬品で長時間
パルプを漂白しないといけない。

製造側としてもコストが掛かる。

下手をするとクラフトパルプより
高くなることだってあるんです。

古紙がバージンパルプより
コスト高なんてそんなバカな!

そう思うかも知れませんが実際に
原価比較するとそうなってました。

純粋に変動費だけの比較ではなくて
設備などの固定費もありますけど。

それでも。

企業からすればバージンより古紙が
高いなんて心情的にも許されません。

しかも品質は下がるという・・・

エコだとかSDGsとか言ってる人は
それでもいいと思うでしょうが

現実的に使っているユーザーは
低品質で高価格なんて受け入れない。

むしろ古紙を使うんだから
安くなるよねと思っています。

建前ではエコですからと言っても
本音は安くて品質がいいのが良い。

当たり前ですよね。

いずれにしても。

再生パルプで環境負荷が高いのは
白色度が高い紙に無理して使う場合。

従来から古紙を使用している新聞紙や
段ボールの場合はそうでもないんです。

こういうのを明確にせずになんとなく
環境負荷が高いとか言うのはどうかなと。

都合のいいところだけ切り取って
議論するのは良くないでしょうね~

再生パルプの環境負荷が増えるのは白いもの信仰か?

ここからは余談です。

紙の品質についてなんですが。

指標は色々あります。

強度が高いとかしなやかだとか。

その中でも一番重要なのは
白いことだと思うんです。

昔は、色の白いは七難隠す、と言われました。

今だと怒られるのかも知れませんが。

でも実際に白いものは良いものだ
という信仰のようなものがあります。

紙は白いほうが上質紙。

お砂糖だって白いのがいい。

 

カップ印 白砂糖1kg

 

肌の色も透き通るような
白い肌は褒め言葉です。

 


【セルピュア】

 

白い歯っていいな、です。

ホワイト&ホワイト 150g ×10個セット

 

白米だってそうですよね。

白いお米がおいしそう。

 

 

時代によって感性は変わりますが
それでも白いものは良いものだと。

こんな感じの信仰に近いですよね。

 

UV加工、軽量、速乾 白衣(無地 袖付き) あらゆる巡礼、霊場巡りに使えます。 【お遍路用品/巡礼用品】 (L)

 

管理人、これを否定することはありません。

しかしですね。

これは不自然なわけですよ。

SDGsのような観点からすると。

現実にはそんなに白い必要ないとか
漂白のためにコストがかかるとか。

本来白いものならいいんですが
無理に白くすると環境負荷になる。

再生パルプだって黒いまま使えば
そんなに環境負荷にはならない。

むしろ優秀なごみ処理でしょう。

それを無理して白い紙にまで
使おうとするから負荷がかかる。

白いものは清潔感があっていい
というのはよく分かるんですが。

行き過ぎると自分の首を絞めてしまう。

ほどほどにすべきなんでしょうね~

スポンサーリンク

管理人のまとめ

今回は再生パルプは環境負荷が高い?
どのくらい漂白するかが問題!という
お話でした。

紙は白いほうが上等だというのは
よく分かるお話なんですけど。

本来白色度が高くない再生パルプを
無理やり漂白して白くするのが問題。

新聞古紙を新聞紙に使うなら
そこまで環境負荷は高くない。

それを上質紙に使おうとするから
無理に漂白して環境負荷が高くなる。

当然、コストも高くなる。

あまりいいことはないんですね。

古紙回収率が高いことは素晴らしい。

しかし無理して環境負荷が増えたら
なにしているのかわからない。

トータルで見て最も地球に
やさしい方法を実施してほしい。

綺麗事ではなく本当にそう思いますね~

この記事が、再生パルプの
環境負荷の参考になればと。

地球にやさしい取り組み、
うまくやってほしいですね!

(参考)
こんな記事も読まれています。

コピー用紙で裏写りしない方法。紙を厚くするしかないのか?
https://kamiconsal.jp/copypaperurauturi/

再生紙の再生回数は何回くらい大丈夫?その限界はあるのか?
https://kamiconsal.jp/saiseisisaiseikaisuu/

ブライダル新聞の紙質は何がいい?長く残すならマットか上質
https://kamiconsal.jp/bridalsinbun/

タイトルとURLをコピーしました