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管理人の紙コンサルこと、べぎやすです。
今回はディノスが社内報を自社再生紙で!
エプソンのシステムを採用、というお話。
管理人、これはちょっと
気になっていたシステム。
自社で発生する使用済みの紙を
古紙として再利用する仕組み。
セイコーエプソンがリリースしてます。
もちろんこれはオフィス用なんですが
どこか具体的に採用するのかなと。
面白いし話題にはなりそうなんですが
現実味があるのか不明だったので。
それで。
今回はディノスが採用したんだとか。
すでに31社は採用してるみたいですね。
PaperLab HP
⇒https://www.epson.jp/products/paperlab/customers/
そういえばディノスといえばガタログ通販。
紙、とは縁があるんでしょうけど
どんな感じになるのでしょうか?
ということで。
この記事では、ディノスが社内報を自社
再生紙で!エプソンのシステムを採用、
について
管理人なりに調べたことを
お伝えしたいと思います。
ディノスが社内報を自社再生紙に!どんなシステムなの?
今回はディノスが自社の使用済み文書を
自社で再生して社内報に使うわけですが。
そこで使われているのは
セイコーエプソンのシステム。
「PaperLab」というものだそうです。
どんな感じなのか?
エプソンのHPに動画がありました。
かなり分かりやすく説明されてますね。
このシステムが優秀なのは
水を使わないところでしょう。
通常、紙を製造するときには
大量の水を使用します。
なにしろ、パルプスラリーは
抄紙工程の最初の部分だと
インレット濃度が1%以下で
調整されているんですよね。
インレットというのはパルプスラリーを
ワイヤーに噴出する装置なんですけど
そこのパルプ濃度は0.5%-0.8%とか
そんな感じで低いわけですよ。
計算しやすいようにパルプ濃度1%
と設定した場合、水の量は99%。
紙の重さに対して水は99倍。
実際にはもっと水を使いますが
最低でもこの程度は必要になる。
たとえば米坪64g/㎡でA4サイズの
コピー用紙なら1枚が4gなんですが
そのときに必要な水の量は
4g×99だから水は396gになる。
コピー用紙が500枚だったら
水は396g×500=198000g=198kg。
かなりの量ですよね。
これの5倍の2500枚だと水は約1トン。
ちょうどこれを作るのに水1トン。
コピー用紙 A4 ホワイトコピー用紙 高白色 紙厚0.09mm 2500枚(500×5) ブランコ
コピー用紙って1箱が2500枚が
標準的じゃないですか?
だからあの箱1つ製造するのに
最低でも水1トン必要なわけ。
管理人も今回改めて計算してみて
使う水の量の多さを感じましたね~
ところが!
このエプソンのPaperLabは
乾式なので製造に水は使わない。
オフィスでそんな水使ってたら
水道代も馬鹿になりません。
なによりエコじゃない。
SDG’sとかで宣伝するなら
水を無駄に使わないのがいい。
そんな感じですかね~
技術的なところも動画が。
専門的なことはなかったですが
何をしているかは分かりやすい。
管理人的には気になったのは脱墨。
古紙を再生するときは「脱墨」という
インキを抜く工程があるんですが
その工程はパルプ化工程で
大量の水を洗剤を使うんです。
それから漂白剤も。
しかしこのシステムは乾式で
脱墨しているように見えます。
元々の紙が白いから漂白もなさそう。
このあたりがすごいなと思いましたね。
水を使うのが当然だと思っている
管理人には分からない技術です。
その後、繊維をほぐしてバラバラにして
接着剤でくっつけるのは不織布と同じ。
これは昔からある乾式不織布と
似たような工程だと思います。
いずれにしても。
社内でもう一度使用できる紙に
再生するのはすばらしい。
すごいことだと思いますね~
自社再生紙のシステムなら社内の機密も守られる?
ここからは余談です。
管理人が会社にいた頃は今のように
機密文書なんて厳しくなかったですが。
今はちょっとしたことでも秘密を
社外に出してはいけないと言われます。
実際のところ、紙の文書でそんなに
問題が起こるとは思いませんけど。
しかし、こういうシステムがあれば
社内文書はその場で処理される。
リサイクルに出してなにかあるかも
という心配をする必要もない。
コストはかなり掛かるでしょうけど。
まあ、本当に怖いのは技術的なことより
人的な情報の流出なんでしょうね~
その会社がどんなことをやっているかは
先端技術なんて普通の人には分からない。
しかし、誰がどの部署にいるかは
とても使える情報になるんです。
管理人的には社内の電話帳なんて
一番重要な情報だと思いますね。
どこにだれが所属しているか
簡単に分かりますからね。
商社だったらアプローチしたい人が
どこにいるかはとても重要な情報。
人間さえ抑えてしまえば必要な
情報はどうにでも入手できる。
そう簡単ではないでしょうが
そう考える人もいるということ。
実際、本当に有益な情報は
人間だと思いますので。
まあ、社内の内線電話帳なんて
訪問すれば見ることが出来るもの。
結局、情報は使い方次第ですかね~
だからといってこういうシステムに
意味がないというわけではありません。
やっぱり外部に漏れてはいけない
情報というのはあるでしょうから。
ただし。
管理人としては、それ以上に情報の
取り扱いや運用が重要と思いますね~
管理人のまとめ
今回はディノスが社内報を自社再生紙で!
エプソンのシステムを採用というお話でした。
管理人、これは面白い
システムだと思っています。
コスト的な問題はあるにしても
企業の宣伝活動にはいいのかなと。
オフィスから出てくる古紙の量なんて
製紙会社からすると微々たるもの。
それならオフィスでリサイクルして
使うほうが効率的だと思うんですよね。
あと、機密文書の処分の点でも
内部で処理できるのがいいなと。
それから、今回採用されたエプソンの
PaperLabの紹介もさせてもらいました。
これは前から気になっていたんです。
すごい技術だと思いますね。
そういえば。
ディノスが自社で再生して社内報に
使う紙は米坪150g/㎡だそうです。
この米坪って結構厚いんですよね。
イメージとしては名刺くらいでしょうか。
どんな社内報かちょっと見てみたいです。
内容よりも、紙を見たいんですけど。
この記事が、自社再生紙の
参考になればと思います。
オフィス古紙の自社再生紙、面白いですよね!
(参考)
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