管理人の紙コンサルこと、
べぎやすです。
このカテゴリでは包装紙について
お話したいと思います。
包装紙って結構身近にありますよね。
ただ物を包んでいるだけのものから
演出として使われるものまで。
安ければいいというものから
機能が必要とされるものまで。
様々なシーンで見ているはずなんです。
でも包装紙って地味なんですよね。
紙自体が地味ではありますが、
基本的に商品の引き立て役ですから。
しかも最近ではリサイクルとか
ゴミの減量ということで
過剰包装はいけないとか
色々言われて肩身が狭い。
でもあの紙はなんだろうと
気になることもあるはず。
ということで。
このカテゴリでは包装紙について
管理人が調べたことをお伝えします。
【包装紙 薄葉紙の用途】
包装紙には種類が色々あります。
お中元やお歳暮で
商品を包んでいる片艶クラフト紙
封筒は茶色いのがクラフト紙
白いのが晒クラフト紙。
そんな中でこれはなに?と思うのが
詰め物に使われている紙。
たとえばバッグやカバン、
靴にも詰められている白くて薄い紙。
薄葉紙と呼ばれるものですが
地味に色々使われています。
純白紙と呼ばれることもあるようです。
こんなただの詰め物なら
新聞紙でもいいんですけど、
高級品は見栄えや品質の問題で
白くて薄い紙を使うんですね。
実際、安物の場合は新聞紙とか
中質紙が使われていることもありますが
紙が劣化したり変色したりするので
長期保存にはあまりよくない。
長期保管することがあるなら
白い薄葉紙のほうが劣化しなくていい。
たかが詰め物ですが
紙が劣化すると印象が悪いし
酸性紙の場合、酸が皮革に対して
悪さをする可能性もありますから。
純白の薄葉紙が陶器や食器の保護用の
包装に使われることもありますね。
引越しの時に食器を包むのに
新聞紙を使ってそのままにしていたら
インクが付いたという話も聞きますが
ズボラだと自覚しているなら
ちょっと高くつきますが薄葉紙を
使うほうが良いのかも知れません。
それ以外ではワイシャツを買った時に
入っている白くて薄い紙もそうですね。
食品用としてはパンの下に
敷く紙とかもそう。
それから花束を包む
ラッピングペーパーもあります。
こちらは白ではなくて
色々カラフルなものがありますね。
この場合は紙に撥水加工など
するみたいです。
フィルムのものや不織布もあるので
使い分けされてると思いますが。
【包装紙の表裏について】
ここからは元製紙会社社員として
お話をさせて下さい。
ここまで包装紙を紹介しましたが、
包装紙でも表裏差がないクラフト紙と
片面がツルツルで反対面がザラザラの
片艶クラフト紙という種類があります。
これらは抄紙機が違っているんですね。
正確には抄紙機における
乾燥工程のドライヤーが違います。
表裏差のないクラフト紙は
多筒式と呼ばれるドライヤーを使います。
多筒式ドライヤーというのは
名前の通り金属の筒(シリンダー)が
数十本あってそこに高温の水蒸気を通し、
紙を接触させて乾燥させる装置です。
一方片艶クラフト紙は乾燥工程で
ヤンキードライヤーという装置を使います。
多筒式が多数のシリンダーを
使用するのに対して
ヤンキードライヤーは
大径の金属シリンダードライヤー1本。
そのドライヤーの表面に紙を押し付けて
乾燥させるという方法です。
ヤンキードライヤーには
高温の水蒸気が通っているので
そこで紙を加熱して乾燥させる
ということです。
またヤンキードライヤーは
通常鏡面仕上げされていますので
この金属表面に紙を押し付ければ
紙もツルツルになるというわけです。
多筒式の場合はドライヤーが
何本もあるので紙がドライヤーの
表面に接触する時間が短いですが、
ヤンキードライヤーは
1本のドライヤーに長時間接触するため、
鏡面が転写されやすいようです。
そのため片艶クラフト紙は
名前の通り片面に艶がある紙なんですね。
なお、ヤンキードライヤーは
1本のドライヤーで乾燥させるため
多筒ドライヤーより乾燥速度が遅く
マシンの速度が遅いです。
そのため新聞紙やコート紙のように
大量生産する紙には採用されません。
ちなみに、ヤンキードライヤーの
ヤンキーの語源は以下の通り。
ヤンキー(Yankee)とはオランダ移民が
英国移民につけたあだ名で
当初は主としてアメリカ
ニューイングランド地域の住民を指した。
1850~60年代 ティッシュペーパー
が主にその地域で作られており、
そのマシーンに使われる大きな直径をもつ
ドライヤーをヤンキードライヤーと呼ぶようになった。
ということだそうです。
そういえばメジャーリーグに
ニューヨーク・ヤンキースがありますが、
名前の由来はこれと同じ
ということのようです。
【管理人のまとめ】
今回は包装紙についてお伝えしました。
包装紙には種類が多く、
身近で使われているのですが、
地味なのであまり気が付かない紙に
なっているのではないかと思います。
特に薄葉紙はラッピング以外に
詰め物とか陶器や食器を包んだり
洋服を買った時に入っていたりと
地味な使われ方が多いですからね。
これを読んで地味な包装紙に
気がついてもらえたなら
この記事を書いた意味も
あったかなと思います。
身近な紙にぜひ興味を持って下さいね!